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『ビラボン パイプラインマスターズ』終了!

2007-12-18 更新
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(写真は優勝したビード・ダービッジ)

今シーズンのASPワールドツアーはメイン会場のコンディションが整わずに他のポイントでヒートが行なわれるモバイル形式での開催が多かったのですが、最終戦のパイプラインでも同じことが起こってしまいました。サイズ不足のために2日間のウェイティングを経て、コンテストディレクターは隣のオフザウォール、バックドアに舞台を移して残りヒートを続行することを決断。現地時間12月17日の早朝にR4からスタートし、「デュアルフォーマット」を使用してQFまでの28ヒートを消化。ファイナルはマスターズならではの4人ヒートで締めて日没前に全てのスケジュールを無事終了しました。

波の方はトレードウィンドで風は合っていたものの、3ftレンジからたまに4ftのセットが入る程度のノースショアにしては物足りないコンディション。いくつかのバレルはありましたが、大半はマニューバー勝負。それも波数が少なかったため、ポジショニングや波運が勝敗を分けていました。

そんな中、R4ではディフェンディングチャンピオンのアンディ・アイアンズや、今年のワールドチャンピオンであるミック・ファニングが早くも敗退。ケリー・スレーターもR5の土壇場でクリス・ワードに抑えられてしまい、ラウンドアップを果たせませんでした。残っていたパイプラインのスペシャリスト達もR5には姿を消し、ファイナルまで勝ち上がってきたのはジョエル・パーキンソン、ディーン・モリソン、ビード・ダービッジの3人のオージーとローカルナレッジを生かして順調にコマを進めてきたノースショアが誇るパワーサーファー、パンチョ・サリバンでした。

35分のファイナルで主導権を握ったのは、3人が待っていたポジションの更に奥からセットを掴んでビッグターンを連発したビード・ダービッジ。この波で9.50ptをスコアして圧倒的なリードを持ったビードは残り7分にも7pt台を出し、この時点で2位のディーン・モリソンに必要なスコアは8.85pt。3位のパーコと4位のパンチョに対してはコンビネーションスコアと全く寄せ付けず。結局、終了のホーンが鳴る前にディーンの前に逆転可能な波は現れず、ビードがトータル16.67ptで見事に初のマスターズのタイトルを獲得しました。
表彰台でのインタビューでは、「とてもクラッシックなパイプラインと言えるコンディションではなかったけど、コンテスト自体は激しい戦いだったんだ。今回は新しいデュアルフォーマットだったし、クオリファイを賭けてバトルしていたハングリーな奴らが沢山いたからね。今年はスポンサーが付いたから、フリーサーフィンもコンテストヒートもシーズンを通して冷静さをキープするようにトライしていた。それが今日のような良い結果を生み出したんじゃないかな。最高の気分でシーズンをフィニッシュ出来たし、2008年は更に上を目指すつもりさ。」とコメント。

ビードは長い間スポンサーに恵まれず、自費でツアーを回っていましたが、今年になってやっとウェアブランドと契約を結び、費用の心配が無くなったところでした。
ビードは今回の優勝で1200ptを加算し、最終レイティングではアンディを抑えて5位にアップ。更にトリプルクラウンの栄冠も勝ち取り、スポンサーも大喜びでしょう。

トリプルクラウンの歴史を振り返るとハワイアンが圧倒的に強く、1999年から昨年までの8年間はサニー・ガルシアが3回。マイルス・パダカが1回。そして、アンディが4回獲得。オージーでは1997年のマイク・ロンメルシー以来のこと。そのことに関しては、「トリプルクラウンの栄冠は長年の夢だったんだ。このハワイで認められるってことはワールドタイトルを獲得するのと同じようなものだと思っていたからね。」と話していました。

なお、今回のマスターズでは表彰式にレジェンドのジェリー・ロペスが登場。彼が制作したサーフボード型のスペシャルトロフィーが本人から手渡しされ、これにはビードも大感激していたようです。

これで2007年シーズンは幕を閉じ、2008年は2月のゴールドコーストからキックオフします!
もちろん、BCMでもフォローしていきますので、お楽しみに!

『ビラボン パイプラインマスターズ』結果
1位 ビード・ダービッジ(AUS)
2位 ディーン・モリソン(AUS)
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
4位 パンチョ・サリバン(HAW)

photo: ASP Covered Images