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昔のアルガンベイ②

2007-05-16 更新
昔のアルガンベイ第二話

アルガンベイの波に取り付かれ、サーフィンのやり過ぎか?
アルガンベイに着いて数日経つと肩が上がらなくなってしまった…。

そんなある日、肩を押さえてうなだれていると目をキラキラさせたローカルが声を掛けてきた。
彼の名は「チュウティ」、こちらの事情を話すと、数時間後にチュウティは薬草を持って現れた。

薬草を火であぶり僕の肩に薬草を擦りつける。
初めて会う人間に、なんて親切なのだろうと感動した。
翌朝目が覚めると、不思議な事に肩の痛みは殆どなくなっていた。

更に都合良く、チュウティは漁師が本業。
当然ボートを持っている!
ボートで別のポイントへ連れて行ってくれないか?
と頼むと笑顔でOKしてくれた。
早速、ガソリンと食べ物を調達してボートに乗り込み南へ向かった。
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アルガンベイの近くには沢山のポイントがあった。

隣には、クロコダイルロックというポイントがある。
近くにラグーンがある為、本当にワニが出没するため、この名がついたそうだ。
僕が行った6月は、未だ砂がついておらずブレイクはなかった。

更に、そこから数十分南に下ると「ピーナッツファーム」ポイントだ。
最近、あの坂口憲二がビーチでキャンプしたポイントだ。
このピーナッツファームも、この時は小さかったのでパス。

また、隣にあるホテルポイントも波がないので通過して、最後に到着したのが「オーカンダ」というポイントだった。
このポイントは、近くにお寺があり、僕らはそのお寺に蚊帳を張って泊まらせてもらうことにした。
よりによって、なんでお寺に泊まるのか?
チュウティに聞くと、夜中に象に襲われない為だと言われた??…。

お寺から、誰一人いない長いビーチを5分ほど歩くとオーカンダのブレイクの前だ。
ここも完璧なライトのポイントブレイクだった。

この日はセットで胸くらいのサイズだった為、マッシーな波だった。
上級者には物足りないブレイクかもしれないが、裏を返せばなんでも試せる/練習になる波だ。
しかも、当然のように僕ら以外は誰もいない!

くたくたになるまでサーフしてお寺に戻り、そこからはゆったりとした時間を過ごす。
まさに極楽だ。

食事はお約束のカレーだが、もっぱら野菜カレーだ。
殺生を重んじる仏教寺院の中で、動物の肉を料理することはできない。
食事が終わると甘いミルクティを飲みながら談義がはじまる。

チュウティは自分の体験談を色々話してくれた。
内戦でテロリスト達に、村が銃撃された時の話…、せっかく建てたゲストハウスにお客さんが全く来なくなってしまった事…。
ジャングルでの生活を強いられた事など…。。。
重い。。。色々考えさせられる…。

スリランカで、マンボーやチュウティに出会えたのは、僕がサーフィンと旅をしてたからだ。
僕にとってのサーフトリップとは、決して大きな波や完璧な波を追いかけるだけのものではない。
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夜中、みんなが寝静まったころ、お寺で飼われている犬が突然けたたましく吠え始めた。
びっくりしてチュウティに尋ねると、近くに来た象を威嚇しているのだと言う…。

野生の象は時として猛獣となる。
僕はサファリの添乗で何度か象に追いかけられたことがあるが本当に恐い。

翌日ポイントに向かう途中に巨大な糞を発見した。
まさに昨晩、象が近くまで来ていた証拠だった。

失礼ながら、僕もモヨウしてしまい、その糞のとなりに自分も糞をしてみた。
※失礼、でもこんな事が全く気にならない環境でもあるって事でして…。
しかし、あまりの大きさの違いに改めて象の巨大さを感じた。
※変な実感の持ち方をお許し下さい(苦笑)。

そしてこの日も1日中波乗りを楽しんだ。
相変わらずのマシンブレイクだった…。
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夕方お寺に戻ると、チュウティが伊勢エビ(親戚?)を捕まえてきていた。
お寺での料理(殺生)ができないので、ビーチでバーベキューにして食べた。
誰もいないビーチでのサーフィンとBBQ、こんな贅沢な時間の過ごし方はあまりないだろう…。

2泊3日のサーフキャンプを終わらせ、再びボートでアルガンベイに戻った。
大の仲良しになったチュウティとは、僕がアルガンベイにいる間、ずっと一緒に過ごした。
アルガンベイに戻ってからも、波は毎日良質で退屈することはなかった。

アッという間に一ヶ月が経ち、スリランカを出発する日がやってきた。
空港のトイレで、ふと鏡を見ると…、自分の顔が野人のように変わっていた!!
そうだ。アルガンベイのゲストハウスには鏡がなかったのだ。
一月ぶりに見る自分の顔だった…。
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落ちはこんな感じですが、アルガンベイの素晴らしさが少しでも伝われば幸いです。

しかし、南西エリアに比べればまだまだ治安が完璧とは言えない