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「雑草というのはものすごく努力をしている」- F+(エフプラス)

2020-08-24 更新
エフプラス

Text by つのだゆき、Photo by snowy

オリンピック会場内の道路のど真ん中、センターコートに孤高にも凛と立つクローバー。すごいな。

毎日毎日、暑いなぁ、と思っている。明らかに昭和の夏より暑い。殺人的暑さ。
ここの所日々のルーティンは全く同じで、朝5時起き、犬の散歩、帰ってきて庭の水やり、草むしりを少し。スイッチ入っちゃうと熱中症に一直線なので、小さくブロックを区切って1時間半から2時間ぐらいでやめる。
家に入るとたいていは8時半ぐらいで、犬猫共々朝食、録画した2時間ドラマでゴロゴロ、同時進行で掃除、洗濯、そうこうしているうちにもう昼になる。
そこからちょっと仕事したり、買い物に行ったりで、3時4時、洗濯物取り込んだり、夕方の庭の水まきとかをしてると、もう6時、みっくんの夕方のお散歩の時間。帰ってきて、シャワー浴びて、酒飲んで、あっという間に9時半で、就寝の時間(笑)。ちょっとした体験リタイア生活の年寄りは、早寝早起きだ。

しかし、この夏元気なのは雑草だけ。雑草のように生きる、という言葉があるけど、あれは、強くたくましく生きるということではない。生き抜くために、ありとあらゆる努力をする、ということだ。ただ黙って庭の雑草を抜きながらそんなことを考えている。
誰が教えるわけでもないだろうに、雑草というのはものすごくいろんな努力をして、はびこっているのだ。抜いてみればわかる。

抜いてはいけないグラウンドカバーに植えた草がある。そうするとそれに形や色がそっくりな雑草が、あいだあいだに生えてくるのだ。まるでそこに生えている草の姿と自分の姿がすっかり見えていて、ここならバレないだろう、と考えているかのようだ。そして、彼らは巧妙に抜いちゃいけない草に根を絡ませて、ぐしゃぐしゃになり、雑草だけ抜き取るのを実に困難にしている。
根をどんどん張って、草だけとっても根が残ればそこからまた復活する。カタバミなんか、抜くとその振動でタネがはじけて、次世代に命がつながる仕組みだ。
あいつらはすごい。本当に努力と工夫あっての雑草の強さ、たくましさだ。

雑草のように生きるというのは、生きるための努力を懸命にする、という、命ある動物のしごくまっとうな、そして当たりまえの行動だ。それは犬猫や、野生動物も同じ。生きるための努力を日々懸命にしている。
人間だけが、生きているのが当たり前というか、生きていることを前提にしていろんなわがままを言う。

ある意味哲学の時間ともいえる我が家の夏の雑草取りは、最終ブロックがめでたく終了すると、第一ブロックがすでに雑草だらけ、という無限地獄でもある。

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