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サーファーの体験したスリランカの大津波

2005-01-23 更新
One Earth Vol.17
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昨年末に発生したスマトラ沖地震によるインド洋沿岸諸国での未曾有の津波被害については、皆さんもすでに各種の報道からその惨状をご存知のことと思います。

今回は、大津波がスリランカのヒッカドゥワを襲う“まさにそのとき”に、ヒッカドゥワのメインポイントでサーフィンしていたという僕の友人、「トモ」の生々しい体験談を紹介したいと思います。(幸い彼自は怪我も無く、先日無事に帰国しています。)

以下は「トモ」の体験談です。
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大地震と津波の2日前、12月24日にスリランカについた僕は、ヒッカドゥワのポイント近くにステイしていました。メイン・シーズンに入っているこのエリアは毎日ソコソコの波が続き、連日サーフィンが楽しめていました。
そしてあの12月26日、僕は朝8時頃からヒッカドゥワのメインポイントでサーフしていました。その時他には、日本人サーファー3人とロコをあわせて15人くらいのサーファーが、一緒のポイントに入っていました。

異変に気がついたのは10時10分頃だったと思います。パタッと全く波が来なくなり、不思議なことに5-6分間もフラット状態が続きました。そして何故か波が無いのにバックウオッシュが入り出したのです。
「何か様子がおかしい!?」と思い、岸に目をやると、ビーチの水位が異常に上がっていることに気が付きました。そしてその後、沖を見ていると、ゆっくりとウネリが入り始めました。
まず小さ目のウネリが2本入ってきてから間もなくして、それまで見たこともないような不思議なカレントが発生。その後、明らかに今までとは違う大きなウネリが3本目として入って来ました。
通常のウネリなら、ウネリが自分を持ち上げて自分の下を通過すれば、その後直ぐに再び元の高さに戻る(下がる)はずですが、このウネリに持ち上げられた時は、そのまま海面が高いままとなって、元の高さに戻る(下がる)ことが無かったのです。

そしてそのウネリはいつものラインナップとビーチとの中間あたりで、爆発ともいえるブレイクを見せました。それは生まれて初めて見る物凄いブレイクでした。その時このウネリが津波である事をまだ知らない一緒にラインナップにいたサーファー達からは、もの凄いブレイクに対して、一斉に歓声が上がった程です。
しかし、ブレイクした波はその後も勢いを止めず、ポイントの正面にあるゲストハウスを丸呑みして、さらに奥へ奥へ(内陸へ)と進んで行ったのです。その光景を目の当たりにし、ようやく僕を含めた海の中のサーファーたちは非常事態であることに気付きました。

その後気が付くと、自分を含めたサーファーたちは、岸に向かって右方向へ約500mも流されていました。
そして更に、ウネリが5-6本続いた後、今度は陸地にあったありとあらゆるものを引き込みながら潮(海水)が沖へと引き始めたのです。
その中に人間が巻き込まれて行くのを見たローカルのマンボーは、サーフボードを片手に海に飛び込み、200m以上パドルして沖に流された人の救助に向かったそうです。無事に救出されたのはドイツ人のツーリストでした。

津波が去ってからは、マンボーが中心となり、近くにいたツーリストたちを安全な場所にあるロコの家へと避難させました。
僕も今回のスリランカには、消毒や傷薬を多く持参して行ってので、津波の後もしばらく現地に留まり、怪我人の治療を毎日行いました。医者はもちろん薬も不足していたため、それだけでもチョットした医者代わりのような働きが出来たかな?と思います。

津波の襲来から3日後の29日に、サーファーたちがビーチ周辺の片付けを始めました。翌日には村人みんながビーチの片付けと道路掃除を始めました。それはとてつもない作業でしたが、みんなで行ったかいがあり、新年1月1日には、なんとか一段落させることが出来ました。
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さて、前回のコラムでもお伝えしましたが、御世話になったスリランカの人達の役に少しでも立ちたくて、日本スリランカ協会とスリランカ政府観光局に義援金用の口座を開設して頂いています。僕たちサーファーの呼びかけでスリランカの復興に役立ててもらえる募金で、NGOの手によって全額がスリランカの被災者救援に当てられることとなります。
皆様の善意のご協力を是非よろしく御願いいたします。(もちろん無理のない範囲で。)
下記に口座を紹介させていただきます。

郵便振替口座
00130-4-778015
口座名:スリランカ津波被害救援金あて

※当初お伝えしました義援金の口座番号に一部誤りがありました。上記に訂正させていただくと共に、深くお詫び申し上げます。