『Rip Curl Newcastle Cup』イタロ&カリッサが優勝でトップに!
2021-04-10 更新
昨年の12月にハワイで開幕してから約4ヶ月、コロナ禍で変則的なスケジュールが求められている2021年シーズンのCT。
4月〜5月にかけてニューキャッスル、ナラビーン、マーガレットリバー、ロットネスト島と4戦連続で開催されるオーストラリアレッグの初戦『Rip Curl Newcastle Pro pres. by Corona』がイースタホリデーから開幕して現地時間4月10日に終了。
ファイナルデイは前日に入った低気圧からの北東よりのウネリが南よりのウネリにシフト。
公式3-5ftレンジのオフショアから後半はサイドオフショアにシフトしながらも会場の「ミアウェザービーチ」はまずまずのコンディションを維持してくれ、2021年シーズンの新たな勝者が決定しました。
メンズはブラジリアン同士のファイナル
PHOTO: © WSL/Dunbar
アベレージのビーチブレイクという今回の会場から推測してイベント前にはすでにブラジリアンの有利性が語られていましたが、まさにその通りにシナリオが進行。
QFに残った8人中5人がブラジリアン。ファイナルデイでは前日まで強かったロコボーイも敗れ、開幕戦のパイプラインのSFで対戦したイタロ・フェレイラ(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)がファイナルに進出してエアーショーを披露していました。
世界最強のグーフィーフッターと言っても過言ではないこの二人の戦いは一回のエアーでひっくり返る可能性があるため、最後の一本まで見逃せない展開。
ファイナルはハイスコアこそガブリエルながら、7ポイントを2本まとめたイタロが逃げ切る形で優勝、見事にパイプラインのリベンジを果たし、CT7度目の優勝。
ジョン・ジョンからカレントリーダーの座も奪うことに成功しました。
「素晴らしいイベントだった。数週間、このメンバーで戦ってきて本当に良かったよ。とても良いイベントだったさ。ガブリエルとのヒートは大好きなんだ。彼はマシンのような存在で、自分のことを凄く刺激してくれるので、対戦するのはいつも楽しいよ。今は自分が1位だけど、そんなことは関係ない。次のタイトルへの挑戦はトラッセルズで開催される’リップカールWSLファイナル’への出場権を得てからだよ」
PHOTO: © WSL/Dunbar
これまでオーストラリアレッグで苦戦を強いられてきたガブリエルは今回の2位でランキング2位に浮上。
次の会場のノースナラビーンはフロントサイドとなるレフト中心のビーチブレイク。この日見せたSFでの特大のエアーを最高のタイミングで決めることが出来れば、他の選手にとって脅威になることは間違いないでしょう。
「楽しいイベントだったし、イタロとのファイナルも楽しかったよ。ニューキャッスルに来たのは初めてだったけど、みんな良くしてくれたし、波も良かったので、とても充実した時間を過ごせた。自分のパフォーマンスには満足している。来週からのコンテストが楽しみさ」
長年タッグを組んでいた継父チャーリーから離れ、ミック・ファニングのワールドタイトルにも貢献したことがあるアンディ・キングを新しいコーチとして戦った今回。
苦手だったオーストラリアのイベントで幸先良いスタートを切ったことがその相性の良さを証明しています。
ウィメンズはカリッサの圧勝
PHOTO: © WSL/Dunbar
前日のQFで前人未到のエアーリバースをメイクしたカリッサ・ムーア(HAW)がファイナルデイもリズムを崩さず、SFではキャロライン・マークス(USA)を相手に17.74のハイエストヒートスコアをマーク。
ルーキーのイザベラ・ニコルス(AUS)とのファイナルでもその強さは変わらず、コンビネーションスコアの圧勝でCT通算24勝目を決めてランキングでもトップに立ちました。
「この優勝を家族、特におばあちゃんに捧げたいと思う。このイベントで1位になれたことは素晴らしいことよ。本当に期待していなかった結果なの。イザベラとのファイナルはとても楽しかったわ。彼女がルーキーシーズンで素晴らしい結果を残せたことを祝福したいと思う。次のイベントも楽しみにしているし、このまま勢いを維持していきたい」
PHOTO: © WSL/Matt
タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ステファニー・ギルモア(AUS)と強敵を倒してファイナルに進出してきたイザベラは2021年シーズンで最も注意しなければいけない選手でしょう。
もちろん、ミアウェザービーチのようなビーチブレイクでは波運が勝負を左右することもありますが、カリッサ、ステファニー、タイラーの三強を崩すポテンシャルを持っています。
「ファイナルまで来れると思っていなかったわ。憧れのステフやカリッサと対戦できたことが夢のよう。今までで最高の仕事だと思う。ファイナルはまともな機会を得られなかったような気がして、それは残念なことだったけど、コンテストで自分の思い通りになることは限られている。カリッサは戦術的に私を上回っていたし、彼女がどのように勝ったのかを見れて良かったわ。おしゃべりしたり笑ったりして、とても楽しかった。次の3つのイベントも楽しみにしている」
ライブ中継を見ていた方は分かると思いますが、新型コロナウィルスの感染拡大を抑えているオーストラリアでは今回のような国際的なイベントでもマスク着用は義務化されていなく、ここだけ見ると世界中でまだ収束していないコロナ禍が嘘のように平常化されています。
優勝直後もビーチ凱旋が行われ、勝者には沢山のファンや関係者が群がっていました。
次の第3戦『Rip Curl Narrabeen Classic pres. by Corona』は同じNSW州のノースナラビーンで4月16日〜26日に開催。
ダミアン・ハードマンなどを生んだシドニー周辺では最もコンペティティブなブレイクが特徴。
ミック・ファニングがワイルドカードで出場することも決定しています。
2021年シーズンのスケジュールが更新
イベント終了後、WSLは2021年シーズンのオーストラリアレッグ後のスケジュールのアップデートを発表。
5月に開催されるロットネスト島での第5戦の後、6月にサーフランチ、7月に過去に『Ripcurl Search』の会場となったメキシコ、8月にブラジルとタヒチ。
そして、トップ5の選手がカリフォルニアのローワー・トラッセルズに集まり、最終決戦の『WSL Finals』を行ってワールトタイトルが決定するスケジュールです。
ヨーロッパ、アフリカなどコロナ禍で移動に制限がある国は省かれています。
第6戦 6月25日〜27日 サーフランチ
『Jeep Surf Ranch Pro』
第7戦 7月5日〜15日 メキシコ
『 Corona Open Mexico presented by Quiksilver』
第8戦 8月11日〜16日 ブラジル
『Oi Rio Pro presented by Corona』
第9戦 8月22日〜9月1日 タヒチ
『Outerknown Tahiti Pro』
★9月8日〜17日 カリフォルニア
『Rip Curl WSL Finals』
CT第2戦『Rip Curl Newcastle Cup』結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 モーガン・シビリック(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)
5位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ライアン・カリナン(AUS)、デイヴィッド・シルヴァ(BRA)、コナー・コフィン(USA)
ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 イザベラ・ニコルス(AUS)
3位 キーリー・アンドリュー(AUS)、キャロライン・マークス(USA)
5位 ステファニー・ギルモア(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ブロンテ・マコーレー(AUS)
2021年ワールドツアー:トップ5
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
4位 ジョーディ・スミス(ZAF)、五十嵐カノア(JPN)、ライアン・カリナン(AUS)
★4位は同率
ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 イザベラ・ニコルス(AUS)
4位 ステファニー・ギルモア(AUS)
5位 キャロライン・マークス(USA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
★5位は同率
WSL公式サイト
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。