WQS6スター「Buondi Billabong Pro」終了!
2007-09-03 更新
ビッグスターが続くWQSヨーロッパレッグは、フランスのハセゴーからポルトガルの首都リスボン北部の「エリセイラ」へと舞台を移し、第4戦目。大西洋に面したこの土地で開催された6スターイベント「Buondi Billabong Pro」は、コンディション不良のためにポイント移動を余儀なくされましたが、現地時間の9月1日に無事終了。
2ftのスモールサイズながら弱いオフショアのクリーンなコンディションとなったファイナルデイは、ラウンドオブ24からスタート。ファイナリストとなったジェレミー・フローレス(FRA)とジョシュ・カー(AUS)は、一日で5ヒートをこなす「マラソンデイ」となりました。
この影響でジェレミーより4歳年上のジョシュ（それでも23歳)は疲れが一気に出てしまい、波運にも見放されたことから、ファイナルではトータル6.00ptしか出せず、15.16ptを出したジェレミーがコンビネーションスコアで勝利！WQS6スターイベントでの初タイトルを獲得しました。
「この結果は僕の人生の中で最も重要な一つ…。ビッグイベントでの優勝は、調子が上向いてきた昨年から欲しかったんだ。ストークしてるよ。」とジェレミー。
「僕は体力的にも精神的にも強くなれるようにハードなトレーニングをしてきたんだ。このイベントのように一日で5ヒートを消化する日でも勝てるようにね。これで自信が持てたよ。このタイトルはとても嬉しいよ。ティアゴ(ポルトガル出身）はこのイベントで2回続けて勝利しているし、共にヨーロピアンのレベルを上げているのを誇りに思う。」
さらにジェレミーは、「ミカエル・ピーコン、ティアゴ・ピレス、パトリック＆ヤンニック・ビーヴェン、彼らの助けや、僕を強くプッシュしてくれたおかげで今日は勝てたんだ！この瞬間は一生忘れないよ！」と最近ツアーで目立ち始めているヨーロピアンサーファーの結束を高めるようなコメントを残していました。
この1勝でジェレミーはWQSポイント2500ptをゲットし、9位にジャンプアップ。ASPワールドツアーでも12位と来年のクオリファイに向けて良い位置にたっています。
2位となったジョシュ・カーは、ジェレミーと同じく2007年のASPワールドツアーのルーキー。第1戦の地元ゴールドコーストではいきなりの5位で実力をアピールしましたが、その後は不調続きで現在のレイティングは31位。しかし、WQSからのクオリファイを狙う気はないらしく、「ワールドツアーへ戻る前に試合をしたかったんだ。ファイナルまでいけたのは良かった。このイベントは今年最後のWQSだね。TOP45の方のイベントに全力を注ぐよ。」とジョシュはコメント。
彼のこのイベントへの参戦は、9月9日からトラッセルズで開催されるASPワールドツアー第6戦に向けての肩ならしが大きな目的だったようです。
なお、今回のイベントもフランスで先日行なわれたスーパーシリーズ「リップカールプロ」で優勝したショーン・キャンズデル(AUS)と同様にASPワールドツアーのTOP45の一員が制することになりました。それはWQSのレベルが以前より上がっていることを意味していると思います。
このイベントでもASPワールドツアーを目指す日本勢が数名エントリーしましたが、全く歯が立たず、ラウンドオブ96に残った田中英義、大野修聖も、クリス・ディヴィッドソン(AUS)やミカエル・ピーコン(FRA)らのビッグネームに抑えられ、この先のラウンドには進めませんでした。
トータルでも日本人最高位は田嶋鉄兵の103位。日本人プロのレベルは年々上がっていますが、同時に世界のレベルが上がっているのも確かです。もっとハングリーになってその高い壁をぶち破ってくれる日本人プロが現れることに期待したいですね。
WQSヨーロッパレッグは次のスペインへ続きますが、日本でも9月の前半～10月の前半にかけて2スターイベントが2つ開催されます。まずは9月6日からBCMの波情報提供ポイントである福島北泉で開催される「サハラプロ北泉」。昨年は台風からのビッグスウェルにより、エクセレントコンディションに恵まれたこのイベント。今年も台風9号のコース次第では良い波が期待出来そうです。
BCMでもフォローしていきますので、お楽しみに！
■WQS6スター「Buondi Billabong Pro」
主な結果は以下の通り。
1位 ジェレミー・フローレス(FRA)
2位 ジョシュ・カー(AUS)
3位 ブレッド・シンプソン(USA)、レイ・シドリー(AUS)
5位 マーク・マシューズ(AUS)、ルーク・ムンロ(AUS)、ニック・ムスクラフト(AUS)、ダイヤン・ネイブ(AUS)
photo: ASP Covered Images