日本での3年ぶりのWSLイベント『Asia Open』を制したのは?
2022-03-28 更新
コロナ禍でストップしていた日本のWSLイベントが3年ぶりに再会!
3月21日~27日に東京オリンピックサーフィン競技の会場、釣ヶ崎海岸、通称「志田下」でQS1,000『Asia Open』&20歳以下による『Asia Open Pro Junior』が開催されました。
今大会は2022年の日本で唯一のQSであり、各リージョナルから選出されたサーファーによって争われるCS(チャレンジャー・シリーズ)の日本予選を兼ねていました。
更に3月30日に静波サーフスタジアムで開催される「第3回ジャパンオープンオブサーフィン」の予選にもなるなど結果が次に繋がる大切な一戦。
また、新たに整備された大きな駐車場は関係者のみの使用だったものの、1,000円の入場券で実際に観戦も可能とプロスポーツとして一歩前進。
ハワイ、オーストラリア、カリフォルニアなどは大分前から観客を入れて更にマスクなしで密度も高い状況で行われており、今後は日本のサーフィンコンテストもオープンになってきそうです。
ジュニアは岩見天獅&松岡亜音が優勝
PHOTO:© WSL
QS1,000の前、3月21日〜22日に開催された20歳以下による『Asia Open Pro Junior』は地元の岩見天獅と千倉の松岡亜音が優勝。
岩見天獅はまだ16歳ながら地元の波で安定してポイントを重ね、ファイナルでは寺田文太、藤本世音、矢作紋乃丞を相手に8.25を含むトータル14.25で圧勝。
ウィメンズは都築虹帆、脇田紗良、中塩佳那、松岡亜音がファイナルへ。
難しいコンディションでスコアが出ない中、2021年JPSAチャンピオン、松岡亜音が優勝しました。
PHOTO:© WSL
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『Asia Open』メンズは稲葉玲王が優勝
PHOTO:© WSL
QS1,000『Asia Open』は3月23日から始まり、27日にファイナルデイを迎えました。
大会期間中は最大頭半以上のハードコンディション、風が合わなかった日が多くなっていました。
ファイナルデイは通過した低気圧からの南東ウネリが入り、頭オーバーサイズ。
朝は風が弱く、クリーンなフェイスだったものの、日中は東よりのオンショアが強まる傾向。
カレントも強く、難しいコンディションに変化していました。
ファイナルデイの最大の注目カードは地元の稲葉玲王と大原洋人のQFH4。
両者共に2021年のCSに参加していましたが、今年はここで負けた方が出場権を失うために緊迫した勝負に。
序盤は大原洋人が6.50をスコアした一方、稲葉玲王が5.50、6.75を返して主導権を握ります。ヒート終了間際、稲葉玲王はプライオリティを利用してライトの波にテイクオフ。パワフルなバックサイドで8.00のハイスコア。一方、大原洋人も難しいセクションをフローターで繋ぎ、最後はレイバックをメイク。勝利を確信してアピールするものの、、逆転には0.75ポイント届かずの7.50。稲葉玲王がSF進出、更にCS出場権も手に入れました。
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ファイナルはSFで上山キアヌをコンビネーションに抑えた村上舜と脇田泰地とのクロスゲームを制した稲葉玲王のグーフィーフッター対決。
序盤から稲葉玲王が8.50、村上舜が7.00とハイレベルな幕開け。熾烈な優勝争いを予感させていました。
中盤、波とのリズムが合わなくなった村上舜を尻目に稲葉玲王は5.50を重ね、更にフロントサイドでエアーリバースをメイクして観客を沸かせます。
この時点で稲葉玲王はトータル13,50。村上舜はニード9.25と追い込まれます。
後半、村上舜はサイズがあるレフトにテイクオフ、ファーストマニューバーは決まったものの、波が続かずにスコアは伸びず、ラストチャンスとなった波でもエアーリバースをミスするなど勝利の女神からは見離されていました。
結局、稲葉玲王が最後までリードを保ち、堂々の優勝!
地元でのQS初優勝にスポンサーのGOTCHAのジャケットを着た応援団の稲葉軍団は大喜び。
稲葉玲王は西慶司郎、高橋健人に担がれ、ビーチ凱旋を楽しんでいました。
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「みんなが応援してくれたおかげで優勝できました。ありがとうございます。ファイナルは波が変わって、前半にスコアが作れたのが良かったです。志田では初優勝です。5月からのCSがスタート、通過点なのでしっかり勝ちたいと思います」
なお、メンズのCS出場権はSF進出を決めた稲葉玲王、村上舜、上山キアヌ、脇田泰地の4名に決定。
村上舜、稲葉玲王、脇田泰地は村上舜の弟、蓮、都筑百斗を含めてTEAM MOBBというチームで動画などを制作する仲間。
世界の舞台で大暴れしてくれることに期待しましょう!
ウィメンズは脇田紗良がQS初優勝
PHOTO:© WSL
ウィメンズは前日のQF終了後にCS出場者が決定。
野中美波、都筑有夢路、松永莉奈、脇田紗良の4名と松田詩野がワイルドカードの1枠を手に入れていました。
ファイナルは大会序盤からリズムに乗っていた都筑有夢路、脇田紗良のカード。
2021年のCSにも参加していた二人の勝負は脇田紗良が8.00、都筑有夢路が9.00と共にハイスコアでスタート。
しかし、都筑有夢路はバックアップスコアが伸びず、14.75vs14.00で脇田紗良がQS初優勝を決めています。
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「アムちゃんが相手だったのでエクセレントを出せないと優勝出来ないと思っていました。8点が出せて、でも、自分がビーチを走っている時にアムちゃんが9ポイントを出したことを知って焦りました。ラッキーで勝てて良かったです。試合中は自分のサーフィンに集中しているので、バチバチですね」
CSは5月7日〜15日にオーストラリア・ゴールドコーストで開催される『Boost Mobile Gold Coast Pro presented by Rip Curl』から始まり、南アフリカ、カリフォルニア、ポルトガル、フランス、ブラジル、ハワイと世界中を回ることになります。
CSからCTへのクオリファイの条件はメンズ上位12名、ウィメンズ上位6名と狭き門。
五十嵐カノアに続く日本人CT選手の誕生なるか?
『Asia Open』結果
メンズ
1位 稲葉玲王
2位 村上舜
3位 上山キアヌ、脇田泰地
ウィメンズ
1位 脇田紗良
2位 都筑有夢路
3位 野中美波、松永莉奈
WSLアジアリージョナルのCSクオリファイ選手
メンズ
稲葉玲王
村上舜
上山キアヌ
脇田泰地
和井田理央
クトゥ・アグース
ウィメンズ
脇田紗良
都筑有夢路
野中美波
松永莉奈
松田詩野
カイラニ・ジョンソン
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