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ニューカレドニア③

2006-09-06 更新
今回で3話目。混雑とは無縁のニューカレドニア・サーフトリップの最終回です。
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4日目は市内観光、ヌメアの町に出掛けた。観光客のほとんどがこの町を訪れている。首都だけあってそれなりに人は多いが、南国の島らしく道行く人たちはフレンドリーだ。また人種も多く白人も黒人もいる。僕・保坂・徳ちゃんのアホトリオは、何人もの人に声を掛けられ、その度にワイワイと大いに楽しんでいた。
この国は治安も良い。きっと悪いことをしてもすぐに捕まってしまうのをみんな良く知っているのだと思う(この国の大きさ自体が四国ほどの大きさだということだ)。ガイドをしてくれていた富永さんに聞いたところ、この10年間で殺人事件は数えるほどしかないそうだ。
町の観光スポットを探索した後はお土産でも買おうということになったが、この日は土曜日。ほとんどのお店は午前中で閉まっていた。余談だが日曜日は一日閉まっているらしい(笑)。それで生活できるなんて羨ましいかぎりである。

夕方から市内にあるカジノへ繰り出した。一時間ほどがんばったが3人ともあっさり負けてしまった。雰囲気もそれほど良くないので、僕等にとってのニューカレドニアは、やはりアウトドアの遊びの方が良さそうだと思った。カジノからでると外はすっかり日が暮れていた。

クルマで宿にもどる途中で『カヴァ』を飲ませるバーに寄った。昔見たタバルアのビデオでケリー・スレーターが飲んで「オエッ…」って顔をしていたのを思い出した。カヴァ゛とはある種の木の根から抽出される液でリラックス効果があるらしい。バーは屋外にあって暗い、ココナッツを半分に割ったコップに白く濁った液体を一気に飲む。お酒のような味はとくにないが土や根っこの匂いがする。しばらくすると口の中が若干しびれ気分が落ち着いたような気がした。僕ら3人はつづけて4杯ほどおかわりをした。バーの敷地内ではあちらこちらで焚き火を炊いていて、それとカヴァの効力ですっかりリラックスさせられ時間が経つのを忘れた。

5日目、アッという間に最終日が来てしまった。一日サーフィンを空けたので今日はがんばるぞ! と気分になった。いつものようにボートで沖にでるとそれまでとは海の様子が少し違っていた。ピークは沖にずれ、底掘れした5ft+くらいのセットが入っている。この日は日曜日でローカル達が10人くらい入っていて果敢に攻めていた。ボートがアンカーを打つと徳ちゃんはハウジングをセットしてさっさと沖に泳ぎだしていた。

僕らは沖にパドルアウトしたが波にビビリ、覚悟を決めた波は奥からローカル達に乗られてしまい、思うように波を取れずこの日は数本のライディングだった。「まぁ、そんなこともあるさ。1~10までパーフェクトなトリップなんて最初から求めてないから。今回をバネに東京に帰ったらまたトレーニングでもするか!」と思い帰路に着くことにした。

帰りの飛行機では次の旅の予定を考えていた。あまり知られていないスポットのことで頭が一杯になっていた。やはり"旅を続けたい病"はまだまだ治りそうにない。

追記)
日本に帰ってきて数週間が経ち、現地でお世話になった富永さんの帰国を知ったので3人でまたまたシェイプルームにお邪魔した。笑顔で出迎えてくれた富永さんはオーダーがたくさん溜まっていて大変だと言っていた。その2日後に彼の入院の話を聞いた。過労が原因だと思うが早く良くなっていただきたい。シェイプルームの壁に張ってある10ftオーバーのニューカレドニアの波に深いボトムターンで果敢にアタックする彼の写真が印象的だった。

編集部注)
お話に登場された富永さん(ニューカレドニアでブルーラグーンという旅行会社を営む名物ガイド兼シェーパー)は、その後体調を回復し退院されて、現在はまたニューカレドニアで元気にお仕事をされているそうです。