『夢屋ビラボンプロ田原』ファイナル詳細
2008-08-03 更新
この日のハイライトをお伝えします。
会場の伊良湖ロングビーチのコンディションは前日の2日(土)とほぼ同じコシ~ハラ位のパワー無いトロ厚めか、トロ速いブレイク。風が弱い分、乗れる波はありましたが、潮回りによってピタッと波が来なくなる時間帯もあり、選手達は難しい戦いを強いられました。
9時45分にスタートしたファーストヒート、QFのヒート1はナサニエル・カラン(USA) vs ダスティン・クイゾン(HAW)の好カード。実力や今イベントの調子を見ると事実上のファイナルとも言える一戦でしたが、波回りが良かったダスティンが一方的なリードをキープしてナサニエルをコンビネーションスコアに追い込んでの勝利。実はナサニエルは少し前から右足の半月板を損傷し、それをかばいながらコンテストにエントリーしているそうです。QF終了後にガッチリとテーピングをしていたところを見ると、最終ヒートは大分影響があったのかも知れません。
ちなみに兄のティム・カランとは仲良しで、アドバイスを受けることも多いとか。実力もさることながら兄の心強いサポートを武器に来年のワールドツアーでは注目のルーキーになることでしょう。
SFのヒート1、ナサニエルを敗ったダスティンが昨年までASPワールドツアーの一員だった南アフリカ出身のグレッグ・エムズリーと対決。最初の10分の時点でグレッグのスコアが5.67の一本のみに対して、ダスティンは早々と7.33と8.00をまとめて主導権を握ります。この時点でグレッグが逆転に必要なスコアは9.66。優先権を持つグレッグは辛抱強く波を待ちますが、乗れる波が非常に少なくなったこのヒートでは待つことよりも、攻める戦略が正解だったようで、結局ダスティンがファイナル行きの切符を手にしました。
もう一人のファイナリストを決めるSFのヒート2は、ペドロ・ヘンリケとジャドソン・アンドレのブラジリアン対決。両者共に持ち前の攻めのサーフィンでガンガンと波に乗りますが、6pt台を出すのが精一杯。実力的にはどちらが勝ってもおかしくない状況でしたが、僅差でペドロがジャドソンを上回り、ラウンドアップ。
注目のファイナルは真夏の大陽が照りつける中、12時35分にスタート。30分ヒートで最初に飛び出したのはダスティン。ファイナルまでのダスティンの戦い方を振り返ると序盤にハイスコアを出して相手にプレッシャーをかけて逃げ切るパターンが多く、ファイナルもヒート開始直後にいきなりキャッチした波でリズム良くアクションを重ね、8.33をメイク。バックアップスコアも7.33とこの日のコンディションでは完璧に近い形。このままでは終われないペドロは中盤にレフトの波でロングライドを決めて8.00を返しますが、あと一本が足らずタイムアウト。
ダスティンが最後までペドロを抑え、6日間に渡って行なわれた『夢屋ビラボンプロ田原』の頂点に立ちました!
ダスティンはファイナルデイの試合運びについて「今日はスモールサイズだったから、ポジションを移動しながらスコアにつながる波を探していたんだ。」と話していました。
ハワイアンのダスティンにとって日本の小波を制したことは大きな自信に繋がるでしょう。
「スモールな波の練習は数多くこなしているよ。」とコメントを残したダスティンは優勝賞金の15,000USドルと2,500ptを手に入れ、WQSレイティングも46位から27位へジャンプアップ!ペドロの方は17位から一気にクオリファイ圏内の4位に入っています。
なお、このイベント終了後の日本人最高位は94位の大野”マー”修聖、田嶋鉄兵が109位、田中樹が128位。
次の6スターイベントは8月12日からフランスのラカナウで開催される『Sooruz Lacanau Pro』、翌週の8月18日からはフランスのホセゴーで6スタープライム『Rip Curl Pro』が開催されます。その他にもヨーロッパでは5スターイベントが2つ控えており、ワールドツアーが9月7日の第7戦まで休暇に入るため、多くのトッププロがヨーロッパに集まることが予想されます。
『夢屋ビラボンプロ田原』結果
1位 ダスティン・クイゾン(HAW)
2位 ペドロ・ヘンリケ(BRA)
3位 グレッグ・エムズリー(ZAF)、ジャドソン・アンドレ(BRA)
5位 ナサニエル・カラン(USA)、アンドレ・シルバ(BRA)、ショーン・ゴスマン(AUS)、マルロン・リプケ(DEU)
『夢屋ビラボンプロ田原』公式サイト
http://www.aspjapantour.com/live/2008/tahara/(PC用)
photo: ASP Covered Images