非会員上部PR枠用
 

「2019年スリランカ20周年の旅 最終章スリランカ編」

2020-07-24 更新
旅の達人、ハルさんこと福島晴之氏のコラム『One Earth』
「2019年スリランカ20周年の旅」も今回がいよいよ最終回です。

スリランカ発のサーフショップ、『A Frame Surf Shop』の誕生から20周年を記念した友人とのサーフトリップ。
前回のモルジブから最終目的地のスリランカへ向かったハルさん一行。

20年前には想像もしなかった光景を前にハルさんも感慨深かったようです...。

11月18日

2020715one2
(ゲストハウスからみたブレイク)

夕方の便で僕達4人はマーレからスリランカのコロンボへ向かった。

空港で出迎えてくれたのは1秒でずぶ濡れになるほどの強烈なシャワーだった...。
そして、友人のドライバー、サンパが笑顔で迎えてくれた。

空港から高速に乗ると二時間半、その昔に馴染んだ景色が目に入ってきた。
ヒッカドゥワに到着した車から降りると真っ先にのレストラン、ショップ、そしてビーチに急いだ。
懐かしい時間が次々と蘇る。久しぶりに故郷に帰ってきた感覚だった。
人懐っこい笑顔でローカル達が迎えてくれた。

赤ちゃんだった子供たちが今ではムキムキのマッチョになっていたりする...。
「ハルさーん」と声を掛けられても誰だか分からなかったほどだ。

2020715one
(おしゃれなバーも多いヒッカドゥワ)

しばらくするとマンボーが登場した。

スリランカのサーフシーンのリーダーとなったマンボーは相変わらず人を魅了する風格があった。
夜遅くまでパーティだぁ!と思いきや、ウェルカムビールを飲むと疲れと酔いでソファーに崩れ、瞼に鉄アレーを乗せられたようになって朝まで寝てしまった。 

朝早く目を覚ましてゲストハウスからサーフポイントを見ると無人の海にまさにA Frameの波がブレイクしていた。
一瞬で目が覚さめたので、みんなを起こして海に向かった。
アーリーシーズンなのに面ツルの最高の波だった。
途中でサーファーが数名入ってきたが、1本の波をレフトライトで乗ればみんなで譲り合える快適さだった。

2020715one10
(世界遺産のゴール・フォート)

11月19日

2020715one3
(まるで天国のようなメリッサ)

翌日は朝から車に乗り、南にあるサーフポイントのメリッサを訪れた。

ここも僕にとってはとても思い入れのある場所だ。
スリランカに初めて来たときに友人になったローカルのハルシアがサーフィンを初め、海外から来るサーファー相手にレストランを作り、今ではゲストハウスまで経営している。

ハルシアのレストランに荷を下ろすと目の前のポイントで存分にサーフィンを楽しんだ。
ピークは多少ずれるが、ライトのポイントブレイクで良い波をキャッチすれば長い距離を楽しめる。掘れる波ではないけど誰もが楽しめる良い感じの波だ。
そして、誰もがこの絵葉書のようなロケーションにうっとりするのだ...。

お昼をハルシアのレストランで済ませると、その足で更にに4時間ほど車を走らせてサファリのあるYalaへ向かった。

2020715one4
(サファリの景色)

2020715one7
(野生の象)

動物好きの僕はスリランカのサファリをみんなに見せたかった。
僕らはこのエリアに一泊して翌朝にランドローバーに乗ってサファリエリアを探検する予定だ。
この日の宿はジャングルの真ん中に立地するバンガロー。

敷地のまわりは電気の通った有刺鉄線で囲まれているので、危ない動物は入ってこないという。
オーナーの作ったカレーを食べ焚火を囲んで最高のジャングルナイトを満喫した。
普段日本で生活している僕らには物凄い所に来た感が強かった...。

2020715one5
(サファリの夕方)

11月20日

2020715one6
(サファリにはワニもいる)

翌朝、まだ薄暗い時間にランドローバーに乗るり動物を探しにジャングルを探索した。

バッファロー、象、サル、ワニ、イノシシなど色々な動物に遭遇した。
観光客が増えたと言えど、Yalaの壮大な景色は昔と変わっていなかった。
日が高くなりだすと動物たちはジャングルの奥深くへと移動してしまう。
僕らも探索を切り上げて帰路につくことにした...。

2020715one9
(近年発見されたレフト)

Yalaサファリから戻る途中に近年発見されたレフトのポイントがあるらしく、そこで1ラウンドやることになった。
少し混雑していたが、メリッサの波をレフトにした感じの掘れないロングライド可能な波だった。

ヒッカドゥワに帰る道はビーチ沿い、スリランカもこの10年間でサーファーが増え、沢山のポイントが開拓されている。
その昔、誰も入っていなかったポイントにもローカルサーファーが育っている。

車から見るその光景は僕にとってはタイムスリップのようだった。
ヒッカドゥワに到着した頃には辺りは暗くなっていた。疲労で少しフラフラだったけど、僕はひとりビーチ沿いのレストランをハシゴした...。

2020715one8
(スリランカといえばスパイス)

20年前に少年だったローカル達がレストランを経営しているのだ。

その1軒1軒を訪れ、全部で5軒もあった。
マンボーも自分が経営していたレストランを弟達に任せ、自分は新たに別の場所でレストランを経営している。

あまりにもみんなが立派になっているのとそこに自分が関与できたこと。それがあまりにも嬉しくて気が付くと涙が溢れていた...。

20年前にスリランカに来てみんなと会えて良かった
自分の人生の中で一番の出来事と言っても過言ではない。
この奇跡のような出来事に僕はいまでも感謝を忘れない。

そして、翌朝もその次の最終日もヒッカドゥワのメインポイントは良い波に恵まれた。

ところで僕が世界でどこの波が一番好きか?って聞かれたら沢山の思い入れがあるこのヒッカドゥワのメインポイントって答えるだろう。

終わり


スリランカに初のサーフショップ「A-Frame」を仲間と共に立ち上げた、ハルさんこと福島晴之氏。
そして、初めてスリランカを訪れてから20周年となる2019年の旅を、これまでの歴史を振り返りながら全21話でお届け頂きました。

BCMサイトにて、長らくお届けしてきた福島晴之氏のコラム『One Earth』も、この最終章をもって一時お休みとなります。
長らくご愛読いただきありがとうございました。
次章のストーリーは、また別の形でお届けすることになるかと思います。それまで再会をお楽しみに!

コラム「One Earth」一覧へ


※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。