『Meo Rip Curl Pro Portugal』開幕!五十嵐カノアがオリンピック出場権を獲得!
2019-10-18 更新
PHOTO: © WSL/Masurel
フランス南西部・ホセゴーでの戦いを終えたツアー一行は次の目的地であるポルトガル西部・ペニシェへ。
現地時間10月17日、CT第10戦『Meo Rip Curl Pro Portugal』が「Supertubos」で開幕!
今年は初めてウィメンズCT第9戦が併催、今までウィメンズのポルトガル戦はカスカイスが会場になっていましたが、近年のレベルアップでバレルメインの「Supertubos」でもイベントが開催可能と判断。
今年から賞金も男女平等となり、サーフィンのレベル的にも差が縮まりつつあるのが世界のサーフィン界なのです。
ワールドタイトルのシナリオ
PHOTO: © WSL/Masurel
ポルトガルを含めと残り2戦となった2019年のCT。
イベント直前にはワールドタイトルのシナリオが発表されました。
まず、メンズはポルトガルでタイトルが確定出来るのはトップのガブリエル・メディナ(BRA)のみ。
それを阻止出来るのはフィリッペ・トレド(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コロへ・アンディーノ(USA)の4名。
ガブリエルはファイナル進出がポルトガルでのタイトルの条件。
SF前に敗退した場合、タイトルレースは最終戦に持ち越されます。
もし、ガブリエルが2位になった場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
フィリッペがR3(Round of 32)かそれ以前に敗退。
ジョーディがQFかそれ以前に敗退。
イタロがR4(Round of 16)かそれ以前に敗退。
コロへがQFかそれ以前に敗退。
もし、ガブリエルが優勝した場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
フィリッペがR4(Round of 16)かそれ以前に敗退。
ジョーディがファイナルかそれ以前に敗退。
イタロがSFかそれ以前に敗退。
コロへがファイナルかそれ以前に敗退。
PHOTO: © WSL
ウィメンズはトップのカリッサ・ムーア(HAW)のみポルトガルでタイトルを確定出来ます。
それを阻止出来るのはレイキー・ピーターソン(USA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、キャロライン・マークス(USA)の3名。
カリッサはSF進出がポルトガルでのタイトルの条件。
QF前に敗退した場合、タイトルレースは最終戦に持ち越されます。
もし、カリッサが3位になった場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
レイキーがR3(Round of 16)かそれ以前に敗退。
サリーがファイナルかそれ以前に敗退。
キャロラインがSFかそれ以前に敗退。
もし、カリッサが2位になった場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
レイキーがQFかそれ以前に敗退。
キャロラインがファイナルかそれ以前に敗退。
もし、カリッサが優勝した場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
レイキーがSFかそれ以前に敗退。
初日のタイトルコンテンダーの結果
コンテスト初日のペニシェ「Supertubos」はオーバーヘッドの十分な北西ウネリがあったものの、朝からオンショアで難しいコンディション。
スコアに結び付くようなバレルは数えられる程度で基本的には、エアリアル勝負。
30分ヒートで10本以上乗った選手が多く、’質より量’でスコアを重ねていくようなラウンドに。
メンズ、ウィメンズ共にR1(Seeding Round)のヒートが全て終了しました。
メンズではガブリエルがジョアン・ドゥルー(FRA)、ワイルドカードのミゲル・ブランコ(PRT)を相手にバックハンドでフルローテーションエアーをメイクして8.17のハイエストスコア。
初日に8ポイント台を出したのはガブリエルただ一人、二人をコンビネーションに追い込んで圧勝。
「あちこちで波が割れるから難しいヒートになると思っていたよ。とにかく多くの波に乗ろうとして一本だけ凄い良いエアーに成功したのさ。それがは基本的にバックアップを探すことに徹したよ。この10年間、いつもワールドタイトルのチャンスがある立場でこのポルトガルに来ているのは面白い。気分は良いさ。ここでタイトルを決めるのには大きな結果が必要だと分かっている。だから、ここで決めるよりもハワイだと心の準備をしているよ。自分のことだけに集中して今後もヒートを勝ち続け、ライバルに差をつけたいね」
ガブリエルにとってポルトガルは2017年に優勝経験があり、昨年も3位に入った相性の良い場所。
今年の後半戦の勢いを考えれば最終戦を待たずに決めてしまうのでは?と予想しているファンも多いでしょう。
R1ではガブリエルのライバル、フィリッペ、ジョーディ、イタロ、コロへも揃ってラウンドアップ。
まだまだレースは始まったばかりです。
ウィメンズは一波乱ありの初日
ウィメンズのタイトルコンテンダーはカリッサを始め、サリー、キャロラインがラウンドアップを決めた一方、レイキーはルーキーのメイシー・キャラハン(AUS)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)とのクロスゲームに敗れ、敗者復活戦行き。
まだゲームは続くものの、一波乱ありの初日でした。
「コンテストの前はナーバスになったけど、リズムに乗って自分の想い通りの仕事が出来て悪くないスタートが切れて興奮しているわ。フランスでの優勝の勢いを維持してヒートに勝ち、次のラウンドに進むことが出来て嬉しい。ワールドタイトルを獲得する前にやるべきことは沢山あると感じている。何年もこのイベントを見てきたけど、何が起こるか分からない。だから、現実的にはここで決めるよりも最終戦のマウイ島に持ち越されると考えているわ。今年の他のイベントのようにベストを尽くして楽しむつもりよ」
ここまでの8戦中、優勝が2回。他も全てQF以上をメイクしているカリッサ。
ポルトガルでのタイトル確定の条件はやや厳しいながら、最終戦のハワイに持ち越したとしても4度目のワールドチャンピオンの可能性は非常に高いと言えるでしょう。
なお、サプライズで妹が来場、これでカリッサのギアも一段上がるのでは?
五十嵐カノアが2020年東京オリンピック出場権を獲得!
2020年東京オリンピックの選手選考も兼ねている2019年のCT。
メンズ10名、ウィンメンズ8名で各国最大2名の枠が用意され、すでにフランス戦ではジョーディ・スミスが南アフリカ代表、サリー・フィッツギボンズ、ステファニー・ギルモアがオーストラリア代表として確定していました。
そして、ポルトガルでのR1が終了した時点でランキング6位の五十嵐カノアが日本代表として確定。
「オリンピックに日本代表として出場出来ることを光栄に思うよ。条件をクリア出来るか心配して行方を考えた長い一年だった。でも、全て上手くいって嬉しいね。来年はオリンピックという新しい目標を楽しみにしている。もちろん、狙うのは優勝さ。今日のニュースで一歩近づいた。オリンピックの出場権を得たことや、私たちのスポーツと母国での晴れ舞台に参加出来ることを誇りに思う」
現在22歳のカノアは、日本人の両親がアメリカに移住した後にカリフォルニアで生まれ、ハンティントンビーチで3歳からサーフィンをスタート。
2016年にCT入りを果たし、2018年には2020年東京オリンピックの代表を視野に入れ、CTでの登録をアメリカ国籍から日本国籍に変更。
恐らく、オリンピック出場枠の獲得には相当のプレッシャーがあったと思いますが、見事にクリアしました。
congrats to Kanoa!
ネクストコールは現地時間10月18日の午前8時(日本時間の同日16時)
オフシャルフォーキャストの「Surfline」によると北西ウネリが続き、朝は風が弱い予想。
週明けはスモールになる予報のため、それまでにヒートを進める可能性があります。
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