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アルガンベイ2008夏③

2008-09-13 更新
朝、鳥の声で目を覚ます。部屋の外のバルコニーでしばらくボーっとしていると、屋根からボコボコという物音が聞こえる。目を向けるとサルだった。

そのサルは僕の存在に気がつかず、地面へ降りてきた。そして、僕の部屋の前にあるキッチンに人がいない事を確認すると、中へ入っていったのだ...。僕は脅かそうと思ってキッチンの中へ勢いよく入っていくと猿は飛び上がって一目散に逃げていった(笑)。庭に目を向ければリスが戯れている。アルガンベイはどこもこんな感じで自然の中のサーフビレッジだ。

甘いミルクティと南国フルーツの朝食を終えると、マンボの弟のババイヤが「今日はピーナッツファームに行こう!」と提案してきた。ピーナッツファームとは、アルガンベイから30分ほど車で走ったサーフポイントで、ここにも宿泊出来るバンガローがある。

すぐに支度を済ませ、ジープに乗って出発!ジープはガタガタ道を走り、途中から舗装されていないジャングルの中を突っ切って、ようやくそのポイントに到着した。

ここはジャングルの中にある絶景のサーフポイントだ。バンガローが5棟、キッチン、トイレ、そしてジェネレーター(発電機)が置いてある小屋が一つあるだけのシンプルなビレッジ。バンガローは、高床式になっていて危険な動物が来ても大丈夫。各バンガローからは、サーフポイントが目に入る。

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この日のコンディションは胸サイズ。アルガンベイ同様、ライトオンリーのポイントブレイク。僕は部屋へ荷物を置いて早速海パンに着替え、ポイントに向かった。カーブした美しい砂浜を歩き、半島の途中から飛び込めば余計なパドリングはしなくてもラインナップに辿り着く。

海の中には僕とローカルの友達だけ。乗ってみると、かなりマッシーな波質で何度もカットバックを強いられる。数本乗っている内に段々と調子が出てきて納得のいくカットバックが出来るようになってくる。100mくらいのライディングに5回はカットバックをする。サンドバーが決まってサイズが上がれば、もっと沖からビーチの中央まで乗り継げる波になるので、300mのライディングにリッピング&セクションチューブといった感じだろう。
しかし、今日はサイズが小さくてマッシーでも誰も居ない...。貸切りセッションっていうのは最高だ。

何度もビーチを歩いて沢山の波に乗った。海から上がるとバンガローのハンモックでひと休み。真上から照らす太陽で汗が滲む。そして、夕方少し涼しくなったところで、もうひとサーフ。夕方はアルガンベイのメインポイントからも数人のサーファーがやってきて一緒にセッションすることになった。ドロップインなどはなく、お互いに波を譲り合い、誰かが良い波にテイクオフすれば奇声を上げて盛り上げてくれる理想のサーフィンスタイルだった...。
やがて陽が傾き、黄金の太陽がジャングルに沈んでいく。それを見ていると思わず涙が出るほど感動してしまった...。

波乗りを終え、海から上がってシャワーへ向かう。排水の処理が不十分なのでシャンプーなどは使わずに水で体を流すだけにしておいた。
晩御飯は何がいいか?と聞かれたので、みんなと同じで良いと答え、久しぶりにスリランカカレーを食べた。その辛さは尋常ではなく、夕陽に続いて二回目の涙を流すほどだった(苦笑)。やっぱり、僕の体はもう日本に順応しきっていたのだ。

夜、窓を開けっ放しで寝ていると、僕の顔の上に木の実のような物が落下してくる。懐中電灯で照らしてみるとコウモリが天井で木の実を食べていた。ジャングル恐るべし!

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今回の「One Earth」はここまで。
このストーリーは次回へ続きます!

★BCMワンポイントアドバイス★スリランカのような南国の島での滞在を人一倍楽しむには、日本で生活している時と頭の中身を変えてしまうのが良いでしょう。「アイランドスタイル」「アイランドタイム」という言葉がある通り、南の島には独特のゆっくりとした時間が流れているので、それに逆らわず、身を任せてみて下さい。

そもそもサーフィンとはサーフボードだけで波に乗るという原始的な行為ですから、頭の中身も原始的にシンプルにした方が気持ち良く楽しめると思います。もし、チャンスがあれば、その島の儀式などに参加するのも良いでしょう。
波だけでは無く、各国の風習や文化を体験するとサーフトリップの楽しみが一段と広がりますよ!