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【現地コラム】岩手県・浪板⑥

2011-07-03 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。
現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。


岩手県・浪板
第6回 仲間との絆

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震災から10日、電気が通った。
電気が通って初めて、テレビで震災の状況を知った。
あまりの惨劇に言葉も出ない。
出るのはため息と涙だけ。
雪が降って寒いので、コタツで暖をとる。
炊飯ジャーでご飯を炊く事が出来る。
電子レンジも使える。
普通の事がとても幸せに感じる。
これで少しは人並み?と思い、娘を迎えに行った。

水が出たのは、4月に入ってから。
それまでは毎日山へ水くみの日々。
沢水をそのまま飲んだので、いつかピロリ菌検査をしないと。

水と電気は通ったものの、しばらく出なかった水道からの水は汚い。
洗濯機は壊れてしまい、修理を頼んでも沿岸の修理屋も被災。
内陸の担当者は被災地にはしばらく行く予定が無いと・・・。
しばらくの間は、川向こうの町へコインランドリー通い。

水が来てもガスが来ないとお風呂には入れない。
銭湯は激混みで、仲間の家のお風呂を借りに行き、それでも3日に1回位。
こんな時でもお風呂を貸してくれる仲間は、本当にありがたかった。

ずっと休みだった学校も4月下旬から始まった。
ガスが来たのは5月のはじめ。
ガス屋さんが家に来た時は、家の中で拍手がおこった。
待ちに待ったガス。
これでお風呂に入れる。
ガスとはいっても、今は臨時の集団プロパン。
都市ガスに戻るのはいつの事やら。

少しづつ少しづつ、元の生活に戻れるのかな?

あまりの惨劇に、震災直後はここを離れる事も考え家族で話し合った。
でも、スーパーから物が消え何も買えない状況の中、私達沿岸の仲間のために、内陸の仲間たちが物をかき集め、交通状況も良くない中届けに来てくれた。
遠くから全国のサーファー仲間が来てくれた。
本当に命がけだ。
心から仲間の温かみを感じ、この仲間たちのためにここで復興を頑張ろう!
そう決意した。
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※写真は、震災から1ヶ月以上たった浪板海岸


...続く
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岩手県上閉伊郡大槌町
K-SURF
杉本浩

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