『Rip Curl Pro Search』終了!ケリー10X達成!
2010-11-07 更新

現地時間11月6日、ASPワールドツアー第9戦『Rip Curl Pro Search』の全てのスケジュールが終了。
QFでケリー・スレーター(USA・写真)がアドリアーノ・デ・スーザ(BRA)を敗った時点で最終戦のハワイを待たずにワールドタイトルが決定しました。
「あっと言う間の出来事だった。ヒートを振り返ると僅か数分の間に良い波に乗ってアドリアーノを下したみたいだね。まずはアンディの家族に哀悼の意を表したい。オレにとって極端な1週間だった。
アンディの存在無しで今のオレは絶対に無い。本当に何を言ったらいいか分からない...。今は困惑している。このタイトルはアンディと家族に捧げるよ」とタイトル獲得直後のケリーは涙ぐみながらコメント。
今シーズンのケリーを振り返ると初戦のゴールドコーストでは9位としくじったものの、第2戦のベルズで優勝して次のブラジル戦で2位に入り、タジ・バロウ(AUS)からトップの座を奪います。
J-bay戦では17位、ジョーディ・スミス(ZAF)が優勝して3位に転落しますが、タヒチで3位、トラッセルズで2勝目を決めてトップに返り咲き。ヨーロッパレッグでも好調さをキープしてフランスで2位、ポルトガルではファイナルでジョーディとの直接対決が実現し、見事に優勝。この時点でワールドタイトルは確定したようなものでした。
「チョープーではオレが3位でジョーディが17位。あの時はリードを奪うために本当に優勝したかった。でも、アンディが優勝してスペシャルなコンテストになったんだよね。あそこでのSFが彼との最後のヒートになってしまった...。トラッセルズでは、みんなのレベルが毎年上がっていくのが分かるし、デーンとジョーディが全てのイベントを引っ張っている。みんな凄いことをやろうとしているし、成功率も高くなっている。確実にね。トラッセルズで優勝してリードした後、次のフランスでもそんな自信はなかった。最初は波も悪くてね。でも、途中から凄い良くなって、これはオレが貰った!って思ったんだ。それから全てはオレのために回り始めてきたって感じ。ポルトガルでジョーディをファイナルで抑えた時、特別なことが起こったと思ったよ」
とケリー。
さらに「まだ数戦しか消化してない時に友人が10Xを決める気持ちはあるのか?って聞いてきたんだ。その時は軽く返事をしたよ。ブラジル戦の前かな。その時から出来るって思っていたのさ。シーズン初めはタジが調子良さそうだったし、ジョーディも前半から良かった。ミックは9位が多くて、彼もそれがタイトルには不利だって知っていたと思う。ジョーディは17位が一つ、あとは悪くても5位。失敗の余地は無いって分かっていたよ。ラスト5戦は一気に上手くいったね。何でかは分からないけど」と今シーズンを振り返っていました。

ケリーが初タイトルを獲得したのは1992年。それまでのトム・カレン(USA)、ダミアン・ハードマン(AUS)、バートン・リンチ(AUS)、マーティン・ポッター(GB)の時代からロブ・マチャド(USA)、テイラー・ノックス(USA)などのニュースクール、日本ではFLOW世代と言われるサーファーが勢力を強め、ライディングのスタイルも変わり、コンテスト会場も世界のベストブレイクと呼ばれる場所が選ばれるようになってきました。
2002年にタイトルを獲得したアンディと2006年にかけて繰り広げた熾烈な争いは記憶に新しいところ。ケリーにとってアンディ以上のライバルはこれからも現れないでしょう。
10Xを決めた後のケリーも勢いは止まらず、SFでタジ・バロウ(AUS)、ファイナルではパーフェクト10を含めたトータル18.77でビード・ダービッジ(AUS)を抑えて優勝を決めました。
「オレのホームの近くで行なわれる唯一のイベントだし、子供の頃からプエルトリコには良く来ていたよ。この近くで開催されていたコンテストにも良く出場していたんだ。オレにとってはホームに帰ってきたようなものだね。25年も続く沢山の友人がいるし、デュラン(ワイルドカードで出場)ともサーフィンしていた。子供の頃はフロリダでデュランの親父とも海に入っていたんだ。スペシャルな時間だった。フロリダに近い場所で10度目を決められてファイナルではパーフェクト10!これ以上何もいらないよ」と表彰台の前に集まった溢れんばかりの沢山のギャラリーを前に優勝の喜びを話していました。
2010年のASPワールドツアー最終戦は12月8日〜20日にオアフ島ノースショア・パイプラインで開催される『Billabong Pipeline Masters』です。
ASPワールドツアー第9戦
『Rip Curl Pro Search』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ビード・ダービッジ(AUS)
3位 タジ・バロウ(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
5位 デーン・レイノルズ(USA)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ミック・ファニング(AUS)
2010年 ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro Search』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 66.250pt
2位 ジョーディ・スミス(ZAF) 52.250pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 44,750pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 40,000pt
5位 デーン・レイノルズ(USA) 37,250pt
『Rip Curl Pro Search』公式サイト(PC用)
photo: ASP Covered Images
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