CT第4戦『Margaret River Pro』3日目 歴史に残る「The Box」のバレル勝負!
2019-06-02 更新
PHOTO: © WSL/Cestari
昨年はサメ騒動でキャンセルされ、バリ島に残りヒートを持ち越されたオーストラリア・マーガレットリバーでの『Margaret River Pro』
今年はイルカの大群が姿を見せてコナー・コフィン(USA)と一緒に波に乗るというこの場所ならではの光景がありましたが、今のところサメは会場近くで確認されていなく、順調にスケジュールが進行。
現地時間6月1日に3日目を迎え、メンズのR3(Round of 32)は2015年のアーリーラウンド以来、4年振りに底掘れするバレルオンリーのライトのポイントブレイク「The Box」でH13まで進行。
その後、メインブレイクに戻って残りヒートとウィメンズのR3(Round of 16)の残りヒートを消化しました。
「The Box」はレギュラー版のタヒチ・チョープーと称されるほど波質にクセがあり、バレルをメイクすれば天国、ワイプアウトすれば地獄。
朝のウォーミングアップセッションではレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)が右肩を脱臼して棄権。
ヒート中にはジャドソン・アンドレ(BRA)が真っ逆さまにドライリーフに叩きつけられてしまい、動けなくなるほどのダメージを受けて退場...。
世界トップのサーファーでさえ一日に二人も犠牲になったと言えば、いかに危険な波かが分かるでしょう。
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「The Box」で格の違いを見せつけたのは、ローカルのジャック・ロビンソン。
まずは手始めに8ポイントをスコア。ウォーミングアップの後は誰よりも深いポジションからバレルをくぐり抜け、9ポイント台を2本。
トータル18.57と驚異の数字、フィリッペ・トレド(BRA)に反撃の全く隙を与えず、ノックアウト。
「今日の’The Box’は良い波さえ乗れれば最高だね。ホームにいる時は大体メインブレイクか、ここのどちらかでサーフィンしているんだ。フィリッペのことは決して甘く見ていなかったよ。彼とは親友だけど海に入れば別で、危険な相手になる。’自分にとってこのイベントはボーナスで、正式にCTに入る前のウォーミングアップさ’と言いたいところだけど、どうなるかは分からない。自分を信じたいけどね」
今シーズンは年初の『Volcom Pipe Pro』で優勝、他にもいくつかの結果を重ねてQSランキング5位と好調のジャック。
何年も前から目指しているクオリファイを成功させるためにはパイプラインや’The Box’のようなリーフブレイクだけではなく、ビーチブレイクでも上手くやる必要がありますが、今年はそこにもフォーカスされているため、かなり期待は出来そうです。
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その他、ジョン・ジョン・フローレンス、セバスチャン・ズィーツ、セス・モニーツ、ミシェル・ボウレズと’この手’のリーフブレイクに慣れているハワイアンやタヒチアンなどが強かった一方、ブラジリアンは次々と敗退。
中にはバレルに入るタイミングが分からずに全くスコアを出せなかった選手も...。
例外はイタロ・フェレイラで、フリーサーフィンでさえサーフィンしたことがないこのブレイクの一本目のテイクオフをメイク。リップの下でボトムターンをしてノーグラブでバレルの中に入り込み、姿を現していました。
ただでさえ難しいバックサイドでいきなり「The Box」のバレルをメイクとエアリアルとは違うサーフィンで超人ぶりを発揮したイタロ。ヒート後は特別にMC席に招待され、解説のバートン・リンチから質問攻めにあっていました。
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’この手’のリーフブレイクを得意とするもう一人の選手、ケリー・スレーター(USA)も現役最後になるかもしれない貴重な「The Box」を楽しみ、スコアこそ伸びなかったものの、ディフェンディングチャンピオンのウィリアン・カルドソ(BRA)を倒して今シーズン3度目のR4(Round of 16)進出。
「今日はツアーだけではなく、人生の中でも思い出に残る日だろう。特にコナーがイルカと一緒に凄い波に乗った場面は忘れられないね。あれは今までサーフィンしてきた中で最高の経験の一つ。当事者ではなく、見ていただけでも凄かったよ。イルカのフィンに囲まれて波の中でイルカがボディーサーフィンをしているなんて、信じられないよ。本当に見ていて楽しかった。かなり興奮した朝だったし、こんな波でコンテストをやるのは面白いよね。たった二人でのこのコンディションの’The Box’、ツアーで最も良い一日と言えるだろう」
コナーがイルカと波に乗るシーンは2:08〜。
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その他、「The Box」で勝ち上がったのはカイオ・イベリ(BRA)、コナー・コフィン(USA)、オーウェン・ライト(AUS)、コロへ・アンディーノ(USA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
レオナルドの対戦相手だったジョーディ・スミス(ZAF)は不戦勝。
メインブレイクに戻ってのヒートでは、ピーターソン・クリサント(BRA)、ライアン・カリナン(AUS)
そして、五十嵐カノア(JPN)はリカルド・クリスティ(NZL)を相手にタジ・バロウにインスパイアされたというバックサイドでのターンで7ポイント台をマークしてラウンドアップ 。
ウィメンズのR3(Round of 16)の残りヒートは、ルーキーのブリッサ・ヘネシー(CRC)、ステファニー・ギルモア(AUS)、レイキー・ピーターソン(USA)がラウンドアップ 。
これで早くもQFを戦うベスト8が決定。
ネクストコールは現地時間6月2日の7時30分(日本時間の同日8時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によるとウネリは弱まる傾向ながら十分なサイズが残り、オフショアの予報。
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