CT第8戦『Hurley Pro at Trestles』 大原洋人がR3進出!
2017-09-12 更新
タヒチでのCT第7戦『Billabong Pro Teahupoo』から約1ヶ月。
ワールドツアーの舞台はカリフォルニアのローワー・トラッセルズへ移動。
大型のハリケーン「イルマ」に襲われたアメリカ東海岸とは対照的に西海岸は穏やかな波予報が続き、ウェイティングピリオド中盤にようやく開幕。
現地時間9月11日、新しい南よりのウネリが入ったタイミングでR1の全てのヒートとR2のH4まで進行しました。
トライアルで優勝して2015年に続く2度目のワイルドカードを獲得した大原洋人はR1でジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、イタロ・フェレイラ(BRA)と対戦。
このヒートは9.07を含むトータル16.07をスコアしたジョン・ジョンが1位でラウンドアップを果たし、大原洋人は3位になったものの、次のR2では現在ランキング4位のオーウェン・ライト(AUS)を倒してR3進出!
ハイタイド付近で波数が極端に減ってしまい、リスタートになったこのヒート。
最初のセットはオーウェンに奪われましたが、すぐにフロントサイドで際どいセクションのターンを重ねて6.83をスコア。
更に中盤にはアウトサイドでのカービングからレイバック・スナップ(写真下)、フィニッシュのノーグラブ・エアーリバース(写真最上部)までメイク。このダイナミックなライディングで8.90を重ねてオーウェンを逆転。
オーウェンはニード8.24のシチュエーション。後半にはバックハンドでターンを重ねますが、7.93...。
僅か0.30のクロスゲームを制して大原洋人に軍配が上がったのでした。
インタビュアーのストライダー・ヴァシレフスキにマイクを向けられた大原洋人。
グーフィーフッターであるオーウェンをやっつけた勝因を聞かれると、「ハッキリとは言えないけど、良いターンが出来たからだと思うよ」と一言。
「あなたのサーフィンはとても速い、サーフボードの調子が良さそうだよね」との問いには、「その通り、良いサーフボードなんだ。言葉が見つからないけど、ストークしている」とコメント。
タイトルコンテンダーであるオーウェンとの対戦については、「ヒートの組み合わせを見た時、’オーウェンか〜嫌だな〜’と思ったけど、波が良くなってきたし、全力を尽くして楽しもうと考えたんだ。良い波に2本乗れて勝つことが出来たよ」と話していました。
ワイルドカードはトップシードと対戦するため、次のR3はジョン・ジョンとのカード。
R1のジョン・ジョンのサーフィンを見る限り、厳しい戦いになりそうですが、勝負は水物。
ここをクリアすれば2015年の『Vans US Open of Surfing』の優勝を上回る評価を与えられそうです。
R2ではもう一人のワールドカード、エヴァン・ゲイセルマン(USA・写真上)がランキング3位のウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)を倒す大金星。
ウィルコは昨年もタイトル争いの最中にこのイベントのR2でワイルドカードのブレット・シンプソン(USA)に敗れており、タイトル争いに大きな影響を与えることに。
今年は第2戦でもR2で敗退しているため、2度目の最下位。シーズン後半に暗雲が立ち込めてきました。
その他、ルーキーのイーサン・ユーイング(AUS)が今シーズン2度目のR3進出を決めた一方、コナー・オレアリー(AUS)が早くも姿を消すことに...。
R2の残りヒート、五十嵐カノア(USA)はカイオ・イベリ(BRA)とH10で対戦します。
この日のハイエストスコアは9.50。
タヒチの結果で初のイエロージャージを手に入れたジョーディ・スミス(ZAF)、シーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)の両者が共にR1でマークしてラウンドアップ。
2014年、2016年と2度のイベントチャンピオンでもあるジョーディは、「ここでは冷静に戦うことが重要。いつものローワーズでのフリーサーフィンと同じ気持ちでやること。もちろん、自分がどんなライディングをすれば良いかを理解した上で、30分間ベストを尽くすんだ」とこのイベントの’勝負の鍵’を話していました。
ワイルドカードのエヴァン、ルーキーのイアン・ゴウベイア(BRA)が相手となったこのヒート。
プライオリティがない状態で入った最初のセットに3人がパドルバトル。ライトに行ったエヴァン、レフトに行ったイアン、その間に挟まれて波に乗れなかったジョーディでしたが、逆にこれでプライオリティを手に入れたことが功を奏して中盤に入った一番のセットを掴み、美しく弧を描くカービングを披露。
この一本で9.50、トップに立つとすぐにバックアップスコアを重ねてトータル13.23。難なくR1を勝ち上がった印象でした。
ジョーディはヒート中に結婚指輪を紛失したとのこと。
それも今回がタヒチに続き2回目だそうで、インタビューの最後には愛する妻に謝罪する場面も...。
最近では良いパパとして有名になりつつあるフィリッペ・トレド(BRA・写真上)はレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ジョアン・ドゥルー(FRA)の二人のルーキーを相手に得意のエアリアルで応戦。後半に9.43をスコアしてレオナルドを逆転、後半には8.17とバックアップスコアを塗り替えて圧勝。
トータル17.60はこの日のハイエストでした。
「あのヒートは波が小さくて厳しかったよ。でも、ここでの経験からスコアを出すポテンシャルがあることは分かっていた。スコアを上げるためにはビッグエアー、そして、バラエティあるターンが必要だと考えていたよ」
片時も離れたくない愛娘を抱っこしながらインタビューに応えていたフィリッペ。
数年前からサンクレメンテに家族で移住してトラッセルズは第二のホームでもあります。
「ここはホームみたいに快適さ。ローワーズでのイベントは大好きだよ。家族と過ごし、自分のベットで寝れるんだ。母の料理も味わえるし、妻に娘、友人だっている。それは特別なことだよね。モチベーションも上がるし、良い結果にも結び付くと思うよ」
今シーズンは成績に波があり、J-Bayで優勝した一方、すでに最下位が2回、更に出場停止が一回。
ランキングも9位ですが、他の選手に関してもトップのジョーディ以外は安定していないため、僅かながらタイトルの可能性が残されています。
その件については、楽しむのが第一で、あとは良い波に乗ってハワイでタイトル争いに加わっていれば良いねと話していました。
ちなみにフィリッペが優勝したJ-Bayでフリーサーフィン中に右足の中指と薬指を骨折、シーズンを棒に振ることになったケリーはギブスをして会場に登場。
現地の『F+』のつのだゆき編集長によると噂されているウェーブプール「サーフランチ」でのスペシャルイベントは9月18日開催の予定。
正式に発表され次第、お知らせします。
なお、現地時間9月6日にR1だけ行われたウィメンズCT第7戦『Swatch Women’s Pro』は、ジョアン・ディファイ(FRA)、シルヴァナ・リマ(BRA)、キーリー・アンドリュー(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、セージ・エリクソン(USA)が1位通過でR3へ。
ネクストコールは現地時間9月12日の朝7時30分(日本時間同日の夜11時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南よりのウネリが続き、13日〜14日には次の南よりのウネリが入る予報。
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