『Founders’Cup of Surfing』初日 予選ラウンドはアメリカがリード!
2018-05-06 更新
サーフィン界のキング、ケリー・スレーター(USA)の夢が10年の歳月を経て形になった究極のウェーブプール「サーフランチ」
カリフォルニアに比べて波に恵まれた場所とは言えないフロリダ出身の彼だからこそ追求出来たカリフォルニア内陸部のレモーに建設されたこの施設が2015年の年末に公開された時は世界中のサーファーの心を奮い立たせ、大きな話題になっていました。
その後もサーフィンの未来のために次々とアップデートを重ねて常に話題を振りまき、WSLとも提携。
2017年には招待選手による初のコンテスト『Future Classic』を開催。
このイベントは観客もライブ中継もないクローズドイベントでしたが、2018年は早くもCTイベントの舞台に採用。
その前にプレオープンとしてWSL初のリージョナル対抗のチーム戦『Founders’Cup of Surfing』が5月5日〜6日に開催。
初日の5日はUSA、ブラジル、オーストラリア、ヨーロッパ、ワールドの5つチームにより予選ラウンドが行われました。
『Founders’Cup of Surfing』はオリンピックを意識した団体戦のため、通常のCTとはフォーマットも異なります。
予選ラウンドではRun1〜Run3と3度のチャンスが与えられ、Run1につき各選手はレフト、ライトの順に2本乗ってスコアがチームトータルとして加算されていく仕組み。
1チームは5名なので、パーフェクトスコアは100ポイント。
5チームの内、ファイナルに進めるのは3チーム。
詳細は以下を参考に。
『Founders’Cup of Surfing』フォーマット日本語解説
「サーフランチ」の波は御存知の通り、ライト・レフト共にパーフェクト。
その波にCT選手が乗るとなればスコアリングが難しいのでは?と予想されていましたが、実際にコンテストが始まるとそれは全くの間違いで、特にレフトはファーストセクションでのターンからミドルセクションでのバレルの繋ぎが難しく、ワイプアウトや波に捕まってしまう選手が目立っていました。
ライトの波はターンもバレルも完璧に揃えてくる選手が多かったものの、エンドセクションは厚くなってしまう仕組みのため、エアリアルはタイミングが命で難しく、逆にメイク出来ればハイスコアが出やすい傾向。
トップ5スコアも全てライトの波で記録され、ブラジル代表のフィリッペ・トレド(写真上)が唯一のパーフェクト10。
アメリカ代表のジョン・ジョン・フロレーンスが9.80、ヨーロッパ代表のレオナルド・フィオラヴァンティが9.57と続いていました。
「このパーフェクトな波で初の10ポイントを出せたなんて信じられない。舞い上がっているよ。自分の番の前にチームで話し合い、あのようなエアーをやろうと提案したら皆が賛成してくれたのさ。そのサポートのおかげで自信が倍増したね」とイベント初の10ポイントライドに成功しフィリッペはコメント。
ブラジルは経験が浅い14歳のタイナ・ヒンケルがチームにいるだけに他よりも不利な感じがしますが、『Future Classic』で1位と2位になったガブリエル、フィリッペが十分にカバーしており、予選ラウンドの最後のチャンス、Run3では怖い存在になってきそうです。
本来は初日に予選ラウンドを全て終えるスケジュールでしたが、途中トラブルがあった影響もあり、Run3を残してこの日は終了。
トップはケリーがキャプテンのアメリカ、2位はステファニー・ギルモアがキャプテンのオーストラリア、3位はジョーディ・スミスがキャプテンのワールド。
そして、ブラジル、ヨーロッパと続きます。
アメリカは2位以下に差をつけていますが、その他は僅差のためにRun3の結果次第では順位が入れ替わる可能性が十分にあります。
アメリカのリードに大きく貢献したのは、ジョン・ジョン(写真上)とカリッサ。
ジョン・ジョンは9.80、カリッサはウィメンズで二人した出していない9ポイント台を2本もスコア。
『Future Classic』でも優勝しているカリッサは本当に「サーフランチ」の波が良く見えている印象でした。
「最後のセクションが思っていたほど厚くならなかったので、エアーしてみたら成功したんだ。チームで戦う環境はいつもと違うことばかりで面白いよ。今までサーフィンしてきて一番楽しいね。興奮しながら、お互いを応援することは素晴らしい」
スコアを狙い過ぎた影響か、ワイプアウトが目立っていたジョン・ジョンでしたが、Run2のライトの波では全てのタイミングが合い、最後にはテールハイ・エアーリバースをメイク。
エアーの完成度では10ポイントを出したフィリッペに並ぶクオリティの高さでした。
アメリカのチームキャプテンであり、「サーフランチ」のオーナーでもあるケリー(写真上)は、ローカルナレッジ?を活かしてチームでカリッサに続く安定したライディングを披露。
なにより、一番楽しんでいた様子で出番を終えてジェットスキーで観客の前を通る時は誰よりも嬉しそうにはしゃいでいました。
「今回のような初めての経験でプレシャーがかかる中、ワールドチームはミスが少なく上手くやっているよね。そんな中、私達がリードしているのは本当に大きな成果さ。最初のランの後、倒すべき他チームの動きを見ている。今日は初日、世界中の人が初めてここでのライブ中継を楽しんでいるんだ。サーファーも含め、会場にいる皆が一日中笑顔のコンテストに参加したのは初めてだよ。私達は戦う相手でありながら、全てのチーム間に良い仲間意識があるんだ」
観客の多くはアメリカ人であり、開催国として負けられないアメリカ代表。
冬季オリンピックのスノーボード・ハーフパイプのような雰囲気もある今イベント。
ショーン・ホワイトのような存在が数多くいる贅沢なチームで優勝を飾ることが出来るのかに注目しましょう。
南アフリカのジョーディ・スミスをキャプテンとしたワールド代表の五十嵐カノア(写真上)は『Future Classic』で4位に入った経験もあり、「サーフランチ」の波を得意としています。
初日はミスが目立ったものの、Run1のライトの波では長いバレルにエアリアルまでメイクして8.83をスコア。
チームの3位に貢献していました。
『Founders’Cup of Surfing』のファイナルデイは現地時間5月6日の9時(日本時間5月7日の深夜1時)にコールされ、9時30分からRun3がヨーロッパからスタート予定。
Run3、3チームによるファイナルに加え、フレッド・ヘミングス(HAW)、ランディ・ラリック(HAW)、ピーター・タウンエンド(AUS)、ショーン・トムソン(ZAF)、ウェイン’ラビット’バーソロミュー(AUS)、マーク・リチャーズ(AUS)、イアン・ケアンズ(AUS)の7名のプロサーフィンの創設者、レジェンドによるエキビションマッチが行われます。
WSL公式サイト
現地カメラマン「スティーブ・シャーマン」の画像を交えたリポートはコチラ
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。