『Billabong Pipe Masters』 難しいコンディションでR1終了!
2017-12-17 更新
ワイルドカードの2枠を決めたトライアルのコンディションがとても良く見えてしまうほど今年の『Billabong Pipe Masters』は波から見離されています。
12月20日までのウェイティングピリオドまで残り僅か。まだR1も全て終えていない状況でコンテストディレクターのキーレン・ペローは苦渋の選択。
現地時間12月16日、R1のH10から再開されたメインラウンド2日目は公式4-5ftレンジ。前日まで吹き荒れていたトレードウィンドがようやくおさまり、回復傾向ながら、パイプラインでのブレイクは無く、バックドア、隣のガムズ、OTWの3ピークを使用してほぼアクションのみの戦いでR1の残り3ヒートを消化。
日本語放送のメインMC、脇田貴之曰く、逆に世界のトップ選手がこの難しいコンディションにどのように対応するのかが見れる貴重なチャンス。
ベテランのエースことエイドリアン・バッカン(AUS)、ルーキーのコナー・オレアリー(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)が勝ち上がった一方、3Xのミック・ファニング(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、フレデリコ・モライス(PRT)などが敗者復活戦のR2行き。
ミック、フレデリコとの最終ヒートでエアーリバース(写真最上部)をメイクして7.33をマークしたイタロは、「ハワイでは良い時間を過ごしているよ。ハレイワ、サンセットでも結果を残しているしね。今度はこのパイプ。再びイベントに参加出来て嬉しいよ。自分のスポンサーである’Billabong’だし、特別さ。ミックを始め、彼らと対戦するのも嬉しい。凄い刺激を与えてくれるんだ」とコメント。
今シーズンは怪我で前半に3戦欠場、ランキングも25位とリクオリファイ圏外のイタロ。
恐らく、来年の怪我によるワイルドカードはケリーに渡されることになるため、このイベントでは一つでも多く勝って自力で残留を決めなければいけません。
2017年のルーキー・オブ・ザ・イヤーの筆頭、コナー(写真上)は同じルーキーのレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ベテランのジョエルと対戦。
クロスゲームで3位にいたコナーは後半にガムズのライトで4.87をスコアして2位に浮上。ニード6.26のシチュエーションで今度はガムズのレフトにテイクオフ、フロントサイドの際どいリップアクション、フィニッシュまでメイクして7.17。
僅か0.91ポイント差でR3行きを決めていました。
「とても難しい波だったよ。まさか最初のパイプマスターズがガムズでのサーフィンになるとは思わなかった。でも、勝ちは勝ちさ。ありがたく頂くよ。最初からバックドアからは離れる計画だった。どの波が良いか悪いかの判断が難しかったからね。自分一人でガムズに張り付き、何本か乗れれば良いと考えていたよ」
前ヒートのエースがバックドアでスコアを出して勝ち上がっていたため、他の選手がガムズを避けていたのが逆にコナーの追い風に。この辺の判断も重要になった一日でした。
難しいコンディションに手探りでのスタートとなったオープニングヒート。
エース(写真上)はバックドア、シーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)はガムズ、イアン・ゴウベイア(BRA)はOTWにポジション。
バレルが無い中、エースは後半にバックハンドで2つの垂直なバックハンドターンを披露して8.00をスコア。
3位から一気にトップに立ち、このヒートを手に入れることに成功。
「パイプで今日のようなヒートは今まで経験したことが無いよ。ビード(ダービッジ)が優勝した年にバックドア、OTWでやったくらいかな。いつもと状況は違ってもこれがツアーだし、全てに対応出来るように準備している。後半まで追い込まれたことは心配していなかった。上手く行かなかったけど、最初にいくつかのチャンスがあったし、良いセットがバックドアに入ればスコアは出せると思っていたのさ」
ツアー12年目のベテラン、エース。
2017年はブラジルで2位、トラッセルズで3位に入り、ランキング15位。
来年もいぶし銀の活躍を見せてくれそうです。
ネクストコールは現地時間12月17日の早朝7時30分(日本時間の18日午前2時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると午後には新しい北西ウネリが入る予想。
南よりのコナウィンドから午後は北風に変わる予報。
R2の注目カードはガブリエル・メディナ(BRA) vs ダスティ・ペイン(HAW)
ジュリアン・ウィルソン(AUS) vs ベンジ・ブランド(HAW)
タイトル争いに絡んでいる二人がワイルドカードと対戦します。
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
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