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WQS田原プロ・レポート

2005-08-09 更新
毎年8月上旬からの定番となった愛知県でおこなわれる6スターWQSイベント「夢屋TAHARA PRO」は、先日7(日)にとうとうファイナル・デイを迎えました。

今大会では、週の前半は波が小さかったものの、後半からは台風からのスウェルが届き、頭前後で迫力あるヒートを見ることができました。また、ファイナルデイも胸前後のサイズをキープし、ややワイドなブレイクが中心でしたが、30分ヒートの中には肩の切れたソコソコこの波もあり、コンテストは大いにヒートアップしていました。

太陽がさんさんと照りつけるなか、例年以上とも思える多くのギャラリーで賑わっていましたが、最終日の様子を改めて振り返ってみましょう。

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ファイナル・デイはクォーター・ファイナル4ヒート、セミ・ファイナル2ヒート、そしてファイナル、の合計7ヒートが行われ、それぞれが30分ヒート。

■クォーター・ファイナル

(ヒート1)
バックハンドでのバーディカルなスナップが印象的なボビー・マルチネスと、昨年もファイナリストのダニーロ・コスタ。
前半はお互いに捕まえる波に対しての点数が伸びずにローポイントの攻防。しかし、ダニーロがヒート中盤から、大きめのセットを選んで素速いスナッピングを連発。肩の力の抜けた、やや後ろ足体重からの素早い切り返しで波をえぐる、彼独特のスタイルのサーフィンで8.33のハイスコア。そのままこのヒートを逃げ切りラウンドアップ。

(ヒート2)
元WCTサーファーのクリス・デイヴィッドソン対ブラジルのジハード・コドル。クリスはラウンド6で、今大会で注目されていたジュニア世界チャンプ、ブラジルのアドリアノ・デ・ソウザ(かなり切れたスナッピンッグと強靭な足腰をもっているのでスピードが極めて速い)を打ち負かしての登場。
岩場のグーフィー中心に波待ちするクリスに対し、ジハードは中央に入るレギュラー中心に波を待つという展開に・・・。しかし、さすがは元WCTサーファー。バックハンドで波を切り裂くスナッピングを連発。6点台、7点台を立て続けに出して、ヒート全般にわたってリード。逆転に必要なポイントは7.85に広がったが、もう逆転するに必要な波が来ないことを悟ってか、まだ5分近く残っているのにクリスは早々とビーチに上がって来てしまう。しばらく海を眺めていたクリスだが、残り3分位になると、勝利を確信!? ジハードを海に残したままビーチマーシャルに戻り始める。しかし、ギャラリーに囲まれ、サイン攻めにあうクリス。結果はクリスの勝利。
クリス・デイヴィッドソンのあだなは“ダボ”。去年ちょっとした怪我でWCTシリーズを5戦ほどキャンセルしたために今年はWQSに落ちてしまったが、実は18歳という若さにしてWCTをクオリファイしているなかなかのツワモノだ。かなりのやんちゃ坊主なので雑誌にフィーチャーされることはあまりないが、やはり実力は群を抜いている!

(ヒート3)
注目の若きオージー対決。ともにビラボンの若手ライダーの代表格である“エース”ことエイドリアン・バッカンとショーン・キャンスデル。
たしか3年前にもこのタハラの大会に来ていた二人。当時はまだジュニアだった2人を見て、スピードはあるが、ラインが細いなぁと思っていたのだが、たった数年でこんなに変わるものかと関心するくらい、サーフィン自体が進化している。もはや今の時代の最先端の乗り方と言っても過言ではないと思う。とにかくスピーディーなライン構成の中に、カービング・ボトムターンからの縦方向のスナップ! トップアクションには特に華がある。
どちらが勝つか全く予想がつかず目の離せないこのヒートでは、いきなりショーンがスナップからカービング・カットバック、そしてフローターと流れのあるバリエーションでの組み立て。ほんの気持ち程度カールから外れた場面もあったが、6.33のまずまずのポイントを叩き出す。現在のワールドツアーでは“FLOW”という言葉で表されるように、ラインとラインの繋ぎ方も重要になっているというが、そのお手本的なライディング。しかし若干点数は低め・・・。
その後を追うように続けざまにエースが波をキャッチ。掘れた速い波に対してボトムから完全にバーディカルなスナップ、さらに立て続けにスナップの連続、そしてクローズセクションをビックフローターでタッチダウン。8.50のハイポイントを叩き出す。
親友でもあり・良きライバルでもあるこの二人だけに、ヒートを楽しみながら戦っている様子で、またかなりストークしてもいたようだ。しばらくエースが有利な試合展開であったが、ヒートの中盤にさしかかり、ショーンがかなりのスピードでカール部分をスナップの嵐。とてつもないスピードで波を切り刻みかなりのロングライド。9.00というかなりのハイポイント。さらに追い討ちをかけるように7.23をたたき出した。
これでエースが逆転するためにに必要なポイントは7.85・・・。そのまま暫くショーン優勢でヒート終了まで刻々と時間が刻まれていく。しかし、残り1分を切ったところで、沖にメラメラとセットが入り始めた・・・。
このヒートを見ている限り8点台、9点台が簡単に出てしまっているから、7.85というポイントもそう難しくは無さそうだ。そして、ヒート終了20秒を切った土壇場で、セットの二本目、ややワイド気味ながら肩の切れた波をとらえたエース。背中越しにまず縦スナップ2連続、そしてやや長めのフローターでタッチダウン。会場の皆がこのライディングのポイントのコールを聞き逃すまいと息を呑む・・・。ギリギリ逆転かとも思われたが、結果は6.83と一歩及ばず、ショーンがラウンドアップとなった。

(ヒート4)
現在WQSレイティング7位の若手オージー、グレン・ホールと、ブラジルのマルセロ・トレッキーノの対決。ヒート前半マルセロが6.17と5.77で先制。潮が引いてきてショル