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ダミアン・ホブグッドがアンディを破り優勝!!

2004-06-04 更新
現地時間6月3日。フィジー・タバルア島およびナモツ島を舞台としたASPクイックシルバープロでRound4~ファイナルまでの残り全てのHeatが行われ、驚異的なパフォーマンスを見せたダミアン・ホブグッドがWCT初優勝を飾りました!

この日の会場となったのは有名なクラウドブレイクP。8ftオーバーのソリッドでクリーンなバレルが、世界のトップサーファーたちのパフォーマンスの舞台となる理想的な状況でした。

中でもファイナルHeatの30分は群を抜いていて、それまででも充分に素晴らしかったセミファイナルまでの各Heatの印象を薄れさせてしまうほど。それはジャッジのポイントにもはっきりと出ていました。

ダミアンにとってこの日の結果は、1999年にWCT入りしてからの自己最高。実力者として認められてはいましたが、今までのベストリザルトは昨年の南アフリカでケリーに次いでの準優勝のみで、まだ優勝の経験はありませんでした。

ワールドチャンプのアンディはファイナルHeatの前半にまず8.0P、続けて9.33Pを出して完全に優位に立ちましたが、24歳フロリダ出身のダミアンは、2度のワイプアウトをも乗り越えた上で、その前半戦の劣勢を見事に逆転。セットの物凄い波にテイクオフしたダミアンは、そのモンスターのごとき波のバレルの中に、真っ直ぐに立ったままの姿勢でプルインし、数秒後に再び現れて大歓声を浴びました(このライディングにはパーフェクト10.0Pがつけられました!)。残り10分を切ってからアンディは更に9.63Pを出してトータルを18.96Pとしリードを拡げましたが、ダミアンは再びほとんどパーフェクトに近い9.90Pというハイスコアをマーク、WCTの初優勝を勝ち取るとともに、ワールドツアーランキングも5位にジャンプアップしました。彼が出したトータル19.90PはASPのファイナルHeat史上、最も高い得点です。
「こんなにイイ結果は予想も出来なかったよ」と勝ったダミアン。「優先権の関係なんだけど、ジェットスキーがアンディを僕よりも奥のポジションに落としてったから、かなりアタマに来てたんだ。しかもその後すぐにアンディがスゴくイイ波に乗ってったから、なおさらアタマに来てね。でもその裏の波の方がもっとデカかったおかげで全てが上手く行った。絶対メイクするって決めてテイクオフしたら、ガッポリ掘れたバレルになったんだ。夢みたいな波だったなぁ・・・ただバレルの空間の中に真っ直ぐ立ってたのだけを覚えてるけど。
アンディがヤバいくらいイイ波に乗ったのがわかってたんだ。アンディときたら、何でもないみたいに簡単に10Pのライディングを出しちゃうヤツなんだ。終了一分前に自分がリードしてるときでも『あのアンディが相手だからまだ勝負は終わっちゃいない』って自分に言い聞かせてたよ。
今日のクラウドブレイクはマジでヤバかったね。どんどん波が良くなって、真っ直ぐ立ったまま入れる8ftのバレルだもん。これ以上は望めない最高の波だった。」

昨年の優勝者であるアンディにとって、準優勝という結果は、この日一日の彼の素晴らしいパフォーマンスからすれば物足りないものだったかも知れません。この日の朝のRound4でも今大会で自身2度目となる10.0Pを出し、クォーターファイナルではトータル18.8Pをマーク、更にセミファイナルではダミアンの双子の兄弟CJ・ホブグッドを相手にこの2日間で3度目となる10.0Pまで出して決勝に進出していたのですから。
決勝Heatでのトータル18.96Pという信じられないようなハイスコアをもってしても、アンディの手は優勝に届かなかったのです。しかしながら、第1戦での準優勝と第2戦・第3戦での連続してのセミファイナル進出、そしてこの第4戦での準優勝は、WCTワールドツアーランキングでの彼のリードを確実に拡げています。
「紙一重だったけど、それだけのことさ。」とアンディは感想を一言で述べました。「ヤツは完璧にサーフした。こういうバレルのポイントが舞台なら、ワールドツアーに出ている誰よりも、ダミアンは優勝に相応しいと思うよ。スゴいサーフィンを見せてもらった。9点台を2本も出してリードしてたのにヤラれちゃったんだから、もう脱帽だよ。この大会では彼が勝ったけど、戦いはまだまだ続いてる。僕は安定した結果を出しながら少しずつ前進してるんだ。2位が2回と3位が2回だから、悪くはないよね。Jベイ(南アフリカ)での次の大会が楽しみだよ。
まあ10.0Pを早めに使い過ぎちゃったかもね。2本分はファイナルにとっておかなきゃいけなかったけど、でも10.0Pなんて狙って出せるもんじゃないからなぁ。
皆がレベルアップしてるし勝ちたいと思ってる。次の大会ではもっと進化するよ。きっと一回のHeatで10.0Pを2本出すようなことになるだろうね。」

3位となったのはCJ・ホブグッドとティム・カランでした。

前回タヒチのWCTで優勝したCJは、セミファイナルの前半では皆をアッと言わせるようなライディングでアンディをリードしていましたが、アンディの10.0Pライディングによって逆転されてしまいました。それでもCJのツアーランキングは2位に上がりました。
「たぶん俺、アンディには5連敗中なんだよね。」とCJ。「でもいつだって、それはこっちの調子が悪いせいじゃないんだ。こっちがスゴくいいサーフィンをすると、アンディはもっとクレージーなライディングを引き出しから出してくるんだよ。いつも犠牲になるのが俺だから参るよ(笑)。アンディはワールドツアーでリードを拡げ、俺の方は離されちゃったけど、でもスゴくストークしてるんだよ。今日はマジでスゴくイイ波に乗れたし、素晴らしい大会だった