QS6,000『Ichinomiya Chiba Open』ナット・ヤングが優勝!稲葉玲王は3位、大原洋人は5位!
2019-05-05 更新
2016年からスタートして4年目となる日本最大級のWSLイベント、QS6,000『Ichinomiya Chiba Open』が2020年東京オリンピックのサーフィンの会場でもある千葉県一宮町釣ヶ崎海岸、通称「志田下」で開催され、5月4日に終了。
期間中は5月1日〜2日が最もサイズがあり、頭オーバーのセットが入ってバレルあり、ビッグエアーありの見応えある戦いに。
残念ながら後半はサイズダウンに加えて風の影響も入り、特にファイナルデイはコシ〜ハラサイズのオンショアで難しいコンディション。
それでもローカルでQSランキング上位の稲葉玲王、大原洋人が残ったこともあり、ビーチは熱気に包まれていました。
潮回りを考慮してお昼からスタートしたファイナルデイ。
稲葉玲王はQFで強豪カム・リチャーズ(USA)を倒してSF進出。
逆転に次ぐ逆転の勝負は会場のボルテージを最高潮に上げていました。
最後は元CT選手のナット・ヤング(USA)に僅差で負けながらも堂々の3位。
今回の結果で3,550ポイントを稼ぎ、QSランキングも10位から一気に5位にアップしています。
大原洋人はQFでジェイク・マーシャル(AUS)に敗退。
5位でフィニッシュして2,650ポイントを加算。
QSランキングは15位から8位に浮上と二人共にクオリファイ圏内でシーズン中盤へ。
7月〜9月は最もグレードが高い10,000が3イベント用意されているため、非常に重要になります。
PHOTO: © WSL
コンテストの方は稲葉玲王を倒したナットと2016年、今イベントの初代チャンピオン、エヴァン・ゲイセルマン(USA)がファイナルへ。
グーフィーフッター対決、ポテンシャルがある波はレギュラー中心だったため、バックハンド勝負。
この日のようなプアーなコンディションではフロリダ出身のエヴァンに分があると予想されていましたが、蓋を開けると元CT選手のナットの方が一枚上手で、序盤に際どいセクションを大きなターンで繋げて7.17をスコア。
プライオリティを持ってじっくりと波を待ち、後半には7.00を重ねてエヴァンを引き離していきます。
一方のエヴァンは積極的にアプローチしてスコアを重ねていく戦略でしたが、ボトムの使い方が甘く、5ポイント台止まり。
終盤に7.47を返すものの、逆転には及ばず、試合巧者のナットに軍配が上がりました。
「本当に嬉しいよ。最高の一週間だったね。一緒に宿泊しているエヴァンとファイナルを戦うことが出来た。今回は他にもカム(リチャーズ)、イアン(クレーン)、マイケル(ダンフィー)と同じ家に泊まったんだ。親友とのファイナルは最高だったよ。目標はCTに戻ることだから、今回の結果はそのステップになったさ」
2013年から2017年の5年間CTを回り、ルーキーイヤーにはベルズとポルトガルでファイナル進出の経験もあるナット。
2018年はQSからやり直し、2019年は心機一転、大原洋人同様にスネークことジェイク・パターソンのコーチの元でチャレンジを始めて良い流れを掴み、ポルトガルで開催された3,000で優勝、すぐに日本に来て6,000で優勝と早くも2イベントで結果を残し、ランキングも12位から一気に2位に上がっています。
PHOTO: © WSL
「今年はスネークと仕事をし始め、ゆっくりと調子が上がっている。サーフィンはスポーツであると同時にゲームでもある。もし、世界最高のサーファーだとしても正しい判断をしないと勝てない世界なのさ。ジェイクのおかげでスマートなサーフィンが出来るようになった感じがするよ」
ファイナル終了後には対戦相手のエヴァンとカム・リチャーズに担がれていたナット。
夜は日本で一緒に行動していた彼らアメリカチームと東京に繰り出し、パーティーをする予定とのこと。
そして、翌日には帰国するそうです。
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2016年にレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)を倒して今イベントを制したエヴァンはQFで元CT選手のコナー・オレアリー(AUS)、SFでジェイク・マーシャル(AUS)を倒してファイナル進出。
ジェイクとは2018年のフロリダのQS1,500でもファイナルで対戦しており、その時もエヴァンが勝利。
今回の結果により、QSランキング11位まで浮上しています。
「ナットとのファイナルは素晴らしかった。ここには良い相棒が揃っていたね。それはイベントに必要なことだよ。アメリカンにとって良い年になった。3年前に優勝した後、2年連続で最初のラウンドで負けていたんだ。そして、再びファイナルに進出するなんて面白いよね。日本の波は自分のホームの波に似ているし、今回は最高の奴らと過ごすことが出来て快適だったさ。一緒に回る人達によって環境は良くなるし、それは一年を通して重要なことなんだ。今シーズンは出だしが遅かった。シードも悪かったから、日本に来る時は大きなプレッシャーがあったよ。でも、この結果でシーズンに集中することが出来るね」
PHOTO: © WSL
ウィメンズはQS1,000と今年もローグレードだったため、日本人選手が大半。
昨年15歳で優勝した松田詩野を始め、若い選手の活躍が目立ち、18歳の都筑有夢路がSFで強豪の前田マヒナ、ファイナルではバリ島のJPSA開幕戦で優勝して勢いがあった宮坂麻衣子を倒してQS初優勝!
「素直に嬉しいです。家族の応援の力が大きかった。特に今回はいつも側にいる兄がインドネシアのクルイのイベントで不在だったので。最初に海にパドルアウトした時はどの波が良いか、どこで待った方が良いのかが分からなかったので、なるべく多くの波に乗ろうと考えていたの。それで2つのスコアを出すことが出来たのよ。麻衣子(宮坂)が7ポイントを出した時はプレッシャーになったけど、しっかりとマークしたわ。優勝出来て本当に嬉しい」
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和製タイラー・ライトと称されるほどの下半身の強さで安定したライディング、最後はパワフルなレイバックまで披露していた都筑有夢路。
2020年東京オリンピック日本代表選手の選考に重要な『ジャパンオープンオブサーフィン』にも妹と共に出場。
そこにはライバルの松田詩野、前田マヒナ、大村奈央、中塩佳那、脇田紗良、野中美波などが揃っており、休む暇もなく次の戦いが始まります。
なお、5月5日は16歳以下のカデットと12歳以下のグロム、エアーショーが開催。
公式サイトでライブ中継も配信されます。
他にも各種サイン会などが行われる予定。
5月6日〜7日は志田下で男女各16名による『ジャパンオープンオブサーフィン』が開催。
稲葉玲王、大原洋人、安室丈、大野修聖など日本のトップ選手が勢揃いします。
QS6,000『Ichinomiya Chiba Open』結果
1位 ナット・ヤング(USA)
2位 エヴァン・ゲイセルマン(USA)
3位 稲葉玲王(JPN)、ジェイク・マーシャル(AUS)
5位 カム・リチャーズ(USA)、バロン・マミヤ(HAW)、コナー・オレアリー(AUS)、大原洋人(JPN)
ウィンメンズQS1,000
1位 都筑有夢路
2位 宮坂麻衣子
3位 前田マヒナ、松田詩野
5位 黒川日菜子、大村奈央、中塩佳那、脇田紗良
『Ichinomiya Chiba Open』公式サイト
http://www.worldsurfleague.jp/2019/icopen/
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