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ムスリム女性専用の特注ウエットスーツ「Seasuit」とは(WSMコラム)

2020-05-21 更新
Seasuit
via vimeo

暮らしている場所や信仰している宗教などといったバックグランドが異なれば、生活様式や守らなければならないルールは全く異なります。

ビキニ着用で海に入るサーファーガールがいる一方、肌の露出自体が禁じられているケースもあり、対象となっているのが女性イスラム教徒。

その女性イスラム教徒もサーフィンができるようにと、イギリスのサーフブランド「Finisterre(フィニステア)」がイスラム教のカルチャーに配慮したウエットスーツ「Seasuit(シースーツ)」を開発しました。

シースーツ開発のきっかけとなったのは、フィニステアでアンバサダーを務めるイースキー・ブリットンがサーフ関係のドキュメンタリー撮影のため、2010年と2013年にイランを訪れた経験がきっかけとなります。

イランで女性がサーフしなかった理由の一因

2013年までの時点では、女性サーファーのコミュニティがほとんど存在しなかったイラン。

一方、同じく横乗りのスノーボーダーやスケートボーダーに関しては、主に都市部においては一定数は存在したとのこと。

女性がサーフしない理由の一因は、海の中でもヒジャブ(頭髪を隠すスカーフのようなもの)など着用しなければならないためで、ムスリム(アラビア語でイスラム教の信者のこと)向けのウエットスーツは存在しませんでした。

そこで、無いのならば作ってしまおうとイースキーは考え、自身のスポンサーであるフィニステアに相談してプロジェクトがスタート。

フィニステアは機能性や安全面を考慮したウエットスーツを製作しようと、ファルマス大学やプリマス大学のプロダクトデザイナーの力を借り、実に6年と言う歳月を経てシースーツの完成に至りました。

イランにおけるサーフシーンの現状


イースキーという存在によりイランにおける女性サーファーの種がまかれ、シースーツという専用のウエットスーツまで誕生。

そんなイランにおけるサーフシーンの現状は、昨年2019年に中国で開催されたアジアン・サーフィン・チャンピオンシップに国内女性チームが初出場することに。



ここまで大きな波を引き起こすことになるとはイースキー本人も想像していなかったと思います。

イランの女性サーファーたちが今後さらなる波を引き起こし、ISAイベントで活躍したりといったインパクトを残すことになるのか注目です。


Into The Sea | The Finisterre Seasuit Project from Finisterre on Vimeo.



参照記事「Into the Sea | The Finisterre Seasuit Project

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