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『Quiksilver Pro France』&『Roxy Pro France』を制したのは?

2019-10-12 更新
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PHOTO: © WSL/Masurel

フランス南西部・ホセゴーで開催されていたCT第9戦『Quiksilver Pro France』並びにウィメンズCT第8戦『Roxy Pro France』が終了!

今年はハリケーンのウネリを始め、豊富な波に恵まれてフランスのビーチブレイクらしい戦いになり、連日2万人を超える観客が集結。
いよいよ大詰めとなった2019年のワールドタイトルレース、2020年東京オリンピックの選手選考、現地時間10月11日に迎えたファイナルデイは「La Graviere」でのバレル勝負となり、ジェレミー・フローレス(FRA)&カリッサ・ムーア(HAW)が優勝!

ジェレミーがフランス人として初めて自国のイベントで優勝

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ジェレミー・フローレス
PHOTO: © WSL/Masurel

メンズのCT第9戦『Quiksilver Pro France』はR4(Round of 16)から再開され、2つのヒートを同時進行する「オーバーラッピングヒート」を利用。
ウィメンズを含めると18ヒートが一気に進行していました。

そんな中、ジェレミーはランキング3位のジョーディ・スミス(ZAF)とのオープニンングヒートで一本目からバレルをメイクして観客を魅了。
ジョーディをコンビネーションスコアに追い込んだ勢いは衰えるどころか加速してQF、SF、そしてファイナルと全てのヒートで最もディープなバレルをメイク。
ライアン・カリナン(AUS)、ジャック・フリーストーン(AUS)、最後はイタロ・フェレイラ(BRA)でさえ手も足も出ない状況に追い込み、まさにジェレミーの独り舞台、ジェレミーの日でした。

「ビーチにいる全てのファンに本当に感謝するよ。あなた達は最高の年、最低の年を問わず、いつも私を支えてくれていた。本当にあなた達がいなければ今日ここに自分はいないと思うよ。そして、この勝利をピエール・アグネス(ジェレミーの長年のスポンサー、昨年遭難事故で亡くなったボードライダーズCEO)に捧げる」

1980年代からの長い歴史があるフランス戦ですが、意外にも自国の選手が優勝するのは初。
ジェレミー自身も10回以上の出場でようやく手に入れた自国での勝利。
CTでは2017年の『Billabong Pipe Masters』以来、4度目の優勝です。



「全てのファイナリストを称えたい。特にこのLa Graviereでのサーフィンのレベルを一段と上げたウィメンズにね。本当に見ていた楽しかったよ。正直、このイベントで優勝したら引退しようと思っていたんだ。それだけ勝つことを夢見ていたイベントだった。でも、今の気持ちはまだ少し引退には早い。来年また一勝を重ねたいって考え直しているよ」

今年はバリ島でのファイナル進出2位、タヒチでの5位以外、全てR3以下の結果だったジェレミーでしたが、今回の優勝でランキング9位まで浮上。
トップ10が条件である2020年東京オリンピックの枠も狙えるポジションになってきました。

イタロが2位でジリジリと追い上げる

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イタロらしいエアーでファンを熱狂させた
PHOTO: © WSL/Poullenot

サーフランチでのCT第8戦『Freshwater Pro』でワンツーフィニッシュを決めたブラジリアンのガブリエル・メディナがR4、フィリッペ・トレドがR3で敗退。
ランキング5位だったイタロにとって差を縮めるチャンスとなり、見事にファイナルに残ってコロへ・アンディーノ(USA)を追い越し、ランキング4位まで浮上。

「ジェレミーとファイナルを戦えてとても嬉しいよ。彼にはおめでとうと言いたい。自分にとってクレージーな一週間だった。この結果は数日前に亡くなった叔父に捧げるよ。人生はクレイジーさ。次のイベントのポルトガルが楽しみだね」

ランキングでは1位のガブリエルと2位のフィリッペとの差は広がったものの、3位のジョーディ、4位のイタロ、5位のコロへまではタイトルを狙える圏内。
残り2戦、恐らく、次のポルトガル戦の前にはWSLからタイトルのシチュエーションが発表されると思いますが、タイトル争いは最終戦のハワイに持ち越されるでしょう。

なお、今シーズン2度目の17位となった五十嵐カノア(JPN)はランキング6位を維持。
2020年東京オリンピックの枠獲得は固いと予想されます。

ウィメンズはカリッサがタイトルに王手!

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PHOTO: © WSL/Masurel

ウィメンズのCT第8戦『Roxy Pro France』は前日までにベスト4が決まっていたため、ファイナルデイはSFとファイナルのみ。
メンズで一番波が見えていたのがジェレミーだとすれば、ウィメンズは確実にカリッサでした。

キャロライン・マークス(USA)とのファイナルではライト、レフト共に綺麗にバレルをメイクしてトータル17.60。
バレルになる波を見つけられず、ロースコア止まりだったキャロラインをコンビネーションに追い込んでの圧勝で今シーズン2勝目。
これまで全てのイベントでQF以上をメイクしているカリッサはランキングでも2位のレイキー・ピーターソン(USA)との差を広げ、4度目のワールドタイトル獲得に王手!

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カリッサのバレルライド フランス戦はファンとの距離が近いのが魅力
PHOTO: © WSL/Poullenot

「これまでのところ、本当に特別な一年になっているわ。毎年、毎イベント、全てのことで多くのことを学んでいるように感じるけど、夫のミッチ・ロスの支えや、素晴らしいチーム、家族、友人、スポンサー、ファンのお陰で今回は間違いなく特別なイベントになったわ。このLa Graviereではあまりサーフィンした経験がないので期待していなかったの。二本のバレルを手に入れて目の前で応援してくれた観客と喜びを共有出来たことは特別だったわ」

CTでは通算23勝目、フランス戦ではステファニー・ギルモア(AUS)と並ぶ3度の最多優勝記録を決めたカリッサ。
毎年、ポルトガルとハワイは良い結果を残しているので、今年のワールドタイトルも固いと言えるでしょう。



次のCTは10月16日〜28日にポルトガルで開催される『MEO Rip Curl Pro Portugal』
メンズは第10戦、ウィメンズは第9戦。舞台は首都・リスボンから車で約1時間のペニシェ「Supertubos」です。

CT第9戦『Quiksilver Pro France』結果
1位 ジェレミー・フローレス(FRA)
2位 イタロ・フェレイラ(BRA)
3位 ジャック・フリーストーン(AUS)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
5位 ライアン・カリナン(AUS)、マーク・ラコマー(FRA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、コロへ・アンディーノ(USA)

ウィメンズCT第8戦『Roxy Pro France』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 キャロライン・マークス(USA)
3位 レイキー・ピーターソン(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)
5位 マリア・マニュエル(HAW)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)

2019 Men’s Championship Tour
『Quiksilver Pro France』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 48,015pt
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 45,730pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 43,515pt
4位 イタロ・フェレイラ(BRA) 42,400pt
5位 コロへ・アンディーノ(USA) 41,250pt

2019 Women’s Championship Tour
『Roxy Pro France』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 57,260pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 49,935pt
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 46,815pt
4位 キャロライン・マークス(USA) 46,020pt
5位 コートニー・コンローグ(USA) 41,080pt

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