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「2019年スリランカ20周年の旅⑦」

2020-02-22 更新
旅の達人、ハルさんこと福島晴之氏のコラム、『One Earth』

7話目となる今回の 「2019年スリランカ20周年の旅」は趣向を変えてスリランカの恋愛事情をハルさんが自身の体験談を元に語る興味深い回。

約20年前とはいえ、日本ではあり得ないような習慣が残っていたスリランカ。
飛行機の中での偶然の出会いがまさかこんな展開になるとは...。




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(スリランカの仲間達)

今回は少しサーフィンとは話題が離れるが、僕から見たスリランカ人の恋愛事情について書いてみようと思う。

当時の僕はスリランカに店を作ると決め、心が少し浮ついていた。

日本からスリランカに行く飛行機の中でたまたま綺麗なスリランカ女性が僕の近くに座っていた。
向こうは一人のようだったし、僕も一人旅だったので会釈をするとフレンドリーな笑顔で返してくれた。

彼女の席の隣が空いていたので度胸を決めて「隣に座って良いですか?」と聞くと「OK.」の答えが。
日本に暫く住んでいたそうで彼女は日本が大好きだという。

スリランカとローカル達が大好きだというところからお互いに話が盛り上がり、楽しい時間が過ごせた。

「近くに来る機会があったら寄ってみて!」と一応店を作る予定のヒッカドゥワの住所を教えてコロンボの空港で別れた。

1週間後、彼女から電話がかかってきた。

「近くにいるから遊びに行くわ」

正直、ほんとに来ると思わなかったのでびっくりした。 
マンボーの家を訪ねてきたのは、彼女と彼女のお母さんだった。
僕はマンボー、チャミー、友達を紹介したが、なんとなく日本でのようなノリではないことに気が付いた。
そして、10分くらい滞在して少しだけおしゃべりをするとすぐにコロンボへ帰って行った...。

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(スリランカはリゾート地でもある)

それから1か月の間に同じようなことが2回ほど続いた。

それを見ていたローカル達に「ハルさん、あの子と結婚する気がないならハッキリ言わないと自殺するよ」と冷やかされた。

「え?だって手も繋いだことないよ」と返す。

しかし、ローカル達はニヤニヤと僕のことを見つめるだけだった...。
良く話を聞くとスリランカでは男女が一緒にパーティをしたり遊んだりする風習がないそうで、僕のような行為はもう結婚を前提にしたお付き合いらしい。

案の定、次の電話が鳴った時に彼女から「母があなたと結婚するように勧めてくるの」と言ってきた。
僕は正直にお互いのことを全く知らないのにいきなり結婚は無理だということと日本人としての男女感についてのことを詳しく説明して謝った。

電話の向こうで数秒間、沈黙が続いた。
それは僕にとって永遠のように気まずく長い時間に感じた。

「分かったわ」と残念そうに彼女が言うと電話が切れた。
それから彼女からは二度と電話がなることはなかった...。

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(スリランカにはこんな極上の波が沢山ある)

スリランカの女性は彫が深く美人が多い。
しかし、スリランカ女性との恋愛や交友は軽々しく考えてはいけないようだ。

外国人の僕となんですぐに結婚しようなんて思ったのだろうかと考えた。
残念だけど僕がモテたのではなく、僕が日本人ということで好意を抱いてくれたのかもしれない。

先日、スリランカ人恋愛観とネットで検索してみた。
首都コロンボは少しずつ自由恋愛が増えつつあるが、地方はいまだに許嫁(いいなずけ)システムや占いによって結婚が決められるらしい。

スリランカには恋愛だけでなく、日本ではもう昔話のようになった風習が色々と残っている。
それが懐かしく、素晴らしい助け合いであったり、とても面倒なことであったりもするのだ...。

続く。

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