パチタンの消えたロングレフト!地形復活に力を尽くすローカル(WSMコラム)
2025-07-16 更新

10年弱前にはASC(アジアン・サーフィン・チャンピオンシップ)イベントが開催されていたインドネシアのジャワ島に位置するパチタン。
世界遺産のボロブドゥール遺跡などで有名なインドネシアの古都、ジョグジャカルタの空港から陸路で3時間ほど東に離れたエリアです。
パチタンと言えば有名なのは市内からはかなり離れたワトゥカルンで、スラブスポットとして知られています。
一方、ASCイベントの会場であったパチタン市内のパンチェルビーチは、1分以上のライドも可能なロングレフトが特徴で、さらには混雑とは無縁という事で僕にとってお気に入りのブレイクでした。
なのですが、そのロングレフトが消失することに…。
その事実を知ったのは、今月僕がパチタンに行こうと馴染みの宿に予約の連絡を入れた時のこと。
「ロングレフトの地形がダメになって、ここでサーフするならビーチブレイクだけになるけど」

そもそもパンチェルビーチは広大なオープンビーチで、東端が河口となっていてその河口の先がサンドボトムのレフトポイントになっていました。
つまり、河口からの流れに沿って砂がついてサンドバンクが形成されていたのですが、どうやら河口の流れが変わってしまい、地形が崩れてしまったそうです。
ボトムがリーフであればこのような問題は起こり得ないでしょうが、パンチェルビーチはサンドボトムという事で不安定だったと言えます。
現時点において、ローカルサーファーは何とかして元に戻したいと考え、河口の流れを変えるべくプロジェクトに取り組んだりしているそうです。

さて、こういったストーリーを聞くと、永遠に続くものはないのだとつくづく実感させられます。
10年弱前に国際イベントの開催地であった場所の波が、これだけの短いスパンで一変してしまったわけですから。
だからこそ、当たり前なものなど存在せず、今ある環境を存分に満喫しなければと再認識させられました。
個人的には波情報を事前までチェックし、パチタン行き予定の3日前に宿に連絡しての出来事だったので、予定が白紙となり正直言って途方にくれましたが…。
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