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【連載企画】海外トリップのススメ |
皆さん、こんにちは。サーフトリップ・オーガナイザーのSERIです。
日本はいよいよGWから夏を感じる季節が到来!…と言いたい所ですが、ご存知の様に日本各地では、冬日と夏日が交差しこの季節に雪まで降り出す異常気象にも驚かされました。私も4月中旬から下旬までバリ島に滞在していたのですが、ここでも4月というのに雨季よりも激しい雨が連日続き、クタ側がオンショア、サヌール側がオフショアという、今までに経験の無い気候の「ズレ」の様なものを感じました。
さて、前回はサーフトリップの王道であるバリ島をご紹介しましたが、4回目の今回は、「ビヨンド・ザ・バリ」というテーマで、バリ島の隣に位置するロンボク島やスンバワ島をご紹介しましょう。
バリ島の東約50kmに位置する、島の大きさもバリ島とさほど変わらないロンボク島は、バリ島の混雑を避けたいサーファー達がたどり着いた楽園でした。
ロンボク南部にもクタという村があり、現在このクタがバリ島と同じくここを訪れるサーファー達のベースになっています。とは言ってもレストランやお店も数える程しか存在せず、ノボテル・ロンボクはこのエリアでの唯一と言えるリゾートホテルであり、最も快適に過ごす事の出来る宿泊施設の一つです。もちろん、もっと安く気楽に滞在を楽しめるロスメンやホテルも数件は存在しています。
このクタから車なら10分強で到着するグルプック村が、私達のサーフパラダイスのゲートとなる訳です。グルプック湾の入口にあたる左右の「アウトサイド」から、湾の内部に「インサイド」そして「カメポイント」があります。
オールシーズンに渡ってこのグルプックでは何らかのスウェルが入り、サーフィンが可能となります。どこのポイントにもボートが必要なので、ローカルによるガイドは欠かせないでしょう。でもせっかくローカルに案内をしてもらうのであれば、混雑の多いグルプックから離れ、アイル・グリンやマウンポイントといった場所に足を延ばしてみる事をお薦めします。
時期によっては、「誰もいない」ブレイクが貴方を待っていてくれるかも知れません。クタの東へショートトリップを行えば、エカス湾があり、そこでもアウトサイドとインサイドそれぞれにメローなブレイクが発見出来ます。
よくロンボクは、「30年前のバリ」と例えられるのですが、まさしくバリからこのロンボクにやって来ると、わずか50kmしか離れていないとは信じられないほど、のんびりとした風景が広がっています。
どこまでも続くヤシの木のジャングルや広大な水田、水牛やヤギが遊ぶ田畑、純朴な子供達…。そこは、かつて私達がバリ島に引きつけられた時に感じた「懐かしさ」が、ここロンボクではまだまだ至る所に残っているのです。
現在、ガルーダ・インドネシア航空では成田から出発するバリ島デンパサール行きの飛行機がバリ島に到着すると、直ぐにロンボクのマタラム行きの便に接続が可能な様になりました。つまり、バリ島に到着してそのままロンボクへ向かう事も可能なのです。今後、インドネシア政府はロンボクでの国際空港の建設や、様々な大型リゾートの誘致計画を発表しています。素朴なロンボクを楽しむのであれば、まさに今がチャンスだと思います。
そしてロンボク島からさらに東隣へ目をやると、そこに浮かぶのがスンバワ島です。東西に100km以上の海岸線を持つこの島では、既に80年代後半にはオーストラリアからのサーファー達によってポイント開拓が行われましたが、ヨーヨーズやスカー・リーフに代表される西側のポイント、レイキーピークやペリスコープのある東側のポイントは、現在も既に多くのビジターサーファーが訪れています。しかし、その中間となるビーチ・ライン等には、まだ全く未開発なサーフポイントもあるようです。
もし、十分な時間とジャングルをかき分けて進んでいくチャレンジ精神があれば、冒険に出掛けてみるのも良いかも知れません。スンバワ島のサーフポイントへは、アプローチの方法が2つあります。ひとつはバリ島から国内線でスンバワ島のビマ空港へ向かい、そこから島の東側へ車で向かう方法です。ビマ空港から3時間程のドライブをすると「フウ」の村があり、そこの「ラーケイビーチ」には唯一のホテル「アマン・ガティ」があります。
決して素晴らしいリゾートホテルでは無いのですが、それ以外の施設は全て「サーフ・キャンプ」となり、営業の真偽は定かではありません。アマン・ガティからはどこのサーフポイントも近い距離で、レイキーピーク、ヌンガス、ペリスコープへと移動が可能です。ローカル達が「バイクの後に乗れ!」と誘うので、ボードを抱えたまま彼等の後に股がると、そのままエントリーする場所へ連れて行ってくれます。もちろん、その時の値段は彼等と交渉して下さいね!
そしてもう1つの方法が、バリ島からロンボクを経由したチャーターボートで船旅をする方法です。最近ヨーヨーズやスカーリーフがある島の西部へもアクセス出来る空港が出来た様ですが、運営状況がまだ定かではありません。そのため、陸路よりもはるかに早くポイント移動も行えるチャーターボートで行く方法がお薦めです。ボートでのアプローチは、海岸線が入り組んだスンバワ島においては短時間で多くのブレイクを楽しめる手段と言えるでしょう。
この船旅はヨーロピアン・サーファーやオージー達には人気があるのですが、日本人のサーファーには馴染みが無いからなのか、あまり利用される方がいません。
シーズン中には頻繁にツアーがバリ島から組まれているので、是非一度参加してみて下さい。シーズンは毎年5月?9月末、遅くても10月上旬までと考えた方が良いでしょう。
ご紹介したロンボク島もスンバワ島も、バリ島と同じインドネシアですが、島の気候や風土、文化も異なります。特にバリ島がヒンドゥー教であるのに対し、この2つの島はイスラム教です。人々の暮らしや慣習もバリとは違う為、私達もそれを知った上で、ローカルの人達と接する事が重要です。
また、一部の地域ではホテルでの盗難やぼったくりの様な犯罪も発生しています。バリ島とは全てが違う事を認識して、出来る限りガイドやローカルサーファーと共に行動する事を強くお薦めします。きっとその方が、異文化を持ったこの島での楽しみが倍増することでしょう。
それでは、皆さんよい旅を! またお会いしましょう!
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