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「ブラジリアンCT選手のさきがけ」F+(エフプラス)コラム

2017-12-11 更新
Text by つのだゆき / Photo by Snowy

エフプラスコラム

トライアルは消化したものの、期待していたスウェルが今一つまとまらず、先の予報もあまりよくないのでどうなることやら、のパイプ。ワールドタイトル争いがかかっているだけに、せっかくならいい波で勝負をつけてもらいたい。

エフプラスコラム

写真はファビオ・ゴウベイア。
今ツアーの第3勢力として、オーストラリア、アメリカに続くワールドタイトルホルダーを輩出し、CTにも一定数の選手を毎年確保している国、ブラジル。そのブラジルもかれこれ30年前までは日本と同じような位置にいて、世界を回っているのはわずかふたり。ブラジルから世界に出たさきがけが、このファビオ・ゴウベイアとフラビオ・パダラッツのふたりだった。80年代のブラジルは、ファビオ・フラビオが支えた。

今ファビオは息子のイアン・ゴウベイアがクオリファイし、パパはブラジルのテレビのコメンテイターとしてパイプにやってきている。いや、イアンにはすでに2歳になる子供がいるので、ファビオはおじいちゃんか。う~ん、そりゃ私も還暦だわよね。
パイプの入り口でばったり出くわして、しばし世間話。

ブラジルのサーフィン業界はとても景気が悪くて、専門誌も1誌だけになり、ネットも金にならず、媒体としてテレビは何社もあってしのぎを削っているらしいけど、そこも有料チャンネルじゃないと難しいようだ。
ファビオはライブのコメンテイターをブラジルでやってるとのこと。今やインターネット社会なので、ブラジルに居ながらにしてライブの解説ができちゃうわけ。配信されている画面を見ながらの解説。もちろんわずかなタイムラグは出るだろうけど、ライブ配信見てる人は同じものを見ているので気にならないし、逆に同じ画面を見ながら解説するので、現地で実際のビーチを見ながらやるより視聴者には親切でわかりやすい。
現地でビーチ全体が見えてしまえば、視聴者には見えない部分の話をしてしまうこともあるだろうし、タイムラグも見えてしまう。だからたいていの場合、ライブ配信のキャスターたちは海の見えない場所で、画像を見ながら話している。同じ見えないなら、ハワイでもブラジルでも変わらない。経費大幅節減。

ファビオ・フラビオ時代のツアーは今よりずっとファミリー的なツアーで、関係者やメディア、選手の間の壁もほとんどなく、みんなで一緒に世界を移動するサーカス状態だった。今はセキュリティがうるさくて、選手と話すチャンスもそう多くない。サーフィンがカルチャーからスポーツに変遷したことを、選手がサーファーからアスリートに変化したことを、ファビオのような昔の選手と会うと強く感じる。


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