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【現地コラム】宮城県・閖上⑥

2011-06-15 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。
現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。


宮城県・閖上
第6回 見えない敵

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少しずつ、でも確実に復旧作業は進められています。その高く高く積み上げられた街の瓦礫を見る度に、改めてその恐ろしさを思い知らされながら。
これまで不通となっていた沿岸部の県道にある橋やトンネルも通行出来る様になり、閖上までの道のりもアクセスし易くなってきた。

閖上のある名取市では、今回の震災被害が大きかった沿岸の集落を含め、街の復興計画に関わる会議を市民を交えて行っている。
やはり中心となっているのは水産業や農業の復興。それと居住区の集団移設について等で、こうした中心的な産業の復興こそが急務であると考えられている様だ。
そんな流れのなかでも、スポーツとしては認識されにくいサーフィンを含めたレジャーや観光業も復興させていかなくてはならない。
各所の意見として出ているのは、元通りにするのではなく、これ迄以上の街を作り上げる事こそが本当の意味での復興であるのではないか。と、いう考え。

津波や、地震で壊れてしまったモノは直せるかもしれない。私たちがチカラを合わせれば、また素晴らしい港町が取り戻せるかもしれない。

しかし、今回は…。

見えない敵がもうヒトツ。

放射能問題である。

様々な情報が錯綜するなかで、我々にとって大切な海が何処までこの影響をうけているのだろうか?
政府から発信される情報も二転三転する始末。
私自身この目に見えない脅威をどれ程理解し、対応できるのか解らない。けれども確実にその影響で、後々なんらかの弊害を生むのではないだろうか。
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包み隠さず公開された安全な地元の海で、一日でも早くまた波に巻かれたいものだ。


...続く
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宮城県名取市閖上
WAVE MAKER
高橋雄治

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