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「ウエストジャワ 2011春②」

2011-05-17 更新
翌朝、アグースが僕らを起こしに部屋にやってきた。
まだまだ寝ていたかったが、目をこすり、歩いて3分ほどのチマジャポイントをチェックする。
たまに入ってくるセットは胸位で、ラインナップには10人以上。

僕はガイドのアグースに「前回来た時に人の少なかったリーフブレイクのサワルナに行きたい!」とワガママを言った。
ブランクの長い僕にチマジャで波を沢山乗ることは不可能だと思ったからだ...。
横で見ていた了ちゃんも同じ意見。皆でそそくさと用意をして車に乗り、約1時間のドライブ。
更にバイクの後ろに5分ほど跨り、サワルナに到着した。

アグースの話によると、このポイントは大概チマジャよりもサイズが少し大きいらしく、この日もセットは肩から頭位。
ラインナップはたったの2人。レフトだけど、リハビリに最適なブレイク。
切れたウネリに乗れれば200mは走れそうだ。

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早速、日焼け止めをバッチリ塗り、念のためにリーフブーツを履いてパドルアウト。
僕も了ちゃんも1本、2本とテイクオフを重ねていく内に、なんとなく勘を取り戻していった。
ドルフィンスルーもほとんどいらないし、ゆっくりパドルバックすればまたラインナップに戻れる。
風が入るまで30回はテイクオフしただろう...。

ゆうに3時間は海に入りっぱなしだった。

海から上がると初日から強烈な日焼けをした了ちゃんの顔を見て笑ってしまった。
歯医者さんの彼は、日本に帰ったらきっと患者さんに質問攻めにあうだろう。

しばらくの間、ポイントの前でビンタンビールを飲みながら、ゆっくりと誰もいないブレイクを見て贅沢な時間を過ごしていると雲行きが怪しくなってきた。
4月は雨季の終わりの時期にあたり、まだまだスコールがくるらしい。
僕らは着替えを済ませ、帰路についた。

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ホテルに帰り、しばらくすると雨が止んだので、近くの温泉に行くことにした。
ホテルから車でビーチ沿いを走り、山道をドンドンと登って行くと道が終わり、突き当たりに川がある。川のいたるところで熱湯が噴水のごとく勢いよくゴーゴーと音を立てて蒸気をあげている。
川の冷たい水と噴出す温泉が混じりあい、温度の丁度良い所で自分の世界に入る。

気分は修行僧だ。

目を閉じて、ここ数ヶ月間を思い出す。
そして、全てを頭から消し去り、無我の境地に辿り着く...。
一時間ほど経っただろうか。ゴーゴーという音で会話が出来ないので、了ちゃんに合図を送り、川から上がった。
帰り道は吹き出る汗を冷えたビンタンビールで抑えながら宿に戻った。
ホテルに着くと辺りはすっかり暗くなっていた...。

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二日目の早朝も部屋にアグースがやってきた。

「昨日より波が小さい」とすでにチマジャをチェックしていた。
それなら時間短縮で、すぐにサワルナに行こうということになり、前日と同じルートでサワルナポイントに到着。
波は胸サイズ。信じられないのが、この波にラインナップは無人で、アグースを含めて僕ら3人のみ。

グーフィーのアグースは、深いボトムターンからトップでテールをスライドさせたり、鋭い角度のリップを幾度となく決めていた。
僕も了ちゃんもアグースに刺激をされて昨日よりもう少し自分をプッシュした。
3時間で数え切れないほどのテイクオフを重ね、了ちゃんの日焼けも既にローカル並みになっていった。

前回、前々回もウェストジャワはチマジャ周辺のみの探索だったが、サワルナから更に西に走るとパナイタン島をメインにまだまだサーフスポットが点在する。

当初の予定では、このパナイタン島にボートを出して行くというプランもあったのだが、インターネットの動画でその波を見てビビッてしまった。
ワンパーム、ナパームというメンタワイを彷彿させるようなブレイクで、見るからにシャローなボトム。
動画に写っていた人はフルスーツにヘルメットの完全装備で挑んでいた。
Pussyという比較的メローなポイントもあるが、今回は前から行ってみたかったセントラルジャワ方面への旅を遂行することにした。

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今回のOne Earthはここまで!
次回はチマジャ周辺から離れ、インドネシアらしいアドベンチャーな世界に!
バラエティ豊かな波とも出会い、心をくすぐられる展開が待っています。

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