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ノーリーシュは有り?無し?オーストラリアでは社会問題に(WSMコラム)

2018-07-19 更新
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Byron Bay(バイロン・ベイ)

時代を問わず、物議を醸す事の多い話題の一つであるノーリーシュ(リーシュコードを付けずにサーフィンすること)。

ノーリーシュという事は、ワイプアウトすればサーフボードは流されてしまい、インサイドにいるサーファーにヒットしてケガを負わせる危険性があるためです。

このノーリーシュ問題について、サーフィン大国オーストラリアでも話題となっていて、ABCニュースにて元政治家でありベテランサーファーであるイアン・コーエンが声を上げています。

イアンによると、バイロンベイに位置するメジャーサーフスポット「ザ・パス」の状況があまりにも酷く、イアン本人はヘルメット無しで海に入ることはないほど、とのこと。

先日ノーリーシュのサーファーの数を数えたところ、ラインナップに100名ほどのサーファーがいる中、約20人ほどがノーリーシュだったと言い、「ノーリーシュはブレーキ無しの車に乗っているようなもの」と憤慨。

イアンが怒るのには訳があり、実際にザ・パスでは流れたサーフボードによる事故が起きているためです。


-事故が多発する現状。怪我を負わせると法的な責任の可能性も?

今年前半には、タイス・プピオという女性サーファーがザ・パスに入っていた時、他のサーファーのボードがヒットして、肋骨が3本折れ、外傷性気胸を患ったと言います。

タイスによると相手のサーファーから「大丈夫?」と聞かれ、「大丈夫じゃないわ」と答えたにもかかわらず、被害者となったタイスに手を貸すわけでもなくその場を離れていったそうです。

このような事故が絶えないため、イアンは厳しい取り締まりを行う必要性を訴えていて、サーフィンを専門とする弁護士の中には、ノーリーシュサーファーは怪我を負わせた場合に法的な責任がある可能性があると指摘。

この問題はバイロンベイに限らず、オーストラリア各地で相次いでいるので、ノーリーシュによる被害者の数が増え続ければ議会を通じて何らかの措置が取られる可能性があるほど深刻化しているそうです。


さて、ノーリーシュに関しては賛否両論あるのですが、個人的にはノーリーシュが完全悪とは思いません。色々な楽しみ方があって然るべきであり、サーフィンは自由であるはずだからです。

ただし、自由だから何をやっても良いというわけではなく、最低限のマナーとモラルを持ち、誰かを傷つける恐れがあるといった想像力を持ってサーフスポット選びをすれば解決するはずです。

ノーリーシュに限らず、夏になるとサーファーの数が増えるので自然とトラブルは増えます。同じサーフィンを楽しんでいるもの同士、思いやりを持った行動で笑顔を増やしてみてはいかがでしょうか。

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