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山々から流れ出た水を洗う町「大洗」 ~サーフシンポジウムにて

2005-06-22 更新
TVチャンネルをONすると、またしても映し出されるものは、社会の歪み現象が巻き起こした事件や事故ネタばかりだ。「おう~どうなってるんだ!」って、いつも思う。マジでこの国ってどうなってしまうんだろうって、悩んでしまう時がある。特に俺達サーファーにとって公共事業の闇「談合」の話になるとうんざりしてしまう。聖徳太子の教え「和をもって尊しとなす」は、今の国策の中では、ねじれた日本的精神風土と化し、横並びのなあなあ体質を露呈している。業者間の共存共栄に拍車をかけ、必死で働いて生活している俺達のなけ無しのお金を税金として納めているにも拘らず、そのお金の奪い合いが秘密のチャンネルで虎視眈々と行われている。これをまた必要悪とおっしゃる方々の多さにもびっくりだ。「赤信号みんなで歩けば怖くない!」そんなことも知らずに、ずーっと波待ちしている我々サーファーは、哀れなものだ。だから必死で働かなくなる奴が増えるのも当たり前になってきた。毎日毎日、そんなニュースを見て育つ子供達のことも少しは考えて欲しいものだ。

先日、初めて茨城県大洗町へ行った。地の名を現す「大洗のすごい波」があった。大関東平野から流れ出た水の一部が、太平洋に注いでいる。低気圧に吹き込む風は波を造り、那珂川河口でスパークする。そして、陸と海の交流点は、命を育む。そのすごい波にプロサーファーは、自分のマニューバを描き、見る人に感動を与えていた。10年間続けられたこの茨城サーフクラッシクは、ロコの熱いスピリッツの賜物であり、それを支える心の広い地元の人たちがいるからだ。
そんな中、SFJのシンポジウムは行われた。ふたを開けてみるとなんと「おう~ほんとかよ~~!満員御礼だあ~~!!」旅館の若主人・役場の職員・漁師・ライフセーバー・ジャーナリスト・サーファーでのディスカッションって日本で初めてなのかも?と思いながら、テーマごとにそっての率直な意見交換の場は、同じ場所に暮らす人々の将来への願いであり、町の誇りを守ろうとする正真正銘の意見であった。サーファーの視点からのまちづくりの先駆者的存在であり、ブルーツーリズムを立証するにはこの大洗町の存在は大きい。多くのギャラリーがサーフィンの醍醐味を味わい、勇敢にアタックするサーファーのステージは申し分のないシュチュエーションであったのだ。

今、宮崎G裏ポイント・福島豊間ポイントへ防災の名を借りた自然破壊が行われようとしている。
何も気づかずにサーフィンを楽しんでいた時代は終わった。うやむやに決められる公共事業に指をくわえて見ていてはもう駄目なのだ。地域を知り、町の進むべき道を知り、平和で穏やかに暮らし、素直な気持ちで土地を愛する心を持たないと日本のサーフポイントは消えうせるかもしれない。

SFJでは、サーフポイントSOS事業としてサーフポイント管理マニュアルと問診表を作成し全国のサーファーに海岸の現状を知っていただきたく活動している。ご一報ください。(サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン事務局TEL/FAX:0772-72-1161)

SFJ代表 守山倫明