コラム・特集企画
ビギナーズ知恵袋 vol.92

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★風と水温低下の関係

普段、何気なくサーフィンをしていて感じる海水温の変化。

これからの季節、水温は徐々に低くなっていくが、そんな水温が低下する要素として、気温はもちろん、風も影響している事をご存じだろうか。

今回のビギナーズ知恵袋では、風と水温の低下の関係について、簡単にお送りしよう。

まず、海上で強烈な風が吹くと、海面での蒸発が盛んになり、この蒸発によって海面から熱が奪われ、海面水温が低下する。

また、そんな風によって、海面下の冷たい海水と海面の暖かい海水がかき混ざる事で、海面水温が低下する事もある。

しかし、海面水温の低下に影響を与える大きな要素の一つとして挙げられるのが、台風等による反時計回りの風によって海面下の冷たい海水が引っ張り上げられる湧昇(ゆうしょう)と呼ばれる現象。

反時計回りの風が強く吹く時は、中心付近から外向きに海水が移動する。

すると、移動した海水を補うように、深いところから海面よりも冷たい水が湧き上がるが、これが湧昇と呼ばれる現象だ。

その効果は、強い風が同じ場所で長期間吹くほど顕著となるので、台風がゆっくり移動している時などは、海面水温の低下が大きくなるのである。

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(今年の台風15号の経路図。湘南沿岸を足早に去ったものの、接近・通過に伴って、20日と22日では1.4℃の水温低下が見られた。)

ちなみに、強いオフショアが吹くと水温が低下すると言われるエリアがある(茨城や千葉エリアでは南西風が吹き続けると、急激に海水温が下がる)。

様々な説があり定かにはなっていないが、強い風によって、海面の温められた海水が沖へ流れる代わりに、海底の冷たい海水が浅い水深の所まで沸き上がって、海水温が下がるという、湧昇に似た現象も挙げられているほど。

海というフィールドで楽しんでいる我々だからこそ、自然が織り成す現象に目を向ける事で、様々な発見があるかもしれない。

今回のビギナーズ知恵袋が、波に限らず風や気候など、気象に関する知識を学ぶキッカケになれば幸いである。



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