『Billabong Pipe Masters』 トライアルはダスティ・ペインが優勝!
2017-12-09 更新
トリプルクラウン並びにCT最終戦『Billabong Pipe Masters』が現地時間12月8日に開幕!
まずはワイルドカードの2枠をかけたトライアル『Pipe Invitational』が今年も行われました。
32名のトライアル参加者はハワイアンが中心。
・年初の『Volcom Pipe Pro』ハワイアンの上位12名(ブルース・アイアンズ、ビリー・ケンパーなど)
・昨年のトライアルで優勝したフィン・マクギル(HAW)
・トリプルクラウンのカレントリーダー、グリフィン・コラピント(USA)
・QSハワイ・タヒチのリージョナルの上位4名。
・QS総合のハワイアン上位4名。
・「Billabong」のスポンサーワイルドカード4名
・パイプラインのスペシャリスト4名。
・トリプルクラウンのスポンサー「Vans」のワイルドカード2名
(アイアンズファミリー)
この日のコンディションは数日前に入った北〜北西ウネリが続き、公式6-8ftレンジ。
パーフェクトとは言えないものの、朝の内は風が弱く、バックドアメインでパイプラインもありのまずまずの波。
素晴らしいサーファーにライブでは脇田貴之のメインMCにハワイをベースにビッグウェーブを追求している藤村篤、堀口真平、ゲストに大原洋人を迎える最強の布陣。
メインイベントを前にWSLファンを興奮させていました。
2010年にこの世を去ったアンディ・アイアンズに敬意を表したオープニングセレモニーから始まった初日。
(息子アクセスは7歳の誕生日を迎えた)
R1では『Volcom Pipe Pro』で9位に入ったハンク・ガスケル(HAW)がバックドアのバレルでいくつものセクションを抜けて9.00。
これがトライアルのハイエストスコアとなり、QFの頃にはシーブリーズが吹き始め、SFにかけて難しいコンディションに変化。
そんな状況でもハワイアンが強く、ファイナリストに選ばれた4名、ジャック・ロビンソン(AUS)以外は全てハワイアン。
トリプルクラウンのカレントリーダー、グリフィンもQFで敗退してメインラウンド進出はならず...。
昨年、16歳にしてトライアルを優勝したフィン・マクギル(HAW)はSFで姿を消していました。
ハワイ時間の夕方にスタートしたファイナル。
この頃にはシーブリーズもおさまり始め、舞台が整っていました。
序盤はスロースタートからセス・モニーツ(HAW)がオープニングライドでバックドアのバレル、ストールしてメイク、最後にアクションを入れて6.50。
この一本が決め手となり、主導権を握ります。
中盤、唯一のグーフィーフッター、ベンジ・ブランド(HAW)がパイプラインでクリーンなバレルを抜けて5.67。
序盤に出した3.33を塗り替え、トータルスコアでセスを抜いてトップに立ちます。
後半、セス、ダスティ・ペイン(HAW)が追い上げ、共にバックドアのバレルをメイク。
特にダスティの一本はファイナルで最も深く、8.00のハイスコア。一気にトップに立ち、最後まで逃げ切って優勝!
2位は後半にもう一本の5ポイント台を出したベンジ、セスは接戦の末に惜しくも3位、ジャックは最後までバレルを見つけることが出来ず、コンビネーションに追い込まれて大敗...。
ダスティ、ベンジの2名がメインラウンド行きのチケットを手に入れました!
マウイ島出身のダスティ(写真上・最上部)は、現在29歳。
2013年に長い怪我の治療に悩まされ、CTを脱落。
2014年はQSからやり直し、ほぼトリプルクラウンの2戦の成績のみで返り咲きを果たして2015年、2016年とツアーを回りましたが、リクオリファイを果たせずに再び脱落...。
2017年は怪我の完治に8ヶ月間もかかってしまい、復帰したのは夏の『Vans US Open of Surfing』からで、ヨーロッパレッグ、ハワイと転戦してトリプルクラウンではハレイワで49位、サンセットビーチは81位と全く振るわずにシーズンを終えることに...。
それだけに今回のトライアルでの優勝は来年の彼のモチベーションアップに大きく関わることでしょう。
「パイプマスターズに出場出来ることに興奮している。ハワイで育った全てのサーファーが夢にしているイベントなのさ。今、この場所にいることに本当に感謝したい。ベンジやセス、ジャック、その他一緒にサーフィンした全ての選手と素晴らしい一日を過ごせたよ。みんな凄かったし、楽しかった。チャンスを与えてくれたWSLには本当に感謝している」
ダスティはワイルドカードの宿命としてR1ではトップシードとのカード。
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ウィゴリー・ダンタス(BRA)と対戦します。
2017年のQSハワイ・タヒチのリージョナルのチャンピオンでもあるベンジ(写真上)はまだ21歳。
来年は前半のQS10,000、6,000のシード権を与えられ、ハワイから世界の舞台に飛び出すことになります。
「今日はこのパイプで本当に上手い選手や大物との対戦で自分を追い込まないように落ち着いて、焦らずにいることを心掛けて戦ったよ。ヒートではシチュエーションを気にせず、波を良く読むようにした。メインイベントではジョン・ジョンのタイトルを助けられるように、他の選手を倒したい」
ベンジはR1でジョン・ジョンのタイトル争いの相手、ガブリエル・メディナ(BRA)、ミゲル・プーポ(BRA)と対戦します。
「パイプラインでガブリエル・メディナとヒートを戦うなんて信じられないね。良い波になってバレルに入れることを願っている。上手く行けば勝てると思うよ」
(ジャック・ロビンソン)
なお、日本語放送のメインMCを務めている脇田貴之によると、コンディションが決まった前日のパイプラインで、いつもはすぐに上がってしまうガブリエルが入念に波を観察していたのが印象的だったそうです。
フリーサーフィンではジョン・ジョンの驚異的なバレルメイクも映像に残っていますし、実質二人に絞られたタイトル争いは非常に面白いことになるでしょう。
ネクストコールは現地時間12月9日の早朝7時30分(日本時間の10日午前2時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると北〜北西ウネリはダウン傾向、朝は風が弱く、午後はオンショアが吹く見込み。
期間中は豊富なウネリが予想されていますが、風の予報が良くないのが心配です。
『Pipe Invitational』結果
1位 ダスティ・ペイン(HAW)
2位 ベンジ・ブランド(HAW)
3位 セス・モニーツ(HAW)
4位 ジャック・ロビンソン(AUS)
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
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