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インドネシアでデング熱が大流行!

2004-03-10 更新
世界保健機関(WHO)が2月26日、インドネシア保健省の報告として、同国で大規模なデング熱の流行があり、14000人以上が感染、約260人が死亡したと発表されました。致死率は1.8%に達しています。感染はジャワ島とスマトラ島の全域に広がり、BCMのバリ島駐在スタッフからもデング熱流行の情報が先週届きました。現在、インドネシア保健省では、ウイルスを媒介する蚊の本格的な排除を開始しています。

この感染症は日本であまり馴染みのないものですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされます。デング熱は流行する地域全体で年間数十万人の患者が発生しており、2003年は広い地域で爆発的な感染が発生しました。マラリアと違い、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶や竹の切り株に溜まった水でも発生する為、都会でも流行することが多く、ある意味でマラリアよりも感染する危険性が高いと言えます。

-感染源-
デング熱ウイルス(フラビウイルス属で1~4型まである)を保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に吸血され感染します。

-症状-
3~15日、通常5~6日の潜伏期(蚊に刺されてからウイルスが体内で増えるまでの期間)を経て、突然発熱が起こります。発熱時の体温は38~40℃程度で約1週間持続し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、痒みや痛みはほとんどありません。また、軽い皮下出血が足腿部、腋下、手のひらに発熱期の最後や解熱後に現れます。

-治療方法-
一般に対症療法だけで特効薬はありませんが、特別な治療を行わなくても軽症で済むケ-スが多く、死亡率は1%以下であると言われています。しかし、最近の傾向としては、デング出血熱という重症な疾患になるケースが徐々に多くなってきています。

-予防方法-
この感染にはマラリアに対するクロロキンなどの予防接種的な予防薬もありませんので、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法です。
短期間の滞在であれば、防虫スプレ-や蚊取り線香あるいは厚手の服の着用(長袖、長ズボン)である程度は予防できます。但し電気蚊取器は電力事情が悪い外国(流行地域は全て良くない)では停電などのために使用不能になる場合が多いのでお勧めしません。やはり昔ながらの蚊取り線香が一番です。長期の滞在であれば、蚊帳を携行することをお勧めします。

-デング出血熱-
一般に流行するデング熱の中でも出血傾向を伴う重症疾患で、その原因は特殊な型のデング熱ウイルスによるもなのか、個人差(遺伝的な感受性の有無)によるものなのかは諸説あり、詳細については明らかになっていません。主要な症状は一般のデング熱と同じですが、下記の様に異なる点があります。
○大人よりも小児に多発する傾向があります。
○皮下、鼻腔、歯肉などから出血がみられます。
○死亡率が10%と高く、治療が遅れれば40~50%が死亡するといわれています。
○アジア地域に多発し、次いで中南米地域にみられ、その他の地域での発生はまれです。

楽しいはずのサーフトリップ・卒業旅行が、1匹の蚊に台無しにされないよう、これからインドネシア方面へ渡航される方は、十分に注意してください。