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F+(エフプラス)コラム「ザ・ノースショアの社交場が・・・」

2016-12-16 更新
Text by つのだゆき / Photo by snowy
エフプラスコラム

ワールドタイトルはジョンジョンに決まったけど、最終戦ではパイプマスターの栄誉をかけた戦いがエキサイティングに展開するはず、だったんですけど、エキサイティングとは程遠い、まるでどこかのビーチブレイクのような波でのアクション勝負でラウンド1を終了。次のスウェルを待つノースショアだ。
この先に入ってくるスウェルはラウンド1より少しサイズがありそうなので、期待は期待だけど、どうも今シーズンは本来のパイプ、バックドアのような波は望めそうもない様相。カメラマン連中のあいだでは、すでに最低のシーズンという評価が下っている。

こちらではどこに行っても業界の不景気な話しか聞かないし、カメラマンも続々失職、それに起因する離婚等、ゴシップの内容もいままでとはだいぶ違う感じだ。
毎年ハワイでは噂話が飛び交い、真実とガセの織り交ざった興味深い話が尽きなかったわけだけど、今年はこれといってなにもない。それもそのはず、カメラマンたちがビーチにラインナップして、セットの合間にああじゃない、こうじゃないという噂話をするザ・ノースショア社交場的なものが消滅しつつあるからだ。サーフィンカメラマンという職種自体、風前のともしび。
それと同時に、WSLのアスリート管理体制的なことも影響して、関係者や選手がほとんど何も漏らさなくなってきている。ドラマはあってもゴシップはナシ。

契約関連ではもうどこもかしこもサラリーカットの話ばかり。来シーズンのアメリカのサーフィン業界はいろんなところで大縮小ってことになるんだと思う。パイプからオフザウォールにかけての各社が借り上げる○○ハウスのような家も、今シーズンは各社少しづつ減らしている感じで、例えば昨年3軒借りてたら今年は2軒とか、1軒とか。

逆によくはないけど悪くもないのがオーストラリアのシーン。特にオーストラリアのリップカールは昨年唯一黒字だったんだとか。クイックやビラボンが株式会社で、株主に対しての経営であるのに対して、リップカールは相変わらず上場しない個人経営会社。その辺がいい意味で景気に左右されない安定経営を生んでいるのかもしれない。
選手というのはある意味そういうところからしか育たない。会社の経営方針が株主の意向で紆余曲折すれば、選手はそれに振り回されることになる。トップ選手は別として、下々の選手たちはこの先だいぶ厳しいことになりそうなアメリカだ。
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写真は……初日のベストターンだったからケリー、かわいかったからカリッサ(笑)

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