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マリブでワールドタイトルを獲得したのは誰?

2021-10-13 更新
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(ジョエル・チューダー)
PHOTO:© WSL/Lodin

現地時間10月12日、2020/2021のWSLロングボードツアー最終戦『Jeep Malibu Classic presented by Havaianas』が終了。

会場のカリフォルニア・マリブのファーストポイントは公式2-3ftレンジと初日よりサイズアップ。
波数は少ないながら世界中のロガーが憧れるマリブの波はどこまでも美しく、ワールドタイトルを決める舞台として最高でした。



ジョエル・チューダーがワールドタイトル史上最年長記録

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(ジョエルが17年ぶりにタイトルを獲得)
PHOTO:© WSL/Lodin

2019年にデヴォン・ハワードがツアーディレクターに就任したタイミングでツアーに戻り、世界中の同世代のロガーを刺激しているジョエル・チューダー(USA)

2020年のヌーサで優勝、パンデミックで中止されたその年のポイントが持ち越された今年のツアーでは初戦のサーフランチこそ結果を残せなかったものの、普段からサーフィンしているマリブではシルエットだけでジョエルと分かるようなスタイリッシュなバックハンドで次々と勝利を重ね、SFでカレントリーダーのハリソン・ローチ(AUS)が敗れ、その次のヒートで自身がトニー・シルヴァニ(USA)を倒した時点で3度目のワールドタイトルが決定。
45歳のタイトルはあのケリー・スレーターも上回るWSL史上最年長記録です。

「このタイトルはドナルド・タカヤマに捧げるよ。パドルアウトする直前にカイ・サラスとそう話していたのさ。彼がいなかったら、今の自分はいなかっただろうね。一番の誇りはケリーに勝ったことだよ。それだけは覚えておいてね」と表彰台で語っていたジョエル。

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PHOTO:© WSL/Lodin

ナット・ヤングや、2012年にこの世を去ったドナルド・タカヤマの指導を受けていたジョエルは僅か15歳で優勝。
1998年には初のワールドタイトルを獲得して2004年に2度目を獲得。

約20年前にフルタイムの競技から離れた時、ジョエルはトライフィンでのショートボードよりの技を評価するようになったWSL(当時のASP)を批判。
ロングボードは伝統を重んじるべきだと考え、自ら『Joel Tudor Duct Tape Invitational』という招待制のイベントをスタートさせました。

「シングルフィン、9’2”以上、ノーリーシュ、シェアライド可能」など独自のルールを設けたことが世界中のロガーから支持され、回り回ってデヴォン・ハワードがWSLでそれを再現したのです。

デヴォン・ハワードは「ジョエルは自分の方法でイベントを開催して大成功をおさめたんだ。彼が試験的に行ったことがロングボードの競技性を高める素晴らしい方法だったと世界に示すことになったのさ」と話しています。

『Joel Tudor Duct Tape Invitational』では完璧に主催者側に立ち、自身がイベントに参加することはなかったのですが、もしジョエルが参加しても優勝出来るはずと多くの人は思っていたことでしょう。
そして、競技に復活してすぐに3度目のワールドタイトルを獲得したのです。

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(表彰台でのベンとジョエル)
PHOTO:© WSL/Lodin

ジョエルは3度目のタイトルを獲得後、ベン・スキナー(GBR)とのファイナルでもジョエル流のクラシックスタイルを披露。
父親の姿を食い入るように見ていた長男のトッシュや、ボードを流してしまった時に助けてくれた次男のジュダ、両親の前で見事に優勝してタイトルに華を添えていました。

「今回の大会で優勝は期待していなかった。ただ上手くやって目標を達成したいと思っていたんだ。色々な要素が絡み合っていたよね。父は27年ぶりに自分の試合を見に来てくれたし、母も来てくれて感動したよ。子供たちに見てもらったのも最高だね。前回マリブで試合をした時、まだジューダもトッシュも生まれていなかった。子供が生まれる前のことを父親として語らなかったから、生で彼らに見てもらえて良かったね」

昔も今もロングボードで大切なのは技とスタイル。
そのことをまざまざと実感した一日でした。

ホノルア・ブロムフィルドが史上最年少で3Xを達成

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(3度目のタイトルを獲得したホノルア)
PHOTO:© WSL/Lodin

ウィメンズサイドではサーフランチで見事なスイッチスタンスでパーフェクト10を出していたホノルア・ブロムフィルド(HAW)がここマリブでも危なげなく勝ち上がり、3度目のワールドタイトルを獲得。
ロングボードツアーで22歳での3Xは史上最年少記録となり、ジョエルと共に歴史に名を刻みました。

「期待していなかったから、実現したことに感謝しているわ。最年少で3度のロングボードワールドチャンピオンになれたことは素晴らしい。ヌーサではあまり良い成績ではなかったけど、5位に入賞。サーフランチで優勝した時、タイトルを獲得するチャンスがあることを実感したの」

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(ホノルアもまたスタイルマスターである)
PHOTO:© WSL/Lodin

ファイナルではアリス・レモーン(FRA)が2本のハイスコアを揃えて圧勝したために2位でしたが、それよりもワールドタイトル獲得の喜びの方が大きかったようです。

「サーフィンが大好きなの。今回は父が一緒に来てくれたことにとても感動しているわ。父は私の守り神よ。ジョエルと一緒にこの舞台に立っていることも特別。ずっと尊敬していた人なのよ。本当に嬉しいわ」

アリス・レモーンが初優勝

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(アリス・レモーン)
PHOTO:© WSL/Mike Ito

優勝したアリスはQFで田岡なつみに圧勝、SFではクロエ・カルモン(BRA)との波数が少なかった難しいヒートでのクロスゲームを制してファイナルに進んでいました。

「ここマリブで優勝するなんて夢のようね。完璧な波で大好きよ。ファイナルはスロースタート。良いセットを待っていたら、それが最高だったの。優勝できてとても嬉しいし、ホノと一緒にファイナルを戦えたことは本当に特別なことよ。彼女と他の選手にも感謝したい。そして、私をサポートしてくれ、この素晴らしい場所でサーフィンさせてくれたここの皆さんにも感謝するわ」

『Jeep Malibu Classic』結果
1位 ジョエル・チューダー(USA)
2位 ベン・スキナー(GBR)
3位 ハリソン・ローチ(AUS)、トニー・シルヴァニ(USA)
5位 ケヴィン・スカヴァーナ(USA)、カイ・サラス(HAW)、ジャスティン・クインタル(USA)、カニエラ・スチュワート(HAW)

ウィメンズ
1位 アリス・レモーン(FRA)
2位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
3位 クロエ・カルモン(BRA)、ゾエ・グロスピロン(FRA)
5位 田岡なつみ(JPN)、キラ・シール(HAW)、リンジー・ステインリード(USA)、ケリア・モニーツ(HAW)

2020/2021 ロングボードツアー最終ランキングトップ5
1位 ジョエル・チューダー(USA) 20,000pt
2位 ハリソン・ローチ(AUS) 16,725pt
3位 カイ・サラス(HAW) 14,750pt
4位 ベン・スキナー(GBR) 14,000pt
5位 エドゥアルド・デルペーロ(FRA) 13,475pt
...17位 井上鷹(JPN) 5,830pt

ウィメンズ
1位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW) 20,500pt
2位 アリス・レモーン(FRA) 17,975pt
3位 クロエ・カルモン(BRA) 14,750pt
4位 ケリス・カレオパア(HAW) 13,500pt
5位 ソレイユ・エリコ(USA) 12,500pt
...7位 田岡なつみ(JPN) 11,750pt

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