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From BCM.ミュージック「cky」

2003-07-20 更新
ミュージックコラム第4回は「cky」です

皆さんは先頃発売されたメタリカのニューアルバムはもうチェックされたでしょうか?音楽評論家の伊藤政則氏が代名詞となりそうな、日本においてのハードロック/ヘヴィメタルの様式美を上手く外れているので、普段はパンクやヘヴィロックしか聞かない人でもそこそこ聞けるサウンドになっていると思います。(ちなみにギタリストのカーク・ハメッドはサーフィンを、他のメンバーはスノーボードをするそうです)そんなメタリカに認められたバンドが今回のお題、「cky」です。

最近のスケートボードやスノーボードのビデオでは、信じられないような高さからのドロップを繰り返し、サーフィンで言う所のトゥ・インような命からがらの映像が多く見られます。差し詰めこの世界では肝っ玉のない奴はお断りといわんばかりで、既に多くのスケーター・ボーダーはスタントマンと化してます。
ならばもう道具なんていらないじゃん!ということで、スケートボードを使わないスタントシーンをメインに、お馬鹿な要素を加えた作品「cky」を、クレイジープロスケーターのバム・マーゲラと、友人のブランドン・ディカミロの2人が発表しました。
このビデオがきっかけとなって、スパイク・ジョーンズが製作した、アメリカ版いたずらウォッチングともいえる、MTVのハチャメチャ番組「Jackass」に、バムらが出演、いたいけなティーンを巻き込んで社会現象を起こした末、バムたちは一気にお茶の間スターとなりました。
この「cky」とは元々、バムのお兄さんであるジェスがドラマーを務めるバンドの名前で、4作目まで出ている「cky」のビデオ内では、彼らの曲が多用されています。また、テイラー・スティールのサーフビデオ「モーメンタム アンダー・ジ・インフルーエンス」では、ブルースのフッテージにも使われ、彼らの音を既に耳にした人も意外に多いかもしれません。
このような経緯もあり、少しずつ「cky」のバンド自体の知名度が上がり、あのガンズアンドローゼスのカムバックツアーの前座を務めるなど、現在はモダンロックリスナーに限らず様々な層にアピールし始めています。

このバンドの音の要はオールドメタルではありますが、パンクの要素や、打ち込みサウンドにもアプローチし、クロスオーバー的な展開も見せています。アメリカではオズフェストの成功や、ラップメタルの台頭により、ロックシーンでは少しずつメタル色が強くなっていることも事実です。そこへ来て、メタリカのニューアルバムのセールスの良さから、ここ日本にもメタル熱が飛び火し、この夏のミュージックトレンドはメタルとなる予感がします。海の中でもハングルースの変わりにデビルサインをする人を多く見かけるかもしれませんよ!?

さて、次回は黒人テクノDJシリーズ第2弾、「ジェフ・ミルズ」をお届けしたいと思います。