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大原洋人が『Vans US Open of Surfing』を制した!!

2015-08-03 更新
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大原洋人がカリフォルニアのローワー・トラッセルズでのCT第8戦『Hurley Pro at Trestles』のワイルドカードを手に入れるというビッグニュースが入った直後に開幕した『Vans US Open of Surfing』
その当人がハンティントンローカルの五十嵐カノアと共にQSで最もグレードが高い10,000で快進撃を続け、日に日に日本での注目度もアップ。

世界的に見ても年末のトリプルクラウンを取り仕切る「VANS」がカリフォルニアで最もメジャーなスポット、ハンティントンビーチを舞台にサーフィン、スケート、BMXの3本柱を全てトップレベルで進行させ、このイベントでしか味わえない独特の雰囲気とカルチャー、更に伝統まで織り交ぜて注目を集めていました。

カリフォルニア最大の真夏の祭典だけあり、イベントが開催された1週間を通してビーチには沢山のギャラリーが集まり、特に現地時間8月2日のファイナルデイは約7万人強。ハンティントンを象徴するピア(桟橋)の上からビーチ、特設スタンドまで人・人・人!
規模で言えばCTのどのイベントよりも勝る世界最大のサーフィンコンテストで大原洋人はファイナルまで残り、そこでも素晴らしいパフォーマンスを披露して歴史に残る大勝利を収めました!

QFから始まったファイナルデイ。予想されていた新しい南南西ウネリの到達が遅れ、前日よりもスモールコンディション。パワー不足の波が逆にこのような波に慣れている日本人の彼にとって追い風になり、波運にも恵まれたと言えます。
ライアン・カリナン(AUS)、五十嵐カノア(USA)とのクロスゲームを立て続けに制し、マウイ島出身のダークホース、ターナー・ヘンドリクソン(HAW)とのファイナルへ。

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ターナー(写真上)目線で見るとコロヘ・アンディーノ(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)とCT選手を敗る大金星。特に彼しか出来ないエアーショーで連日ハイスコアを連発して優勝候補の筆頭だったフィリッペとのSFは、非常に僅差。ヒート終了後にスコアを待ち、勝利が確定した後はまるで優勝したかのような喜び。ターナーにとってもキャリア最高のイベントだったのです。

40分のファイナル、序盤は大原洋人が5ポイント台を2本まとめてリード。中盤はシングルスコアで7.00と上回るターナーがじっくりと波を待ち、インサイドまで繋がるセットを掴んで5.90をスコアして逆転。
後半、ニード7.57のシチュエーション。この日のコンディションでは難しい数字ですが、ラスト3分に入ったセットのレフト(ライトはターナーがテイクオフ)で3つのビッグターン、インサイドまでメイクして両手を上げてアピール!
このライディングにジャッジは9.17をコールして土壇場で大逆転に成功。MCも’チバ、ジャパン’と連呼。ターナーも最後まで果敢に攻めますが、残り僅かな時間は大原洋人が逃げ切り、QS10,000では日本人初の優勝。『Vans US Open of Surfing』史上でも日本人として初めて頂点に立ち、日の丸を掲げて念願のビーチ凱旋で表彰台へ。

優勝直後のインタビューでは、「興奮し過ぎて何を話していいか分からない。今日は本当に特別な気分さ。残りのシーズンも楽しみだね。ここで全てのことを学び、最高の結果を残せたよ」とコメント。

正式な表彰式では大トリとしてマイクを向けられ、「最高の気分だね。このイベントで優勝出来て本当にストークしているよ。スポンサー、家族、友人、皆に感謝したい。この優勝で日本人だって勝てることを証明出来た。次のイベントに集中してCTを狙いたいね」

1位通過を繰り返してインタビュー慣れはしていたものの、さすがに大観衆を前にしてのスピーチは緊張していた様子でした。

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「Hurley Japan」チームマネージャーの糟谷修自の元、他のスポーツでは常識になっているコーチングのシステムを導入して世界の舞台を目指している大原洋人(写真上)は18歳(今年11月で19歳)
2013年にはガブリエル・メディナ(BRA)が優勝したワールドジュニアで3位に入り、翌年の6スター&プライム(今年の6,000&10,000にあたるグレード)でのシード権を得ましたが、結果を残せず、2014年のQSランキングは99位。
心機一転、拠点を日本から糟谷修自が暮らすオアフ島に移して始まった2015年。日本・四国での1,000で3位。その時点では81位と上位しか参加出来ない『Vans US Open of Surfing』には参加さえも危ぶまれていました。

流れが変わったのは、CT第8戦『Hurley Pro at Trestles』のワイルドカードをかけたトライアル。強豪揃いのヒートを勝ち上がり、僅か2つの枠の一つを手に入れたことがきっかけだったと言えます。
今イベントにも運良く補欠からの繰り上げで参加が可能となり、糟谷修自によるとトライアルからの良い流れを持続させ、何も心配なく終始落ち着いて100%の力を出し切ることに徹した結果だったそうです。

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今回の優勝で10,000ポイントを得て81位から一気に13位までランキングをアップ!

クオリファイの条件はCT選手を除いて10位以内。最も重要な10,000は全9戦用意されており、残るはポルトガルが2戦、ブラジル、ハワイが2戦の計5戦。ここであと一つ以上良い結果を残すことが必至であり、逆に考えれば日本人も含め、他の選手にも十分チャンスが残されているのです。
「勝って兜の緒を締めよ」という日本のことわざにもある通り、ここからが彼が本当に世界に通用するかどうかを試されるスタート地点なのかもしれません。

ローワー・トラッセルズでのCT第8戦『Hurley Pro at Trestles』のワイルドカード出場の前には相性の良いバージニア州のQS3,000『Vans Pro』に出場予定。
残りのシーズンのスケジュールも情報が入り次第、Twitterなどでお伝えします。

ちなみにSF勝利後のインタビューでは、最も影響されたサーファーとして今の日本人の世界へのチャレンジの道を切り開いた大野修聖の名前を挙げ、表彰台の最後の質問、賞金の100,000USドル(日本円にして約1,240万円)の使い道は?との問いには「免許をとって車でも買いたいね」と笑顔で話していました。

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大原洋人とSFを戦ったハンティントンローカルの五十嵐カノア(USA・写真上)
御存知の通り、アメリカ国籍ながら日本人の両親を持ち、最近では湘南での『MURASAKI SHONAN OPEN』のために来日して3位に入っています。
彼もまた17歳と若く、ジュニア枠の選手。前日に終了した同時開催のジュニアファイナルでは僅かに優勝に届かず、そのリベンジを果たすかの如く挑んだメインイベントもクロスゲームの末に敗退...。
それでも南アフリカに続き、10,000で2度の好成績を重ね、ランキングを25位から9位へ。
「Quiksilver」のフルサポートを受け、元CT選手のジェイク・パターソンのコーチでクオリファイへの道を確実に歩んでいるカノア。
CTの舞台で大原洋人との対戦、そんな夢が現実になる日も近いのでは?

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『Vans US Open of Surfing』結果
1位 大原洋人(JPN)
2位 ターナー・ヘンドリクソン(HAW)
3位 五十嵐・カノア(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)
5位 ネイザン・ヨーマンズ(USA)、ライアン・カリナン(AUS)、アレックス・リベイロ(BRA)、コロヘ・アンディーノ(USA)

『Vans US Open of Surfing』公式サイト

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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