ジョーディ・スミスがパイプラインを弱点から強みに変えた方法
2020-11-29 更新
ジョーディ・スミスはこれまで最高のカービングをしてきたし、史上最大のエアーもいくつかこなしてきた」とWSLのコメンテーターであり、ジョン・ジョン・フローレンスのコーチでもあるロス・ウィリアムズが昨年話していた。
「加えて健全な中毒性があるパイプの巨大なバレルの技術も手に入れ始めたのではないかと思うよ」 とも。
ジョーディは自国「J-Bay」での成功が際立ち、パイプラインに関しては’遅咲き’と言われている。
ツアーでは貴重な南アフリカ人としてサーファーに大きな影響を与え、CTでも成功している彼だが、パイプラインでの最高成績は2018年の3位に留まっている。
サーフィンの究極のタイトルでもあるパイプラインマスターズ。
ジュニア時代から数々のタイトルを手に入れてきたジョーディにとって、それはキャリアの’大きな穴’でもあり、その穴によって失ったワールドタイトルのチャンスもある。
パイプライン克服の一歩
現在32歳、CT13年目のジョーディ。
「パイプラインマスターズでの優勝」という生涯の目標である壁を越えるために数年前に一歩踏み出したことがある。
2017年、ノースショアに家を購入したのだ。
それは不動産投資でもあり、自らのキャリアへの投資でもあった。
「パイプラインではラインナップに並ぶ時間が本当に全てなんだ。過去に自分の本領を発揮できず、どこで波を待てば良いかさえも分からなかったし、正しい波を選ぶのも難しかった。今はもっとリラックスしてラインと波のスピードを読み取れるようになったよ」
パイプラインでの成功に近道はない
マスターズで成功を収めるにはラインナップで多くの時間を費やすのが唯一の方法。
彼の才能とコミットメントが問題ではなく、パイプラインとはそういう場所なのだ。
2018年、ジョーディがパイプラインで最高の結果を残した時、パイプラインのスペシャリスト、シェーン・ドリアンはこのように語っている。
「この10日間、パイプラインでのフリーサーフィンのセッションを全て見てきたけど、CT選手でそこにいたのは半分だけだった。サーフィンをしていた選手は全て良い成績を残していたし、その中でもジョーディは目立つ存在だったね。彼はここ数シーズンで劇的に上達したよ」
ノースショアに家を購入して多くの時間を費やしているジョーディ。
2020年のレイトシーズン、パンデミック直前の4月のエピックセッションでは常にベストなセットを乗っていたが、それは数シーズン前には考えられなかったことだと言う。
コロナ禍のジョーディ
4月のエピックセッションの後、ハワイはロックダウンされ、ジョーディと妻は南アフリカに戻った。
そして、南半球の南アフリカは冬に入り、歴史上最高の波に恵まれたシーズンを楽しんだ。
更に11月初旬には第一子’ジギー・レイ’の誕生とコロナ禍でも幸せを見つけた。
12月8日からパイプラインで開幕する『『Billabong Pipe Masters』はワールドタイトルへの再出発になる。
恐らく、初の優勝候補の筆頭になるかもしれない。
参考記事:How Jordy Smith Turned Pipeline From A Weakness To A Strength
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