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『2019 ISA World Surfing Games』ファイナルデイ 村上舜が2年連続メダル獲得!

2019-09-15 更新
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Photo: ISA / Ben Reed

2020年東京オリンピックの選手選考を兼ね、CT選手も多数参加。
2017年フランス大会の47カ国を上回る55カ国、240名が集まり、「Vans」がスポンサーになるなど過去に例がないビッグイベントになった『2019 ISA World Surfing Games』が9日間に渡って開催され、9月15日に終了。

前日同様、熱帯低気圧から変わった低気圧や高気圧からの吹き出しによる強い東よりのウネリが入り、一般サーファーのレベルだとクローズアウト。
それでも世界トップの選手に乗らせればビッグセクションがあるエキサイティングな波となり、幸いにも天候は回復。
1万人以上が集まった木崎浜、全てのヒートが手に汗を握る展開でした。

ブラジルのイタロ・フェレイラが金メダル獲得!

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ストレートでグランドファイナルまで進んだコロへ
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

ファイナルデイに残った選手はメインラウンドがアメリカ代表のケリー・スレーター、コロへ・アンディーノ。
ブラジル代表のガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラの4名。

リパチャージはポルトガル代表のフレデリコ・モライス、インドネシア代表の和井田理央、日本代表の村上舜。
モロッコ代表のラムジ・バークヒアム、ブラジル代表のフィリッペ・トレド、ニュージーランド代表のビリー・ステアマンドの6名。

フィリッペは前日に腰を痛めて棄権したため、ファイナルデイは9名によって争われ、コロへ、ガブリエルがメインラウンドからストレートでグランドファイナル進出。

リパチャージ側からはイタロ、村上舜がグランドファイナルに進み、ケリーとラムジはリパチャージの最後R12で敗退していました。

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ガブリエルもファイナル進出
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

35分のファイナルはコロへが序盤にエアーリバースのメイクなどで6ポイント台を2本まとめてリード。
村上舜もフロントサイドで完璧にフィンを抜く彼らしいスピーディーなライディングで6.77を出して2位に上がりますが、多くの波に乗っていたイタロがジリジリと追い上げてトップに立つとバックサイドでテールハイ・フルローテーションをメイク。完璧に体勢を崩してから立て直し、このライディングにジャッジはイベント初のパーフェクト10をコール。
この時点でトータル17.67。2位以下をコンビネーションスコアに追い込んでトップの座を固めます。

終了間際、中盤までリズムに乗れなかったガブリエルが追い上げ、2位に浮上。更にコロへがフロントサイドで高さのあるエアーリバースをメイクして9.43を出して2位の座を取り戻し、トップとの差を0.71まで縮めますが、最後まで逆転には至らず、イタロが初出場にして初の金メダルを獲得しました!

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勝負を決めたイタロのフルローテーション
Photo: ISA / Sean Evans


「最高のコンテストだったね。ここにいる全ての国とサーファーを祝福したい。凄い感情的になりながら多くのヒートをこなしたから、今は本当に疲れている。ベストのサーフィンを見せようと頑張ったよ」

来日前、アメリカでパスポートが入ったバックパックを盗まれ、新しいパスポートとビザの発行に四苦八苦したイタロ。
更に台風15号の影響で飛行機の中で18時間も缶詰状態となり、ようやく宮崎空港に着いたのがヒートの10分前。荷物も受け取らずに会場に着いたのがヒート終了の9分前でフィリッペのサーフボードを借りて海に飛び込み、そこから1位通過でメインラウンドを通過という奇跡を起こしていました。
ファイナルデイはサーフボードを折り、リパチャージラウンドにも回ったものの、最後の最後で信じられないようなエアーをメイクしてイベント唯一の10ポイント。そして、金メダルとドラマや映画のような展開でした。

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ファイナルデイも多くの観客が集まった イタロも大喜び
Photo: ISA / Sean Evans

団体でもブラジルが金メダルを獲得

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PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

3名がファイナルデイに残ったブラジルと2名が残ったアメリカが団体の金メダルを最後まで争っていましたが、イタロ、ガブリエルの2名がグランドファイナルに進み、イタロが金、ガブリエルが銅。ウィメンズではシルヴァナ・リマが銀メダルを獲得したブラジルがチームポイントで勝り、19年ぶりに団体金メダルを獲得。

アメリカはコロへが銀メダル、ウィメンズではカリッサがクーパーメダルを獲得。
ケリーが5位に入り、団体銀メダルを獲得。

そして、村上舜がクーパーメダルを獲得した日本が団体で銅メダルを獲得。
ウィメンズでソフィア・ムラノヴィッチが金メダルを獲得したペルーが団体4位に入っています。

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イタロを祝うケリー
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

2020年東京オリンピックの選手選考 アジア枠は村上舜

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村上舜
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

村上舜、和井田理央による2020年東京オリンピックの選手選考、アジア枠の争いはリパチャージR10で村上舜が勝ち上がり、和井田理央が3位敗退した時点で村上舜に決定。

「オリンピックの参加資格については考えず、ただヒートを戦うだけのサーフィンをしていました。2020年東京オリンピックについては楽しみにしています。自分が本当に出場出来れば凄い嬉しいです」

2年連続で4位クーパーメダルを獲得した村上舜。
多くのCT選手が参加した今年は昨年と全くレベルが違うため、4位以上の意味があると思います。
クールな外見に秘めた闘志とサーフィンの実力は文字通り世界レベルであり、休む暇もなく向かう次の戦いの舞台であるポルトガルでも注目を集めそうです。

なお、2020年東京オリンピックの選手選考において、『2019 ISA World Surfing Games』の優先順位は3番目のため、今回の結果は暫定的。
各大陸の選手、来年開催される優先順位2番目の『2020 ISA World Surfing Games』の結果次第では出場権が移行する可能性があります。

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一致団結して団体銅メダルを獲得した日本代表「波乗りジャパン」
PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

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そして、表彰台へ
PHOTO: ISA / Ben Reed

2020年東京オリンピック 各大陸の選手選考結果



メンズ
□アフリカ
ラムジ・バークヒアム(MAR)
□アジア
村上舜(JPN)
□オセアニア 
ビリー・ステアマンド(NZL)
□ヨーロッパ
フレデリコ・モライス(POR)

ウィメンズ
□アフリカ
ビアンカ・ベイタンタグ(RSA)
□アジア
松田詩野(JPN)
□オセアニア 
エラ・ウィリアムス(NZL)
□ヨーロッパ
アナト・ルロアール(ISR)

最後まで楽しませてくれたケリー・スレーター

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PHOTO: ISA / Pablo Jimenez

47歳最年長にしてファイナルデイまで残ったケリー・スレーター。
ファイナルデイでも前日に引き続きバレルをメイクするなど他の選手と違うアプローチで木崎浜の波を攻めていましたが、リパチャージラウンドの最後R12で惜しくも敗退。
2020年東京オリンピックに出場出来るかどうかは今年のCTの結果次第ですが、今回のイベントでの観客や彼を取り巻く全てのことを考慮する限り、「史上初のオリンピックとなるサーフィン」に必要な人物であることは間違いありません。

「世界中から集まった全ての参加国との交流は素晴らしかったよ。チーム同士の友情が全てであるこのイベントは本当に楽しかったね」

キング・ケリーのこの一言がISAイベントの素晴らしさを象徴していると言えるでしょう。

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ファイナルデイは1万人以上の観客が集まった!
Photo: ISA / Sean Evans

『2019 ISA World Surfing Games』結果


団体結果
1位 ブラジル
2位 アメリカ
3位 日本
4位 ペルー

メンズ個人結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 コロへ・アンディーノ(USA)
3位 ガブリエル・メディナ(BRA)
4位 村上舜(JPN)
...11位 大原洋人(JPN)
...13位 五十嵐カノア(JPN)

ウィメンズ個人結果
1位 ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)
2位 シルヴァナ・リマ(BRA)
3位 ビアンカ・ベイタンタグ(RSA)
4位 カリッサ・ムーア(USA)
...15位 松田詩野
...21位 前田マヒナ
...41位 脇田紗良 

国別対抗リレーレース
「アロハカップ」結果
1位 オーストラリア
2位 南アフリカ
3位 アメリカ
4位 日本

★『2019 ISA World Surfing Games』特設ページ


(ライブスコア配信、波乗りジャパン結果、注目ヒート情報など)
https://www.surfnews.jp/isawsg2019/




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