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部原クイックシルバー・プロはCJ・ホブグッドが優勝!

2004-09-06 更新
9月5日(日)。千葉で開催されていたクイックシルバー・プロにおいて、2001年のワールドチャンプであるCJ・ホブグッドが今シーズン2度目の優勝を飾りました。この日は午前中にクオーターファイナルのheatからスタート。賞金総額26万ドルに向けてのクライマックスは劇的な展開となりました。

部原ビーチには再び3ftのクリーンな波が届き、時折パラつく小雨も、ヒーローたちを間近で観ようと浜に詰め掛けた大観衆の熱気を冷ますことは出来ませんでした。

CJは30分間のファイナルheatを通じてずっとジョエル・パーキンソンの後塵を拝していました。最後の瞬間がせまるにつれ、誰もが優勝はパーコ(=ジョエル・パーキンソン)に決まりだと思っていましたが、CJは決して諦めることなく、グーフィーのsetを掴んで8.23Pを出します。パーコは最後の1本を乗った時点まではリードを保っていましたが、ラスト40秒というところで、CJがレギュラーのsetに乗り、バックハンドでの激しいアタックを開始!リップでテールを大きく滑らせてのリエントリーに続き、インサイドセクションでリバース360°をメイクします。得点は9.47Pとアナウンスされ、優勝はCJの手に。

今年のタヒチでも既に優勝し、フィジーのクイックシルバー・プロでもセミファイナルにまで残っている25歳のCJは、これで目下のツアーランキング2位につけたことになります。

「何が起こったのかわからなかったんだ」とCJは後で語りました。「パーコがずっとリードしてるのがわかってたけど、まだチャンスはあるって自分に言い聞かせてた。で、あのグーフィーに乗って、その後でラストの一本に賭けたんだ。失うものは何も無かったし、自分の出来ることはわかってた。それでビーチに上がってきたら・・・ホントのところ、そんなに高い点がついてるとは思わなかったんだ。観客の大歓声が聞こえたけど、自分に向かって叫んでいるのか、それとも良い大会だったことを喜んで叫んでいるだけなのか、わからなかった(笑)。自分が勝ったってわかったときの気持ちは最高だったよ。
次はトレッスルズ(カリフォルニアのブースト・モバイル・プロ)だけど、この勢いで活躍したいね。僕とケリーとパーコとダミアン・・・いい闘いになるね。トップのアンディだけがこれ以上離れて独走にならないことを祈るよ。」

ギリギリのところで負けてしまったパーコにとっては、これが去年の新島に続く日本での準優勝となりました。昨日、大会中の2本合計点の最高点を記録し、この日の朝にはチャンピオンのアンディ・アイアンズを倒し、セミファイナルではほぼ完璧に近い9.8Pをマークしていたパーコは、ファイナルでもその手を緩めず、8P以上を2本しっかりと並べます。その内の1本はフロントサイドの大きなエアで実に8.33P。しかし対戦相手が最後の最後で力を出し切ったために逆転されてしまいました。

世界ランク5位のパーコは今年オーストラリアのベルズ・ビーチで優勝した後、娘のエヴィが生まれるにあたってWCTを2大会キャンセルしました。皮肉なことにこの日は彼の故郷での父の日にあたり、夫人と生まれたばかりの娘もこの大会を観戦していました。23歳のパーコのツアーランクはこの大会を終えて4位となりました。

「仕方ないよね」とパーコ。「精一杯のサーフィンをして、でももっと良くサーフした相手に負けたんだから。父の日にこんな仕打ちをするなんてCJも人が悪いよ(笑)。終わって5分間はかなり落ちたけど、フォスターのビールも飲んで今はだいぶマシな気持ちになった。すごく勝ちたかったけど、負けちゃったね。」

3位になったのはオーストラリアのクリス・デイビッドソンとハワイのカラニ・ロブ。5位になったのはオーストラリアのダレン・オラファティ-とアンディ、ケリー、そしてダミアン・ホブグッドでした。

アンディは昨日、大会中唯一のパーフェクト10Pを出しましたが、昨年の決勝以来のリマッチとなるパーコとの闘いでは負けてしまいました。しかし、この5位という結果が彼の今シーズンの最低の成績で、ツアーランキングではまだまだアンディがトップの座にいます。

「ピークを早くもって来すぎちゃったね」とアンディ。「去年は2度ほどパーコと当たって上手くやっつけることが出来たけど、今年は逆にやられちゃってる。これで2度目。キツイね。でも準々決勝まで来れたんだからまあいいかな。ワールドツアーは短距離走じゃなくてマラソンみたいなものだから。5位は今年一番悪い成績だけど、やるべきことはやったってことさ。」

ケリーは最後までカラニをリードしていましたが、ラスト数分の土壇場で、カラニが7.5Pを出して逆転。アンディが前のheatで敗れ、追いつくチャンスになっていただけに、この結果は32歳のケリーにとっては明らかな失敗でした。今年4度目となる準々決勝敗退により、ケリーのランキングは3位に落ちてしまいました。

「わかってたのにミスをしてしまったね。」とケリーは認めました。「残り6分でプライオリティ(優先権)をカラニに与えてしまった。で、カラニはそこそこに形の良い一本の波が来るまで待って、そしてロングライドして、最後はワイプアウトしたけど、それでも点数は高かった。これはちょっとした失敗だね。ツアーランキングのポイントの面に限って言えば、大きなチャンスを逃してしまったよ。
そうは言っても、これでアンディとの差は今までと変わらないってこと。これからのひとつひとつの大会がより重要な意味を持つんだ。」とケリーは自分自身に言い聞かせる様にコメントしました。

尚、今大会に出場していた日本人4選手は、残念ながら全てRound2で敗退し