From BCM.サーファー&ミュージシャン
2003-06-12 更新
ミュージックコラム第3回目は「サーファーとミュージシャン」です。サーフィンはよくジャズの即興演奏に似ているとも言われています。それはウネリの段階からブレイクを読み取り、絶えず変化する波に、臨機応変に対応しながらライディングする様が、それまでの展開を聞き取ってから、ある法則に基づき、アレンジを加えてプレイヤーが自由に演奏するといったジャズ的な技法に例えられるからだと思います。そんな理由であってか?定かではないですが、音楽活動とサーフィンの2足のワラジを履いたとも言えるサーファーは数多くいるようです。確認できる範囲で有名どころを以下にリストアップしてみました。
サーファーMusician
ロブ・マチャド(exサックランチ)、ケリー・スレーター、ピーターキング(ザ・サーファーズ)
トム・カレン(彼のギタープレイがTK5というサーフビデオのイントロで使われています。)
ドノバン・フランケンレイター(exサンチャイルド)
ミュージシャンSurfer
ジャック・ジョンソン
4ボルト
マイク・ネス(ソーシャルディストーション)
エディ・ベダー(パールジャム)
ペリー・ファレル(ジェインズ・アディクション、ポルノ・フォー・パイロス)
ペニーワイズ
ベン・ハーパー
Keison
河村隆一
テストライダース
北原雅彦(東京スカパラダイスオーケストラ)
さて、そこで誠に勝手ではありますが、この双方の総合優勝者を決めさせていただきます。それはやはり、ハワイ・ノースショア出身、在住の「ジャック・ジョンソン」ではないでしょうか。彼はローティーンの頃からパイプ&バックドアをメイクする程の実力を持ち、将来を約束されたサーファーでしたが、キャリアを脅かすほどの怪我がきっかけで、映像・音楽の世界を生業として選びました。手始めに「G.ラヴ&スペシャル・ソース」99年発表作"フィラデルフォニック"に楽曲提供&共演をしました。その後「クリス・マロイ」と共同製作した"Thicker Than Water"で深い映像センスも披露し(もちろんBGMも担当)、「ベン・ハーパー」のレコーディングも手がけるJ.P.Plunierによるプロダクションで1stアルバム"ブラッシュ・ファイヤーフェアリーテイルズ"(日本盤も有り)をインディーズで発表。これがきっかけとなり、メジャーのユニバーサルに移籍。このアルバムは100万枚を超えるロングセラーとなりました。また、「ケリー、ロブ、ドリアン、ロス、ガー、ルーク」といったクルーでのメンタワイ周辺へのドリームボート・トリップをドキュメントした"September Sessions"の撮影をし、さらにそのサウンドトラック(輸入版のみ)では「G.ラヴ、ベン・ハーパー」らと「September Sessions Band」として演奏しています。その後も数々のツアーやフェスをこなし、今年に入って2ndアルバム"オン・アンド・オン"(6月19日国内盤発売)を発表。アメリカでの第1週目のセールスは13万6千枚をマーク。5/24付のビルボード総合アルバム・チャートでなんと初登場3位になりました。
このように、マルチな才能を示した彼の経歴を見れば、彼が総合優勝者だという意見に同意できるでしょ?
肝心の音の方はというと、アコースティックなフォークロックを基調としていますが、レゲエの要素も入っていたりブルージーであったりと、一筋縄ではいかず、メロウなロックのオルタナティブ的分類に位置すると思います。要するに、アフターサーフに最適なサウンドなのです!!皆さんも是非聞いてみて下さい。また、彼が手掛けたビデオは、SURFERマガジンのベストビデオに選ばれていますので、そちらからチェックしてみると良いかもしれません。
次回は「CKY」を取上げたいと思います。