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オーストラリアレッグ最終イベント『Rip Curl Rottnest Search』を制したのは?

2021-05-25 更新
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PHOTO: © WSL/Dunbar

リユニオン島から始まり、メキシコ、チリ、バリ、ポルトガル、プエルトリコ、サンフランシスコと2011年まで毎年開催地が変わるツアーの目玉イベントとして行われていた’Rip Curl Search’が10年ぶりに復活!

舞台は西オーストラリア州のパース沖に浮かぶロットネスト島。
島の南西部に位置するライト、レフト共にあるリーフブレイクのストリックランドベイ。
4戦用意されたCTオーストラリアレッグの最終イベントにもなった『Rip Curl Rottnest Search』が現地時間5月25日、公式4-6ftレンジの見応えある波で終了しました。

ブラジリアンが4連勝

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PHOTO: © WSL/Dunbar

メンズは開幕戦のパイプラインこそジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が制したものの、ニューキャッスルから始まったオーストラリアレッグは全てブラジリアンが優勝。
それも今回を含めて3戦はガブリエル・メディナ(BRA)が全てファイナルまで残り、その内2戦で優勝と圧倒的な強さを誇っています。

ルーキーながらファイナルに残ったモーガン・シビリック(AUS)の活躍が霞んでしまうような安定感でCT通算16勝。
トップ5が最後にワールドタイトルを争う「Rip Curl WSL Finals」出場もほぼ確実なものにしています。
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(ギャビーが圧倒的なサーフィンで今季2勝目)
PHOTO: © WSL/Dunbar

「オーストラリアでの生活、特にロットネストでの生活がとても気に入ったよ。ここは初めて訪れたけど、本当に美しい場所だね。ずっと波も良くて、歓迎されているような気がした。楽しいイベントだったし、この優勝で自分にとって特別な場所になった。沢山の厳しいヒートを勝ち上がり、自分の想い通りのサーフィンをして優勝出来たことは本当に嬉しいよ」

新婚に加え、長年コーチを務めてきたチャーリーから離れてミック・ファニングのワールドタイトルにも貢献したアンディ・キングをコーチに迎えた今年。
今まで苦手だったオーストラリアレッグを完璧に克服。
まさに「向かう所敵なし」の幕切れでした。

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(モーガン・シビリック)
PHOTO: © WSL/Dunbar

「サーチイベントでの最初のトロフィー獲得から10年、また新しいトロフィーを手にすることが出来て最高の気分だよ。今シーズンはとても良いスタートを切ることが出来た。勢いを維持していることも嬉しいね。実は妻の誕生日が近いんだ。この綺麗なトロフィーが欲しいと言っていたので、手に入れることが出来て嬉しいよ」

「舞台は地球」というコンセプトから地球儀をモチーフにしたトロフィーを昔から採用しているサーチイベント。
実はガブリエルは2011年にサンフランシスコで開催されたサーチイベントでも優勝しています。
当時このトロフィーを手に入れた時、10年後に自分が世界を揺るがすようなサーファーに成長しているとすでに想像していたのかもしれません。

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(2011年 パーコを倒して優勝したガブリエル)
PHOTO: © WSL

ビッグルーキー・モーガン

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PHOTO: © WSL/Dunbar

今シーズンが始まるまではほぼ無名だった21歳のオージーがオーストラリアレッグに入ってから大活躍。

ニューキャッスルで3位、ノースナラビーンで5位。
そして、今回は初ファイナルの2位と完璧なレールサーフィンを武器にルーキーとは思えない成績を重ねています。

「この数イベントは自信を持って臨むことが出来たし、ファイナル進出も可能だと思っていたよ。まあ、昨年の自分にCTでQF、SF、ファイナルに進出可能か?と聞かれたら無理!って言っていただろうけどね。最高だよ。リアムとのSFはファイナルよりも緊張した。彼とは互いに競い合ってきたライバルで、常に倒したい相手なんだ。ファイナルは準備万端だったけど、波数が少なくてギャビーが凄かったので、自分ではどうにもならなかった。ファイナルに進めたことは本当に嬉しいよ」

ランキングではガブリエル、イタロの1・2は変わらず、ポイント差は広がっています。
今回2位に入ったモーガンは5位に浮上。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーはほぼ確実な上、「Rip Curl WSL Finals」にも残る可能性があります。
今回17位だった五十嵐カノアは二つ落ちて9位です。

サリーがCT通算12勝目で2位に浮上

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PHOTO: © WSL/Miers

ウィメンズサイドはサリー・フィッツギボンズ(AUS)がファイナルでジョアン・ディファイ(FRA)を倒してCT通算12勝目。
QFでは短いながらすっぽりと姿を隠すようなバレルをメイクしていたサリーはこの波とのリズムが最高に合っており、SFではタイラー・ライト(AUS)を相手に9.10をスコア。ファイナルでも完全に主導権を握っての勝利でした。

「ウィナーズサークルに戻れて、とても良い気分ね。常にトップ5に入ることを目標にしているけど、いくつかの大会ではそれが出来なかったわ。今回は努力が報われて嬉しい。全てのチャンスを自分に与えれば、時に全てが揃って優勝することも出来る」

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(素晴らしいライディングでファンを魅了したサリー)
PHOTO: © WSL/Dunbar

サリーは今回の優勝でランキング2位まで浮上。

CT歴12年のベテランでもあるサリーは2010年から3年連続で2位となり、その後も毎年トップ10を維持。
コンスタントさに欠けるのが弱点でワールドタイトルの座からは見放されていますが、今年の最後に「Rip Curl WSL Finals」で決めるフォーマットはサリーにとってチャンスかもしれません。

「私はリップカールサーチのイベントを見て育った。その多くがレフトだったわ。イベントが復活して、しかもレフトとは最高ね。自分の強みであるバックハンドを使う機会が少なかったし、このロットネスト島では二度と試合に出られないかもしれない。だから、今回は本当に重要だと思っていた。優勝出来て最高よ」

ランキングではここまでの5戦で全て3位以上を維持しているカリッサ・ムーア(HAW)がトップを独走。
タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が3位に落ちてサリーが一気に2位に浮上しています。

次のCT第6戦『Jeep Surf Ranch Pro』は6月18日〜20日にサーフランチで開催。
その前に中米・エルサルバドルで5月29日〜6月6日に『ISA World Surfing Games』が開催。
これは東京五輪の最終選考を兼ねたビッグイベントであり、CT選手も多数参加します。
日本代表「波乗りジャパン」のメンバーは都筑有夢路、松田詩野、前田マヒナ、五十嵐カノア、村上舜、大原洋人の6名です。

CT第5戦『Rip Curl Rottnest Search』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 モーガン・シビリック(AUS)
3位 リアム・オブライエン(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)
5位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ミゲル・プーポ(BRA)、コナー・コフィン(USA)、ヤゴ・ドラ(BRA)

ウィメンズ
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2位 ジョアン・ディファイ(FRA)
3位 タイラー・ライト(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 マリア・マニュエル(HAW)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、イザベラ・ニコルス(AUS)、都筑有夢路(JPN)

2021年ワールドツアー:トップ5
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 38,920pt
2位 イタロ・フェレイラ(BRA) 30,235pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 22,505pt
4位 フィリッペ・トレド(BRA) 22,065pt
5位 モーガン・シビリック(AUS) 21,290pt

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 36,055pt
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 28,185pt
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 27,540pt
4位 タイラー・ライト(AUS) 26,050pt
5位 ステファニー・ギルモア(AUS) 24,645pt

WSL公式サイト




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