アルガンベイ2008夏④
2008-09-23 更新
朝、やたらウルサイ小鳥の声で目が覚めた。それもそのはず、その小鳥は僕の部屋の中にある鏡の枠にしがみつき、鏡に映ったもう一匹の小鳥に必死に何かを訴えていたのだ...。そして、昨晩コウモリが頭の上に木の実をさんざん落としてくれたせいで、僕のベッドの上はかじられた木の実が散乱していた。
スリランカの夏は、日本の夏の夜と違って涼しくて快適だが、今日からは動物たちに安眠を妨害されないように全ての窓にキチンとカーテンをすることにした。
バルコニーに出て海を見ると、今日も昨日と同じ感じで胸前後の波が綺麗にラインナップしていた。三日目ともなると少し肩が重い感じがするが、今回の旅のテーマは「後悔しないくらい多くの波に乗ること!」と決めていたので、朝から沢山の波をローカル達と楽しんだ。
ババイヤ、サナ、マドゥラといった若手のローカル達も、すっかりサーフィンが上手になって僕を追い越している。彼らとのセッションは楽しいし、自分も少し若返ったような気にさせてもらえる。
この日も3ラウンド海に入り、昨日と同じ夕陽に感動して倒れるように睡眠を貪った。カーテンのおかげでコウモリも小鳥も僕の睡眠を邪魔することはなかった...。
----------------------
ピーナッツファームで2泊して少しこの波にも飽きたので、アルガンベイのメインポイントに戻ることにした。アルガンベイに戻ると少し様子が変わっていた。それは臭いだ。海産物が少し痛んだような臭い。そしてビーチには中国人の姿がちらほら...。
ローカルに事情を聞くと、この周辺の海では最近になって食用のクラゲが大量に捕れるらしい。中国人がそれに目を付け、これは金になると思ったのか、アルガンベイの漁師達をクラゲ漁に専念させている。土嚢(どのう)に詰め込まれたクラゲ達は、ビッシリとビーチに積み上げられ、それをトラックに運び込み、船に載せて中国に輸送している。だから、僕らの部屋まで凄い臭さなのだ...。
さらに臭いのが大好きなハエが大量発生!観光業を営む人達の眉をひそめさせている。
アルガンベイからほど近い街、ポトビルに行った時のこと。僕は中国人と間違えられ、すれ違うときに「ハロー、ジェリーフィッシュ!」と挨拶までされてしまった...。一連の事態は日本では見慣れない光景だけに少し異様に感じた。そして、僕はクラゲ料理をしばらく食べたくなくなった。
アルガンベイのメインポイントは、相変わらず頭前後の良い波がブレイクしている。この日、僕はこの旅で最高のチューブにスッポリと入ることが出来た。更に何本もの良い波をスコアして大満足だった。
夕方は300mほどインサイドにあるベビーポイントというロングボード&初心者向けのポイントでローカルや一人旅で来ている女の子達とファンボードで楽しんだ。波によってボードを替えて、みんなで楽しむこういう時間も素晴らしいと思う。
陽がすっかり落ちると、ゲストハウスの方からアップテンポの音楽が聞こえてきた。今日は土曜日だから僕らのゲストハウスはパーティらしい。眠れない夜が始まりそうな気がした...。
----------------------
今回の「One Earth」はどうでしたか?
スリランカでの滞在を心の底から楽しんでいるハルさんのストーリーを見て、スリランカに興味を持った方も多いのでは?
それでは次回の展開もお楽しみに!
★BCMワンポイントアドバイス★
ハルさんの話に登場してくるアルガンベイはスリランカの南東部に位置し、雨期となる4月~9月がベストシーズン。つまり、今はシーズンが終わりになる頃で、そろそろ風向きも変わり始めてきます。
これからの時期は乾期となり、スリランカの南西部に位置するヒッカドゥワがメインになります。こちらはアルガンベイと比べてアクセスも簡単で、治安の面でも安心感があります。
ゲストハウスが目の前にあるメインポイントはレフト・ライト共にAフレームにブレイクする比較的メローな波質。周辺には沢山のポイントもあるため、初めてスリランカに行くならヒッカドゥワから攻めた方が良いかも知れません。
海外波情報