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『Meo Rip Curl Pro Portugal』3日目 タイトルレースは最終戦へ!

2019-10-21 更新
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ガブリエル・メディナ
PHOTO: © WSL/Poullenot

ポルトガルの首都・リスボンから車で約1時間、素朴な漁師町ペニシェの「Supertubos」で開催中の『Meo Rip Curl Pro Portugal』は1日のレイデイを経た現地時間10月20日に公式3-4ftレンジのクリーンなコンディションでウィメンズのR3(Round of 16)から再開。
全てのヒートが終了してQFを戦うベスト8が決定した後、メンズのR4(Round of 16)が行われ、同じくベスト8が決定。

ウィメンズはタイトルコンテンダーのカリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、キャロライン・マークス(USA)、全てが残ったためにポルトガルで決まる可能性がありますが、メンズはガブリエル・メディナ(BRA)がこのラウンドで敗退したため、最終戦のパイプラインに持ち越されることに。
更にタイトルコンテンダーのフィリッペ・トレド(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、イタロ・フェレイラ(BRA)、コロへ・アンディーノ(USA)とガブリエルを除く4名が全てQF進出。
最終戦を前にポイント差が縮まる可能性があり、ハワイでのクライマックはより緊迫したものになりそう。

フィリッペが残り、ガブリエルが去る

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PHOTO: © WSL

フランスではR3(Round of 32)でガブリエルが勝ち、フィリッペが敗退。後半戦のガブリエルの勢いと腰痛を含めたフィリッペの失速でタイトルレースはガブリエルが有利な展開と思われていましたが、ポルトガルでは逆の立場になっています。
それもガブリエルはカイオ・イベリ(BRA)とのカードで圧倒的な強さを見せながらも後半にインターフェアを犯しての敗退。2戦続けての9位と嫌な流れに...。
ブラジリアン同士、スコア的にもエキサイトするような場面ではなかったのですが、タイトルのプレッシャーが焦りとしてミスに繋がったのかもしれません。

「直前に自分はライトの波に乗り、彼は確かレフトの波に乗っていたんだよね。二人共乗った後、自分の方が先にラインナップに戻り、プライオリティを得たと思っていたよ。沖のラインナップで彼が凄い近くに寄ってきたんだ。そしてあの波が入る。自分はプライオリティを持っていたので、一生懸命パドルしただけさ。彼があのような間違いをしないことは分かっていたから、テイクオフした時には自分が間違っているのかと思ってしまったね。ガブリエルはワールドチャンピオンだし、本当に尊敬している。サーフィンに関しては彼が確実に勝っていたけど、自分の運が優っていたようだね」

今シーズン、リプレイスメントとして全てのイベントに出場しているカイオですが、マーガレットリバーでの3位、タヒチでの5位を除くと全てR3までで敗退しており、リクオリファイにはギリギリ届かないランキング23位。
タイトルレースに注目が集まる一方、シーズン後半は来年のツアー残留をかけての戦いも白熱。ここで一つでも勝ってポイントを稼いでおきたいところでしょう。



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フィリッペ・トレド
PHOTO: © WSL/Poullenot

ジョーディ、イタロ、コロへにもチャンスがあるとはいえ、ポイント差からガブリエルの最大のライバルであるのはフィリッペです。
ウェイド・カーマイケル(AUS)とのカードでは腰痛をかばいながらもパワフルなターンとエアーリバースで2本の7ポイントをマークして圧勝。

「全てのヒートを見てタイトルレースのシナリオも把握している。もちろん、自分が置かれている状況も含めてね。まだ腰痛は治っていないけど、戦略を工夫するなど完璧ではない体調をカバーしながらベストを尽くしているよ。今日はかなり落ち着いていて自信もあった。恐らく、このイベントが始まってから初めてのことかな。タイトルをハワイに持ち越せたのは嬉しいね。関係する全ての人にとって面白くなったし、自分が回復するための時間も少し増えたよ」

フィリッペとしてはこのポルトガルで良い結果を残すことはもちろん、苦手なパイプラインを克服するという課題も残されています。
ワールドタイトルを獲得するのに決して避けては通れない最大の難関をどう突破するのかにも注目しましょう。



五十嵐カノアがケリーを倒す!

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五十嵐カノア
PHOTO: © WSL/Poullenot

R4のゴールデンカードでもあった五十嵐カノア(JPN) vs ケリー・スレーター(USA)は両者共にスコアを伸ばせず、シーソーゲーム。
カノアがリードした状況でケリーは後半にクラシックなフローターを成功させますが、僅か1.43ポイント差でカノアに軍配が上がりました。

R3で親友のレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、R4で尊敬するケリーを倒して勢いに乗っているカノアの次の対戦相手はフィリッペ。
CTでは因縁の対決と言われている二人のカードは見逃せません。

その他、R3でのビッグエアーでここまでのハイエストスコアを持ち、このラウンドではスーパーマンエアーを2度も成功させたルーキーのピーターソン・クリサント(BRA)、ジャック・フリーストーン(AUS)がQF進出。
ディフェンディングチャンピオンのイタロが密かに勢いを増しているので、特にエアー勝負となれば誰よりも怖い存在になりそうです。



ウィメンズのベスト8&2020年東京オリンピックの2枠が決まる

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タティアナ・ウェストン・ウェブ
PHOTO: © WSL/Poullenot

ウィメンズのR4ではタイトルコンテンダーの4名の他、ステファニー・ギルモア(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)がベスト8入り。
そして、ポイント差から2020年東京オリンピックの2枠が新たに決定。タティアナ・ウェストン・ウェブがブラジル代表、ジョアン・ディファイがフランス代表に選ばれています。

「ブラジル代表として初めてオリンピック出場を決めたことに興奮しているわ。それは本当に名誉なことであり、言葉では言い表せない。ブラジル代表になれて誇りに思うわ。私の生まれた場所であり、いつも心がそこにあるの。もちろん、ハワイは私が育った場所であり、サーファーとして成長させてくれた大切な場所よ。昔からオリンピック出場は夢だったけど、サーファーとしては不可能だと思っていたの。でも、オリンピックにサーフィンが選ばれた今、CTのトップ10(実際はトップ8)でその出場権を得ることが出来た。昔、母と一緒にオリンピックを見ている時に言われた言葉を今でも覚えている。’不可能なことはない。だから、大きな夢を持ちなさい’とね。今それが実現したわ」

カノアと同じようにオリンピックを視野に入れて登録をハワイから母の母国であるブラジルに変更していたタティアナ。
ツアー5年目ながらまだ23歳の若く美しいグーフィーフッターが2020年東京オリンピックでも魅せてくれるでしょう。

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カリッサ・ムーア
PHOTO: © WSL

なお、ウィメンズはカリッサがポルトガルで4度目のタイトルを確定する可能性があり、条件はSF進出以上。
シナリオは以下の通り。

もし、カリッサが3位になった場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
サリーがファイナルかそれ以前に敗退。
キャロラインがSFかそれ以前に敗退。

もし、カリッサが2位になった場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
レイキーがQFかそれ以前に敗退。
キャロラインがファイナルかそれ以前に敗退。

もし、カリッサが優勝した場合、以下の条件が揃えばタイトルが確定。
レイキーがSFかそれ以前に敗退。

ネクストコールは現地時間10月21日の午前8時(日本時間の同日16時)
オフシャルフォーキャストの「Surfline」によると北西ウネリは弱まる傾向となり、24日まではスモールコンディション。
ウェイティングピリオド後半の25日に新しい北西ウネリが入る予想なので、それまではレイデイが続く可能性があります。

WSL公式サイト

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