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「2019年スリランカ20周年の旅⑤」

2020-02-07 更新
仲間と共に誕生させたスリランカ発のサーフショップの20周年として当時のことを振り返っている「2019年スリランカ20周年の旅」も今回で5話目。

前回は具体的な行動を起こす前にタイに調査に行った話でしたが、今回はスリランカに戻って着工から完成まで。

夢が現実になるまでの話をお届けします!




いよいよ着工



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タイからスリランカに戻ると僕らは早速ショップを作るべく工事を始めた。

相棒のマンボーはビーチにレストランとコンクリート製の倉庫を持っている。
スリランカ発のサーフショップはこの倉庫をリニューアルして使う計画だった。

工事といっても日本だったら工務店の人を呼び、イメージを説明して立体的な絵や設計図を作ってもらって...という流れで進んでいくが、スリランカ?いやマンボーは違った。
彼は全て自分の頭の中で思いついたイメージを僕に相談してきて、僕がOKを出すと大工を呼んできて図面もなしに口頭で指示を出す。
そして、大工と一緒になってマンボーやローカル達が一緒に作業をするのだ。

タイル屋、電気屋も同じ手順だった...。

図面をすっ飛ばしたことには驚いたが、職人は手抜きやチョンボは一切できない。

材料も自分達で調達してきて作業だけを専門家にやってもらうからコストが安い。
経費は僕がその都度払っていたのだが、あまりにも細かい上にレシートや領収証は全てスリランカ語で書いてあるので途中から帳簿をつけることが出来なくなってしまった(笑)

結局総額は僕の貯金から下ろした分という計算だ。
もう、僕の頭も完璧に南国仕様になっていた...。

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(当時のハルさん)

A Frame Surf Shopの誕生



サーフショップの完成が近づくと、次に並べる商品の準備もしなければならなかった。

まず、一流のサーフグッズを輸入しようとオーストラリアやアメリカからサーフボード、リーシュ、ワックスなどを輸入することにした。

次にサーフボードだが、これは関税がやたらと高く、輸入の際にかかるコストを含めると販売価格がとても高くなってしまう。
この国で日本と同じ値段でボードを売るのは難しい。
当時、バリ島で見た値段を参考に値付けをしたが、それでは利益が出せそうになかった...。
しかし、サーフボードのないサーフショップなどあり得ない。
そこで僕はいろいろと考えたのだ。

ある日、マンボーにチャミーというバドゥラ出身(スリランカの地方都市)のあどけない顔をした20歳の青年を紹介された。
チャミーはパソコンが大好きで、見るからに真面目そうだった。
彼に日本から持ってきたパソコンを見せると目を輝かせてパチパチといじり始め、こう言った。

「ハルさん、僕はPCのことなら大体なんでもできるよ!」

その一言で僕はこれだ!と思った。
自分達でTシャツや海パンをデザインしてスリランカ国内で作って売れば、ツーリストたちに買って貰えるかもしれない!

チャミーも任せてくれ!と言う。
店の前でブレイクするメインポイントの波が三角波にブレイクするので、店名を△をイメージした『A Frame Surf Shop』と名付けた。

当時は「A Frame」ってどういう意味なの?とほとんどの人に聞かれるほどサーファーに浸透している言葉ではなかったから、聞かれるたびに説明するのがちょっと得意になっていた。

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(左から2番目がチャーミー 右端がハルさん)

スリランカで物作りができれば、輸入コストなんてないので、それなりの利益が見込める。
毎日チャミーが操るPCの横でアレコレと言いながら想いを込めてTシャツや海パンのデザインを作った。
デザインができるとチャミーと僕はコロンボの工場へ足を運んで商談をした。こうして、ひとつひとつ問題をクリアにしながら着々と準備が進んでいった。
手元に少しお金が残ったので、店の2階に海が見渡せる少しゴージャスなゲストハウスも作った。

この時期のヒッカドゥワはオフシーズン(4〜10月)で朝も夜もサイドオンの風が強く、コンディションが整わないのだが、たまに風がぴたりと止みコンディションが整う。
そういう時はみんなでワイワイとサーフィンに明け暮れていた。

そして、着工から2ヵ月後の1999年11月13日、ついに『A Frame Surf Shop』と『Mambo Guest House』1号室が完成した。
マンボーを始め、ヒッカドゥワのローカルサーファー達、日本の僕の家族や友人達、コロンボに住む松永さん、みんなの協力がなければ成しえないことだった。

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(夢が形になった)

続く。

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