非会員上部PR枠用
 

「カレンダー:イーサン・ユーイングに関するお詫び」- F+コラム

2022-12-12 更新
Text by つのだゆき

エフプラスコラム

雑誌でもカレンダーでも、文章を使うときにはいつもいつも何度も見て確認するんだけど、それでも間違いというのは起こるもので、2023カレンダー、今回は日付や曜日の入ったカレンダー部分を除けば人名だけなんだけど、それでも見逃しちゃうんだな。11月のEsan Ewing。正しくはEthan Ewingですね。訂正してお詫びします。
Eさんってちょっとかわいい感じだけど、なんで気が付かなかったんだろう。何度も見たんだけどなぁ。

言い訳するわけじゃないけど、自分が書いたものって流しちゃうんですよね。読み飛ばしちゃう。実際に私の手から離れて印刷に回るまでには最低でも4-5回読むわけだけど、読んじゃうんだよね、自分のものって。読むリズムのまま飛んでっちゃって、見逃す。注意深く見なくちゃいけないのに読んじゃう。で、なぜかそれらは完成した後に気が付くもので、なんなんだろうなぁ。30年ぐらいこの仕事してるけど、たぶん作ったものの中で一つもこういったミスのないものって、本当に両手で数えられるぐらいしかないんじゃないかと思う。

昔は校正士さんというお仕事の人がいて、本印刷に入る前の校正という確認作業のプロがいて、誤字脱字、送り仮名の正誤や表記の統一などなど、内容的にこことここが矛盾しているとか、文章として読み飛ばさないでデータとして正誤を見きわめる、それはそれはすごい人がいて、今に比べれば間違いってだいぶ少なかったと思うし、1冊の本の中でケリー・スレーターとケリー・スレイターが混在することもなかったように思う。
今、デジタルオンデマンド印刷の時代になって、パソコン上で制作したデータをオンラインで送ってそのまま印刷という流れなので、原稿があって校正があって最終校正があって、みたいな流れはなく、通常は校正士さんをはさむこともないので、一度見逃せばデータは簡単に流れて行ってしまう。

あ~あ、なんか落ちるなぁ、こういう見逃し。原稿は人名だけなので、スタッフ任せにしたのが悪いわけだけど、それでも4回ぐらいはEさん見逃してるダメな私。トリミングとか写真の色とかそういうほうにばかり気が行ってたかもな。許してください。

エフプラスコラム
まぁ、そのEさんカレンダー、年間特典応募しそびれた~という方はこちらから。贈り物にもどうぞ。近年サーフィンの写真を印刷物で見るというのもほぼないわけで、たまに印刷で見るとやっぱいいなぁ、と思う古い人間です。
写真というのは動画よりずっといろんな情報が凝縮されて止められていて、動画だと流れて行ってしまうディテールをじっくり見ることができる。特にA4サイズの大きさになればその写真はその一瞬のいろんな出来事を語る。トラック、スプレー、重心の位置、次の瞬間はどこに行くか、この選手ならどうするか、みたいに想像は広がって、ずっと見てても飽きないのが印刷の写真の良さだと思う。紙の印刷物には奥行きがある。
いやぁ、しかし落ちるなぁ……なんで気がついちゃったんだろう、今ごろ。

エフプラスコラム
エフプラスコラム

写真は我が家の冬の名物「猫ダンゴ」と、こちらも落ちる、我が家の分離不安の犬の留守中のいたずら。
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。