CT第8戦『Surf Ranch Pro』2日目 トップシードが予選ラウンドをリード!
2018-09-08 更新
現地時間9月7日、カリフォルニア内陸部の「LEMOORE」にあるケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」で開催中のCT第8戦『Surf Ranch Pro』は2日目を迎え、予選ラウンドにトップシードが登場。
ローシードによって行われた初日のランキングを大きく変える素晴らしいライディングを披露。
更にライブ中継オンリーだった初日から2日目はサーフィンコンテストでは異例の高額な入場料を払った観客が入り、雰囲気も一変。CTイベントらしい華やかな一日でした。
改めて今回の『Surf Ranch Pro』のフォーマットを説明すると、まず予選ラウンドはヒートではなく、「Run」という表現を使い、各選手は一回の「Run」につき、ライトとレフトの波をセットで乗ります。
Run1、Run2と2回行い、ライトとレフトのそれぞれのベストスコアをトータルにしてランキングを決定。
波に乗る順番はランキング下位のローシードから組となり、最後にカレントリーダーが登場。
予選ラウンドの最終となるRun3では、Run1、Run2によって決まったランキングの下から順番に乗り、上位8名、ウィメンズは上位4名がファイナルラウンドへ進むことになります。
ローシードのメンズ18名、ウィメンズ9名がRun1、Run2を行った初日の時点で暫定トップはこのプールのオーナーでもあるケリーとココ・ホー(HAW)
トータルは14.57、ココは14.94。
2日目はランキング上位のトップシード、メンズ18名、ウィメンズ9名がRun1、Run2を行い、ローシードの選手の記録を次々と塗り替えることに成功。
特にメンズは初日よりも革新的なアプローチをする選手が多く、何が飛び出すか分からないマジック的なエンターテイメント。
そんな中、五十嵐カノア(JPN・写真下)がRun2のライトの波でブローテール・エアーリバースからバレルの構成で8.93をスコア。
トータル15.73で一時トップに立ち、全てのRunが終わった時点でも2位とファイナルラウンド進出の可能性が高くなっています。
「3週間前にはこのフォーマットでやることを知っていたから、友人と同じような形で競争をしていたんだ。Run形式のトレーニングを10回はやったと思う。これは全て数字上のゲーム、自分の中でスケールを設定して成功するパーセンテージを考えて行う感じかな。ケリーを抜くのが一つの目標だった。それが良いプレッシャーになったのさ」
カノアに刺激され、ジェイク・パターソン率いる「Snaketales」のチームメイト、グリフィン・コラピント(USA)も同じようなアプローチでエアーとバレルのコンビネーションを披露。
こうやって互いにハードルを上げていくのが「サーフランチ」でのイベントの醍醐味でもあります。
ちなみにスポンサーのHURLEYライダーによるトライアルで優勝してワイルドカードを得た大原洋人(JPN)は2日目の時点で36人中、31位。
たっぷりとCT選手の演技を見た後、最後のRun3でどんなライディングを披露してどれだけランキングを上げてくるかに注目。
そして、同じ波の「サーフランチ」だからこそ、そのランキングが彼の今の実力の目安にもなります。
カノアのトータルスコアを塗り替えて暫定トップに立ったのは、昨年試験的に開催された『Future Classic』で優勝したガブリエル・メディナ(BRA・写真最上部)
ケリーが約10年を費やした700ヤード(約640m)のキャンパスで彼が表現した演技は別格。
Run1のレフトでバレルセクションを無視してフロントサイドのダブルグラブ・アーリーウープをメイク。
これが9.30のハイエストスコアとなり、最後のRun2のライトではグラブレールで深過ぎるほどのロングバレルを抜けて8.40。
トータル17.70と2位以下を大きく引き離すスコアで圧倒していました。
「サーフランチは最高だよね。素晴らしい経験をしているよ。自分自身よりもフィリッペの方が凄いと思うし、他にも多くのサーファーが良いサーフィンをしている。トレーニングの日ではジュリアン、イタロ、フィリッペと一緒だったんだけど、あの中で波に乗るのは大変だったさ。海とは違う良い波に乗る気分もとても良い。ここではどういうサーフィンをするか計画を立てなければいけない。それが波に合わせないといけない自然の海との違いさ。改善すべきエアーがあるけど、違うエアーにもトライしたい。気持ち良く明日を迎えられるよ」
ガブリエルと同じ組でRunを行ったのは、カレントリーダーのフィリッペ・トレド(BRA)、ランキング3位のジュリアン・ウィルソン(AUS)
つまり、ランキング上位3名が交互にパフォーマンスをする贅沢な回、プレッシャーも大きく、フィリッペはRun1のレフトでチューブセクションに繋げず、ライトではバレルが深過ぎて捕まり、Run2のレフトでも失敗。
しかし、最後のRun2のライトでは13.6秒のロングバレルとアーリーウープ、フィニッシュへの繋ぎも完璧でメンズではガブリエルの次のスコア9.17をマーク。
『Future Classic』でも2位のフィリッペ、予選ラウンド2日目を見る限り、やはりこの二人が優勝候補の筆頭と言えるでしょう。
なお、初日に暫定トップだったケリーは9位に転落しています。
【予選ラウンド 2日目トップ8】
1 ガブリエル・メディナ(BRA) 17.70
2 五十嵐カノア(JPN) 15.73
3 オーウェン・ライト(AUS) 15.56
4 フィリッペ・トレド(BRA) 15.47
5 コロヘ・アンディーノ(USA) 15.03
6 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 15.00
7 ジョーディ・スミス(ZAF) 14.87
8 イタロ・フェレイラ(BRA) 14.70
ウィメンズもトップシードの登場でランキングが大きく入れ替わり、暫定トップだったココは5位に転落。
ガブリエル同様に『Future Classic』で優勝したカリッサ・ムーア(HAW・写真上)がRun1から爆発。
ロングバレルにビックターンでレフト、ライトと続けて8ポイント台を出してトータル17.60でトップ。
ハイエストスコアはステファニー・ギルモア(AUS・写真下)、レイキー・ピーターソン(USA)の9.23。
トータルではレイキーが2位、ステファニーが4位。
その間の3位にはゴールデンルーキーのキャロライン・マークス(USA)が8ポイント台を2本揃えて入っています。
「全ての神経と呼吸をコントロールしなければいけない。それほどあの期待に満ちた観客の前で演技するのは難しいわ。自然の波と似ているし、今までトレーニングしてきたようにサーフィンをすることは同じだけど、計画して乗れるのが少し違う点ね。最初のRunでスコアを出せたことにストークしたし、あれでプレッシャーも解消されたわ。トップ3に入り、明日やるべき仕事も理解している。今日は良く寝れそうだわ」
タイトル争いがステファニー、レイキーの二人にほぼ絞られた今シーズン。
プレッシャーが少ないだけに二人にとってカリッサは最も怖い存在でしょう。
【予選ラウンド 2日目トップ4】
1 カリッサ・ムーア(HAW) 17.60
2 レイキー・ピーターソン(USA) 16.50
3 キャロライン・マークス(USA) 16.43
4 ステファニー・ギルモア(AUS) 16.26
コンテスト3日目は現地時間9月8日朝8時(日本時間9月9日深夜0時)からメンズの予選ラウンドが行われます。
なお、ライブ中継が行われるかは不明ですが、チッパ・ウィルソン、アルビー・レイヤーなどを招いた『Air Show Expression Session』が予選ラウンド終了後に開催。
スケジュールは以下の通り。
選手毎の詳細スケジュールは以下で。
Surf Ranch Pro: Format + Schedule
7:00AM Shuttles from GA Parking Lots Begin; VIP Parking Lot Opens
7:30AM Gates Open
8:00-10:30AM Run 1, 18 Men
10:30-11:00AM Break
11:00AM-1:30PM Run 2, 18 Men
1:30-3:00PM Break
3:00-5:30PM Run 3, 18 Women
6:00-7:30PM Air Show Expression Session
8:00PM Social Distortion Concert (North End of the Ranch)
Concessions Hours: 7:30am-9:00pm
『Surf Ranch Pro』公式サイト
WSL公式サイト
Surf Ranch Day2 from Tabrigade Film on Vimeo.
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