【現地コラム】宮城県・閖上④
2011-05-17 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。
宮城県・閖上
第4回 またこの海で・・・
あの日以来、沢山の方たちに電話やメールで連絡を頂いています。
お店のお客様、コンペやトリップで知り合った全国の友達、20年以上も昔に子供だった自分を海に連れて行ってくれた先輩…
数えあげたらキリがないが、そのほぼ全てがサーファーである。
つまり、サーファーが、サーフィンが、そして海が、今の自分をつくってくれた。
育ててくれた。
感謝デス。
自分がもし、野球選手だったとしたなら、きっと同じ様に支えてくれる野球仲間が居るのかな。
どんなジャンルの繋がりであっても、日本中、世界中から届く温かい想いは、自分が直接関わらなくても伝わってくるものです。
地元のプロ野球球団やプロサッカーチームが避難所へと訪れて、野球少年やサッカー少年を激励する光景がニュース番組で放送される。
津波の被害に遭い、店を流された美容師さんへとハサミが届けられる。
自分達が海に入れない日々が続いて辛いのと同じ様に、ボールを蹴れず、バットを振れずに居る方たちも沢山いるんです。
ましてや、それを職業としている方もいらっしゃる。
また、漁師の方に至っては海からの恩恵を受けて生計をたてていた。
ある意味、私たちもそんな恩恵を受けて生計をたてていました。
みんな支えあっている。
みんな助けあっている。
閖上小学校の体育館には、思い出を探しに行った際に見付けたり、捜索活動中に出てきた写真が所狭しと並べられている。
ボランティアで訪れた写真屋さんが、泥を払い乾かしてくれている。
中にはコメントが添えられている物もあり、自分達の写真を探していたつもりが何時の間にか会った事もない他人の写真に魅入ってしまい、自分や仲間の姿に重ね合せていた。
2ヶ月。
津波の被害にあった地域は、漂流物がまとめられたダケで、復興なんてまだまだ先の話。
ライフラインの復旧もほぼ無く街中が砂嵐で、生活できる環境にまで戻るにはまったくその検討がつきません。
でも、みんなの気持ちはひとつ。
一日でも早く
またこの海で…。
サーフィンがしたい!!
GWには、いてもたってもいられなくなった仲間達が各所へサーフィンしに出掛けていた様です。
それぞれの地元の方々におかれましては、貴重な波を分けていただきまして感謝致します。
今後とも楽しい海での時間を共に過ごさせて頂けますよう宜しくお願い致します。
...続く
--------------------宮城県名取市閖上
WAVE MAKER
高橋雄治
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