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【現地コラム】宮城県・閖上②

2011-04-21 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。
現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。


宮城県・閖上
第2回 現実

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大抵なら1時間程の道のりを、余震に揺られながら約4時間位かかっただろうか。
突然、雪が吹きつける様に降り出したり…。凍えるほどの寒さだった。
まさかこの寒空の下、今まさに津波の恐怖や寒さと闘っていた人たちがいたなんて。

太陽が沈むと、停電によって信号や街灯の消えた街並みは驚くほどに暗く、恐怖心を煽る。
途中、暗闇の中で営業しているコンビニを発見し車を停めて店内に入ると、真っ暗な店の棚では既に食料品が品薄になっている。ヨーグルトや菓子、飲み物を少々調達して再び帰路についた。

ようやく自宅に到着すると、続く余震に怯えた様子で外の車に妻と子供達が避難していた。
この時点でやっと家族の無事が確認できた。が、依然として電話は繋がらず、実家の親や、兄弟家族とも音信不通が3~4日ほど続いた。

夜が更けても変わらずに続く余震。家中の乾電池と懐中電灯、そしてラジオをひっぱり出し次々と飛び込んでくるニュースに一晩中耳を傾けた。あの緊急地震速報の音が聞こえる度にドキドキしながら。

翌日以降も、相変わらずのNoライフライン状態。車のTVでなら昨日起きた悪夢を映像で観る事ができるのは、わかっていた。
でも…観る事は出来なかった。
現実を受け入れる事が出来なかった。

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数日後、新聞に掲載された見開きの閖上の写真を見た時の衝撃は言葉にならなかった。が、その後やっと決心して向かった閖上の地で実際に目の当たりにした光景には、哀しみ、辛さ、恐怖心、そんな言葉では言い表せない「淋しさ」が残った。

静かな、小さな漁師さんの町。

僕らのホームポイント。

残念ながら今回の災害ですっかり有名になっちゃいましたよ。

「閖上」

読めるひとが、何人増えたかなぁ。

ちなみに、この時点で私に残されたサーフィン用具は…ポリタンクのみ。
まさかこのポリタンクが、断水した生活で大活躍するなんて…皮肉なものです。


...続く
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宮城県名取市閖上
WAVE MAKER
高橋雄治

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